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第 3 表 地質環境的機能と人為的作用による影響

土地の 地形・地質区分 地質環境的 機能・特性 土地利用の現況 人為的作用による影響 環境保全の立場から 当面必要な事項
緑被の剥脱 削剥・変形 人工構造物の 設置または被覆 汚染物質・廃棄物の 散布・投棄
河川水域 流水域 雨水の集中供給。 水の自浄作用。 侵蝕・運搬・堆積作用。 農業用水および源流地点における飲料水の取水。 水棲生物の育成。 水辺レクリエーション。 河川侵蝕作用の促進。 水質汚濁。 自浄機能の低下。 水棲生物の衰減。 河床の低下または上昇。 河道変化。 新たな侵蝕または停滞の発生。 河床の上昇または低下。 河道の変化。 新たな侵蝕または停滞の発生。 自浄機能の低下。 水棲生物の衰減。 水質汚染。 水棲生物の衰減。 被緑化の促進
貯水域 流出水量の調節。 河水面上昇。 河水の停滞。 夏期温水化。 下刻侵蝕の停止。 沈殿堆積作用。 土砂礫の下流側への運搬遮断。 発電用貯水池。 堆砂の採取。 堆積作用および水質汚濁の促進。 堆積および水質汚濁の促進。 水質汚染。 堆砂の掃流排出による下流への堆積物質の供給。
谷底低地
(現 河川氾濫原堆積物)
平坦面の形成。 洪水時の河川氾濫による遊水作用および 河川水と地下水との交流による流出水量の調節。 氾濫に伴う肥沃土壌の更新。 農地(主に水田)および一部居住地。 浅層地下水(伏流水)の取水。 流れによる浸食作用の促進。 氾濫時の被害増大化。 地下水および地下水の遊水機構の変化。 河川水に対する涵養機能の減失。 氾濫時における被害の増大化。 地下水および河川水の汚染。 地下滲透の防止。 居住地化の防止。 遊水作用の再評価。
中・低位段丘
(段丘礫層)
平坦面の形成。 河川の氾濫からの回避。 残留肥沃土壌。 谷底低地および河川水に対する地下水涵養。 高燥性。 集落・農地(水田および畑地)および交通路。 地下水涵養機能減衰。 地下水涵養機能減衰。 地下水位の変動。 地下水涵養機能減失。 雨水の地表流出発生。 地下水および河川水の汚染。 地下滲透投棄の防止。
シラス台地
(入戸軽石流堆積物)
台地面 平坦面の形成。 河川の氾濫絶無。 肥沃土壌の欠除。 高燥大。 地下水および河川水に対する涵養補給機能大。 集落・農地(畑地および一部水田化)。 林地(主として経済林)および交通路。 地下水涵養機能の減衰。 豪雨時の地表流出発生。 地下水位の変動低下。 土壌の減失。 地下水涵養機能の減失。 雨水の地表流出。 地下水・湧水および河川水の汚染。 雨水の地表排出および市街地化の極力防止。 地下滲透投棄の防止。 縁辺部の被緑化促進。
斜面 雨水・流水・地下水に対して剪断抵抗が小さく崩壊し易い。 ただし自然状態では垂直的崖面において最も安定的である。 林地(杉・落葉広葉樹などの経済林を主とする)。 湧水の利用。 侵蝕の助長。 崩壊危険性増大。 新しい崩壊の惹起。 地下水流動機構の変化および新たな被害の像拡大があり得る。 湧水・河川水の汚染。 森林の皆伐防止。 天然林(常緑広葉樹)または竹林による保安林化の促進。 居住地化の防止。
丘陵性台地
(高位段丘堆積物)
台地面 平坦面の形成。 肥沃土壌の欠除。 地下滲透性小。 元来林地で近年開拓地としての農地(畑地および一部水田化)および集落が発達。 雨水の地表流出量増大。 礫層の露出によって地下滲透性の増大。 雨水の地表流出量増大。 地表水および一部地下水の汚染。 地下滲透投棄の防止。 縁辺部の被緑化促進。
斜面 泥質層は安定であるが, 礫層部は水に対して緊迫力が弱く, 崩壊し易い。 林地(ほとんど杉・落葉広葉樹の経済林) 豪雨時の地表流出量増大。 侵蝕・崩壊の増大。 礫層部の新たな崩壊惹起。 礫層部の水涵養調節機能の減失。 地下水および河川水の汚染。 森林の皆伐防止。 保安林化促進。 居住地化防止。
山地
(四万十塁層群)
総量的には最大の水源涵養地帯形成。 ただしここの涵養機能は岩体としては小さく, 表層のロームおよび岩屑堆積物が森林植生と相候ってこの機能の大部分を果たしている。 上昇気流による局所的多雨地帯を形成。 かってはシイ・タブ・カシによって代表される暖帯広葉樹林に覆われていたが, 現今ではほとんど伐採され, 杉を主とした経済林に置き換えられている。 表層の侵蝕促進によって, 水涵養・調節機能の減衰および崩壊の増大。 野生生物の衰減。 新たな崩壊の惹起。 保水機能の減失。 水涵養調節機能の減失。 野生生物の衰減。 河川水の汚染。 野生生物の死滅。 森林の皆伐防止。 自然林の復活。 保安林の鏡下。 谷壁斜面等の居住地化防止。