14036_1956

5万分の1地質図幅説明書

宇部東部

(福岡 第 36 号)

通商産業技官 河野迪也

地質調査所

昭和 31 年


目次

I. 地形
II. 地質
II.1 概説
II.2 古生界
II.2.1 三郡変成岩類
II.3 先第三系貫入岩類
II.3.1 変質斑粝岩質岩石
II.3.2 橄欖岩~蛇紋岩
II.3.3 透角閃石岩
II.3.4 変質玢岩質岩石
II.3.5 花崗岩類
II.3.6 花崗斑岩ないし石英斑岩および珪長岩質岩石
II.4 第三系
II.4.1 岐波累層
II.4.2 宇部夾炭層
II.5 第四系
II.5.1 洪積層
II.5.2 冲積層
III. 応用地質
III.1 概説
III.2 石炭(宇部炭田)
III.3 温石綿・滑石
III.4 石材
参考文献

Abstract

1 : 50,000 地質図幅説明書 (昭和 29 年稿)

宇部東部

(福岡 第 36 号)


本図幅調査においては, 先に当所において石炭調査のために地質調査を実施した地域以外 19), 24) の, おもに古生層・橄欖岩~蛇紋岩および花崗岩類分布地域を, 昭和 28 年 8 月 14 日から 9 月 17 日まで 35 日間にわたって, 野外調査を行った。 なお第三系分布地域に対しては, 既調査結果を編集し, 海底地域の地質については, 宇部興産株式会社および沖宇部炭鉱株式会社の坑内資料を参考にした。 また本図幅説明書中の変成岩および火成岩の検鏡結果および記載は, 広川治技官によった。

I. 地形

本図幅地域は山口県の南西部に位し, 宇部・山口両市および吉敷郡のそれぞれ一部を含んでいる。 一般に標高 200 m 以下の比較的平坦な丘陵地帯で, 北から南へ海岸に向かって次第に低くなり, 地表の傾斜面よりははるかに緩い傾斜を示す周防灘の海底に続いている。

II. 地質

II.1 概説

第 1 図 地質総括表

本図幅地内に露われる諸岩層のうち, 最も古い古生層の三郡変成岩類は, ほゞ東西方向の片理をもって基盤を構成し, 橄欖岩が大小の岩脈または岩床をなして, 広範囲に亘りこれを貫ぬき, 両者はきわめて密接な関係をもって分布している。 地域北部にはこれらの岩類を貫ぬいて, いわゆる中国花崗岩が東西に亘って広く分布し, さらにこれらを貫ぬいて脈岩類が処々に露出している。 この基盤岩類を覆って, 古第三紀後期の海進によって形成された 非海成または浅海成の宇部層群が分布している。 本層群の堆積時の基盤は現在の地形とほゞ似た起伏をもち, 本層群は多くの盆地に分かれて堆積したものと考えられる。 宇部層群の堆積後は著しい褶曲や断層運動はなかったが, 東部から北部にかけて基盤が隆起し, そのため隆起部では宇部層群の上部が削剝をうけて, 現在のような分布範囲をとるにいたったものと考えられる。 また洪積層は南部から北部に向かって次第に薄くなり, 第三紀以後も北部ほど基盤の隆起量が大きかったことを示している。

II.2 古生界

II.2.1 三郡変成岩類

本岩類はおもに結晶片岩類からなり, ほかに輝緑岩質岩石を含む。

図幅地域の西部に広く分布し, 中央部では第三系および洪積層によって覆われる部分が多く, 東部では竹島および秋穂町東部の岬突端に, 僅かに分布しているにすぎない。 本岩類は全体としては東西に連なり, 東に隣接する 室積図幅(1 : 75,000)および 徳山図幅(1 : 75,000)地内に広く分布している千枚岩層に連続する。

結晶片岩類 : 片理面は一般に NE – SW で, 35°NW 内外の傾斜を示す。 地域の中央部および西部では橄欖岩によって複雑に貫ぬかれ, あるいはまたこのなかに捕獲岩として包含されることもある。 丸尾海岸では両者の関係が最も複雑で, 地質図上に詳しく表現できないほどである。 本岩類は黒色片岩類および緑色片岩類からなっている。 前者は概して見掛上の下部に多く, おもに海岸線近くに分布し, 後者は比較的上部に多く, おもに図幅地域西部に分布する。

黒色片岩類は石英・石墨・黒雲母・絹雲母および長石等からなり, 剝理性に乏しく, 複雑な小褶曲をなしている。 石英は厚さ 10 cm 以下のレンズ状に含まれることがあり, その伸長方向は片理面に平行している。

