霧島山新燃岳2011年噴火情報

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霧島山新燃岳2011年噴火
産総研・地質調査総合センターによる調査結果

2011年1月26日開設、2012年2月2日更新

産総研地質調査総合センター (GSJ) は霧島山新燃岳2011年噴火に対応して1月26日から現地調査チームを派遣しました。

2011年1月27日から現地噴出物調査 (噴出物の堆積量や分布、噴出物の構成粒子等の観察) と、茨城県つくば市にある研究所での分析作業 (検鏡・化学分析・岩石学的解析) を実施しています。

調査結果は随時公表してゆきます。調査にあたり、現地各自治体、気象庁にご協力いただいております。

無人飛行機
2011年5月18日。
火山ガス観測装置を塔載した無人飛行機が霧島火山の噴煙の中を飛行した。

目次

現地調査 (速報)

産総研・地質調査総合センター (GSJ) は、1月26日から現地調査チームを派遣し、主に宮崎県内で噴出物の堆積量や分布、噴出物の構成粒子等の観察を行っています。調査にあたっては、現地各自治体、気象庁のご協力をいただいております。

2011年2月25日〜3月17日

火山灰の定期的な採取・調査
調査の目的・概要

産総研では長期化する新燃岳の噴火活動の観測を、地元自治体の協力を得て行なっております。2月24日以降は、宮崎県都城市、高原町の協力を得て、それらの地域内の21ヶ所において、3月9日からは鹿児島県霧島市の協力を得てさらに霧島市内で5ヶ所の地点における降灰量調査が開始しました。試料は各自治体から毎週送っていただいております。今後は、宮崎県小林市、えびの市の協力を得て、観測点を充実させていく予定です。

新燃岳は2011年1月26日から27日にかけて軽石噴火を行いました。その後、1月28日から1月29日にかけて連続的に火山灰を放出する活動を行ない、新燃岳東側の宮崎県高原町を中心とする地域に火山灰を降下させた。1月29日以降は、2月3日ごろまでは爆発的な噴火が度々発生し、火山礫を伴う火山灰の放出が続きました。2月4日以降の噴火頻度は徐々に少なくなりましたが、3月以降でも、週に1〜2回程度は噴火しております。

設置風景
都城市山田町での設置状況
都城市山田町での設置状況
都城市庄内町での設置状況
都城市庄内町での設置状況
現地から送られた火山灰試料
現地から送られた火山灰試料
    写真のようなペール缶を各地点において降灰調査を行っています。
各観測期間毎の降灰量
2011年3月10日〜3月17日の降灰
2011年3月10日〜3月17日の降灰
2011年3月3日〜3月10日の降灰
2011年3月3日〜3月10日の降灰
2011年2月25日〜3月3日の降灰
2011年2月25日〜3月3日の降灰
  • 採集した試料は乾燥して秤量した後、各地点ごとに保存します。秤量の値を基に総降灰量を求めます。
  • 地図内の黄色四角の点が観測点です。噴出量は概算の速報値です。今後の研究の進展にしたがって変更される可能性がありますが、週に1〜10万トンオーダの火山灰が噴出していることがわかります。

2011年2月1日

2011年1月26日〜27日までの霧島山新燃岳の総噴出量は約7千万トン
  • 霧島山新燃岳周辺で、噴出物の降下地域のほぼすべてにおいて現地調査を実施。
  • 現地調査110地点で噴出物を採取し、重量を計測。
  • 今回噴出した噴出量 (約7千万トン) は、1959年噴火の噴出量の約9倍に相当。
2011年1月26〜27日の現地調査の様子その2
  • 霧島火山新燃岳の噴火は、2011年1月26日より連続噴煙となり、風下ではかなりの降灰が予想された。噴火の実態を調査するため産総研は1月27日より30日まで職員4名を現地に派遣し、火山近傍から遠方は太平洋沿岸までの100以上の地点で試料採取及び観察を行った。これらの調査から、噴出物の総量および分布範囲を把握し、得られた試料の分析を進めている。

2011年1月28日

2011年1月26〜27日の現地調査の様子
  • 26日午後から27日にかけての活発な噴火では、大量の軽石が噴出し、風下の広い範囲に降下・堆積しました。新燃岳から南東約3kmの高千穂河原付近では、数cm〜10cm大の軽石からなる火山礫が、厚さ約15cm堆積しているのを確認しました。
  • 都城駅付近では、27日夜までに火山灰が厚さ約5mm堆積していることを確認しました。28日午前の調査では、新燃岳から東南東方向に最も多量に降下・堆積していることが分かりました。

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分析結果 (速報)

マグマの化学組成・温度

マグマ溜まりの温度は1716-7年噴火と同様

霧島火山の「2011年1月19日軽石」、「2011年1月27日軽石」、および「1716-1717年噴出物」に含まれる輝石 (単斜輝石、斜方輝石) の化学組成にもとづき熱力学的な平衡温度を見積ったところ、2011年1月27日噴火を起こしたマグマ溜りの温度は、1716-1717年噴火と同様だったことが示されました。

1月27日までに噴出した軽石は江戸時代に新燃岳で噴火したマグマと類似

昨日 (1月27日) 午前までに霧島新燃岳から噴出した 軽石 試料の全岩化学組成をの測定を、XRF装置を用いて行ないました。その結果、今回の軽石 (輝石安山岩) はSiO2=57重量%前後であり、江戸時代に新燃岳で噴火したマグマときわめてよく似た組成を持つことが判明しました。

マグマ物質の検出

2011年1月19日の噴出物にはマグマ物質と考えられる軽石粒が含まれる

2011年1月19日に発生した小噴火の噴出物について試料を解析した結果、マグマ物質と考えられる軽石粒が含まれることが分かりました。

実体鏡写真
実体鏡写真
走査電顕写真
走査電顕写真

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