活断層はぎ取り

活断層とは, 過去に繰り返し地震を起こし, 今後も活動する可能性のある断層のことです. 活断層の危険度を評価するためには, 過去の活動を明らかにすることが必要です. これは糸魚川-静岡構造線活断層系中央部の長野県岡谷断層で行われたトレンチ調査で壁面にあらわれた断層の剥ぎとり標本です. パネルの左が西, 右が東です. パネルの左側にあるほぼ垂直なふたつの断層を境にして東下がりの地層のずれが認められます. これらの断層の上端は地表直下の地層に覆われており,一番最近の地震がこの層の堆積前に発生したことが分かります. 地層のずれの解析や地層の堆積年代の測定結果から, 7200年前以降に4回の地震があったことが確認できました. この標本の範囲からは, このうち最近2回の地震の痕跡が読み取れます.