秋穂町赤石鼻のものは, 黒色の部分と白色の部分とが縞状をなし, これが微細な褶曲をしている。 顕微鏡下では黒色の部分に褐色の黒雲母が多く, ほかに石英と長石とが認められる。 白色の部分は石英・斜長石・正長石・絹雲母および緑泥石等からなっている。 石英はほかの鉱物に較べてその粒子が著しく大きく, かつ多量に含まれている。

秋穂町中央岬において, 花崗岩質岩石によって貫ぬかれて分布するものは, 赤石鼻のものに岩質が似ているが, 結晶粒がさらに大きく, 白色の部分には比較的大きな石英・正長石・斜長石が多く集まっている。

丸尾南方海岸のものは黒鉛状光沢を示し, その片理面に沿って stilpnomelane が黒褐色鱗片状結晶をなして集まっているのがみられる。 顕微鏡下では黒色の部分と白色の部分とが縞状をなし, これがごく細かく褶曲している。 黒色の部分にはおもに炭質物または鉄質物が集まり, 白色の部分はおもに石英・斜長石からなる。 なお長針状の stilpnomelane は片理を切り, あるいは片理に沿い, ある時は少しく撓曲して多数みられる。

丸尾南西海岸のものも, 白色の部分と暗灰色の部分とが縞状に細かく断続して片状を呈している。 顕微鏡下では暗灰色の部分には, 絹雲母・炭質物または鉄質物が主としてみられ, しばしばそれらにとりかこまれて, 針状の透角閃石(?)がレンズ状に集合している。 白色の部分は石英と斜長石とがおもで, 針状の stilpnomelane が, 上述のものと同様な産状をなして集合している。

緑色片岩類は おもに 緑色黒雲母・緑簾石・透角閃石・陽起石・絹雲母・滑石および石英等からなり, 緑泥石片岩・緑簾石片岩・絹雲母片岩・滑石片岩等に分けられる。

鍋島対岸のものでは暗緑色で絹糸光沢を有する部分に, 白色の部分が挾まれている。 顕微鏡下では おもに緑泥石・絹雲母・炭質物または鉄質物が集合している部分と, おもに石英・曹長石・斜長石が集合している部分とが縞状をなしている。

輝緑岩質岩石 : 本岩は上片倉西方および秋穂町中央岬に塊状に分布している。 上記結晶片岩類との前後関係は判然としないが, 産出状態からおそらく後のものと考えられるが, しかしその変質状況からみて, 時代的には大差ないものと思われる。

上片倉西方のものは帯緑暗灰色を呈し, 塊状, 堅硬, 細粒な岩石である。 顕微鏡下ではおもに斜長石と帯褐淡緑色の角閃石とからなり, そのほか少量の単斜輝石がみられる。 また副次的に磁鉄鉱の小粒が散在している。 斜長石は他形を呈し, 中性長石ないし曹灰長石で累帯構造はみられない。 角閃石は細片をなし, あるときは集合し, あるときは散在している。

秋穂町中央岬のものは暗灰色, 細粒, 片状で, しばしば小褶曲構造を示し, その間に灰白色の部分が帯状に挾まれている。 ときには磁鉄鉱や黄鉄鉱が風化面に突出していることがある。 顕微鏡下では緑色の角閃石がおもで, ほかに斜長石・褐色の黒雲母・燐灰石および磁鉄鉱がみられる。 灰白色の部分には 石英・斜長石・淡緑色の透輝石および黄色を帯びた柘榴石がみられる。

II.3 先第三系貫入岩類

II.3.1 変質斑粝岩質岩石

本岩は丸尾の海岸に露出している橄欖岩~蛇紋岩中に, 約 200 m の間に幅 1~5 m, 長さ 20 m 以下の捕獲岩として3ヵ所にみられる。 かなり著しく変質しているためよくはわからないが, おそらく斑粝岩が変質したものであろう。

丸尾崎北部のものは帯緑灰白色を呈する堅硬, 緻密な岩石である。 顕微鏡下では単斜輝石と斜長石とを僅かに残すのみで, 黝簾石・緑簾石・炭酸塩鉱物・蛇紋石・滑石・緑泥石および柘榴石が 生じているのがみられる。

丸尾崎南部のものは緑灰色を呈し, やゝ片状で, 構成鉱物はおもに斜長石・帯褐淡緑色の角閃石と少量の褐色雲母とである。 斜長石の粒度は輝緑岩質岩石よりも大きい。

II.3.2 橄欖岩~蛇紋岩

本岩は図幅地内の三郡変成岩類の分布に伴なって, 処々に露出しているが, 特に西部に比較的広く露出している。 結晶片岩類を岩脈状または岩床状をなして貫ぬき, 花崗岩類によって貫ぬかれ, 第三系および洪積層に覆われて, きわめて不規則な露出を示している。

