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高性能光学センサ (ASTER) 衛星画像で海底噴火に伴う
 新島の位置を確認 (トンガ王国)

ー2006年10月4日の観測で南緯18度59分27秒、西経174度46分03秒の地点に新島を確認ー

平成18年11月15日更新
平成18年11月13日
産業技術総合研究所
地質情報研究部門

   トンガ王国で海底火山が噴火し新島ができたとの情報から、過去のASTER画像を精査したところ、2006年10月4日の観測で南緯18度59分27秒、西経174度46分03秒の地点に新島を確認した。この位置は、ホームリーフ (Home Reef) という海底火山があった場所である。

   【図1】にトンガ王国中央部分の地図を、【図2】にASTER画像を、【図3】に新島付近の拡大図を示す。

   新島は北東-南西方向に長軸を持つ楕円形で長径約900m、短径約400m、面積は約0.2km2である。島の中央には大きな火口がある。付近の海域には変色海水も見られる。変色海水の温度は付近の海水温度より最大4℃高いことや、10月28日の夜間観測で新島の温度が海水より高いことから、現在も火山活動が続いているか最近まで火山活動が続いていたことがわかる。

   2006年7月25日の観測では新島は確認されていない。

続報

   2006年11月12日に実施した緊急観測では、10月4日の観測に比較して、新島の大きさが2/3程度に減少していた【図4】。また、変色海水の広がりも減少していた。これは火山活動が沈静化しつつあることを示すと思われる。今後、新島が消滅することも考えられる。


図1  画像が取得された位置を示す地図。赤い四角が図1の画像の位置。


図2  2006年10月4日に観測したホームリーフ海底火山付近のASTER画像。
赤い四角で囲った中に新島が見られる。右上に赤く見えているのはLate島。
これは可視近赤外画像であるため、肉眼で見た色とは異なる。
(クリックすると大きな画像が表示されます。)


図3  図2の赤い四角の拡大図。
楕円形の島と島から北東および東側に流れる変色海水が見られる。
これは可視近赤外画像であるため、肉眼で見た色とは異なる。
(クリックすると大きな画像が表示されます。)


図4  2006年11月12日に観測された新島のASTER画像。
前回の観測に比べて、新島の大きさが約2/3に減少しており、
変色海水の広がりも減少している。
(クリックすると大きな画像が表示されます。)

問い合わせ先

産総研地質調査総合センター