全般に黒色ないし暗緑色を呈する堅硬, 緻密な部分と, 緑色ないし帯黄淡緑色を示し, 美麗で大部分蛇紋岩に変化した部分とがある。 後者には温石綿・滑石および方解石脈が, 節理面に沿ってみられることがある。

請川附近のものは暗灰色を呈し, その風化面は滑らかでない。 おもに橄欖石・無色の角閃石ないし透角閃石 および緑泥石または蛇紋石からなっている。 橄欖石の一部はやゝ粒状化しており, しばしば方位の異なる小結晶粒が集合している。 無色の角閃石ないし透角閃石は, 稀に比較的大きな結晶をなすこともあるが, 一般には小さい針状をなし, これがしばしば箒状に集合し, あるいは橄欖石中にくい込んでいる。 緑泥石または蛇紋石は以上の鉱物の間をみたしており, 帯緑淡黄色を呈している。 このほか少量の鉄質物と微量の滑石とがみとめられる。

下片倉西方のものは請川附近のものと, 構成鉱物の種類はほゞ同様であるが, 緑泥石または蛇紋石が著しく多く, 橄欖石・透角閃石はいずれも少量である。

岐波南方の鉄道切割のものでは, 帯紫褐色の部分と帯黄緑色の部分とが, 一定の方向に配列して縞状になっている。 顕微鏡下では葉片状の蛇紋石がおもで, 滑石と斜方角閃石(直閃石)とが部分的に多い。 そのほか少量の鉄質物とクローム鉄鉱がみられる。

丸尾北方のものは表面が滑らかでなく, 帯褐黄色の斑点を有する。 顕微鏡下ではほとんど葉片状の蛇紋石だけからなり, 黒色ないし褐色の鉄質物が散点している。

岐波南方のものは黒色を呈している。 顕微鏡下ではおもに斜方角閃石(直閃石)・橄欖石からなり, ほかに少量の緑泥石と微量の滑石・クロム鉄鉱および炭酸塩鉱物がみられる。 直閃石は針状あるいは箒状をなして集合している場合が多い。 橄欖石は小結晶粒をなして直閃石の間にあったり, あるいはそれによって切り割られているような組織を示している。 滑石は多くの場合, 直閃石の一部を交代している。

鍋島対岸のものでは黒色の部分と白色の部分とが微細な縞をなし, やゝ絹糸光沢を示している。 顕微鏡下では水滑石(?)と緑泥石(?)とからなり, やゝ鉄質物(?)の多い部分には榍石がしばしばみられる。

II.3.3 透角閃石岩

本岩は秋穂町赤石鼻北東方の 黒雲母花崗岩と黒色片岩との接触地帯の黒色片岩中に, 厚さ 30 cm 以下のレンズ状をなして産し, 黒色片岩とともに花崗岩類の岩脈によって切られている。 分布範囲が狭いので地質図には表わさなかった。

本岩はやゝ絹糸光沢を有する帯緑灰白色の繊維状の鉱物からなっている。 顕微鏡下ではおもに透角閃石ないし無色の角閃石からなり, 稀に緑泥石および鉄質物がみられる。

II.3.4 変質玢岩質岩石

本岩は花崗岩および結晶片岩類のなかに, 幅 10 m 以下(中山の寺の裏のものは 2 m 内外)の岩脈として露出している。 灰色, 堅硬で斜長石の斑晶が明瞭にみられ玢岩質である。 斑晶には斜長石のほかに淡緑色ないし無色の角閃石がある。 ときには, 黒雲母の小片が斜長石の小片とともに集合しているものがあり, これはおそらく有色鉱物の仮像であろう。 石基はおもに斜長石と無色に近い角閃石, および褐色の黒雲母からなっている。

月崎突端のものは帯紫暗灰色を呈し, 緻密, 堅硬である。 顕微鏡下では斑晶として, 斜長石と褐色の角閃石のほかに, 角閃石を交代したと考えられる緑泥石と, 褐色の黒雲母の小片とからなる仮像がみられる。 石基はおもに斜長石と褐色の黒雲母とからなり, そのほかに少量の角閃石や緑泥石等がみられ, 稀に石英を含む。

秋穂町赤石鼻および中央岬のものは風化面が凹凸に富み, 肉眼で斜長石の斑晶が明瞭にみられ, 顕微鏡下では閃緑玢岩質である。 赤石鼻のものは, 斑晶が斜長石と緑色の角閃石とからなり, 石基はおもに斜長石・褐色の黒雲母および緑色の角閃石からなっている。 中央岬のものでは, 斜長石の内部に絹雲母の細片と炭酸塩鉱物が生じており, 有色鉱物は緑泥石にかわっている。

請川北方のものは帯緑灰色を呈し, 緻密である。 顕微鏡下では緑簾石によって一部交代された斜長石がみられる。 石基はおもに柱状の斜長石と緑泥石とからなり, その間をうずめるように石英がみられる。

II.3.5 花崗岩類

黒雲母花崗岩 : 本岩は図幅地域の北部に広く分布し, 三郡変成岩類と橄欖岩~蛇紋岩とを貫ぬいている。

秋穂町岩屋鼻・北迫北方および月崎のものは粗粒で, 長石は僅かに桃色を帯びている。 構成鉱物はおもに石英・パーサイト・斜長石および黒雲母からなっており, しばしばミルメカイトが認められる。

秋穂町赤石鼻には石英が多量で, かつ結晶粒が大きく, ペグマタイト質の部分がある。

アプライト質岩石 : 本岩は黒雲母花崗岩体の近くまたはそのなかに, 幅 5 m 以下の岩脈をなしている。

秋穂町中央岬・請川北方および秋穂町赤石鼻北西方のものは, おもに石英・正長石および斜長石からなり, 中央岬のものには白雲母のほかに, 褐色の黒雲母が僅かにみられる。

II.3.6 花崗斑岩ないし石英斑岩および珪長岩質岩石

月崎北方のものはその幅が 5 m 内外あり, 黒雲母花崗岩を貫ぬいて延長 300 m あまりに亘って露出している。 灰白色, 堅硬な岩石で, 斑状組織を呈し, 構成鉱物の成分上では花崗閃緑岩質である。 おもに 石英・正長石・斜長石・暗褐色の黒雲母および帯褐淡緑色の角閃石からなり, 2次的に緑泥石(ときにぜん虫状)・緑簾石等が生じている。

赤石鼻と中央岬のものは幅 10 m 以下の岩脈として, それぞれ黒色片岩と黒雲母花崗岩とを貫ぬいている。 灰白色, 堅硬, 緻密な岩石で, 顕微鏡下では斑状組織を示し, かつ文象構造を呈している。 構成鉱物は赤石鼻のものにおいては, 正長石・石英・灰曹長石ないし曹長石・暗褐色黒雲母・帯青緑色角閃石 等からなっている。 中央岬のものは前者に較べて斑晶が少なく, 角閃石はみられず, 緑簾石が多い。

床波東方のものは 5 m 内外の幅と, 約 1,000 m の延長とをもって, ほゞ黒色片岩の片理面に沿って貫入している。 灰白色, 堅硬, 緻密で, 斑状組織を示す。 石英はその径が 5 mm 以下で不規則形を呈し, 石基は微粒構造または珪長岩質構造を呈している。

赤石鼻北方のものも珪長岩質で, 暗灰色ないし灰色を呈する。 有色鉱物は緑色の角閃石・緑泥石・緑簾石等である。

II.4 第三系

本地域に発達する第三系は, 古第三紀の宇部層群であって, 上述の古期岩類からなる基盤を不整合に覆い, 陸域の低地に分布し, さらにその分布は南側の海底域にも亘っている。 おもに砂岩・泥岩およびそれらの互層からなり, その間に礫岩および炭層を挾む。 層厚は海域では約 140 m のところもあるが, 陸域ではそれよりも薄くなる傾向がある。

宇部層群は徐々に行われた海進によって, 起伏に富む基盤上の小堆積盆地に, 分離あるいは連絡して堆積した非海性または浅海性の堆積物である。 地層の走向・傾斜は基盤の起伏をそのまゝ反映して一定でない。 すなわち走向は盆地の形に沿い, 傾斜は盆地の周縁では 20°内外を示すが, 中心に向かって徐々に緩やかになり, 5°内外を示している。 そして層群全体としては, 南方の海域に向かって緩やかに傾斜している。

本層群の堆積後, 断層および褶曲運動の著しいものはなかったものと推測されるが, 基盤の隆起が地域北部および東部においてみとめられる。 宇部夾炭層は常盤池以東の岐波地域の陸域では, その上部は削剝されている。 常盤池以西の陸域では, 上部まで削剝をまぬがれて存在する。 海域では陸域よりも比較的上部まで削剝をうけずに存在している。 すなわち基盤の隆起は岐波地域の陸域が最も著しく, 次いで常盤池以西の陸域で, 海域は隆起が最も少なかったと考えられる。

本層群の地質時代については, 古くは徳永重康の研究があり, 最近では矢部長克・高井冬二らによって研究され, その時代は始新世末期とされている。

本図幅地域内の宇部夾炭層からは化石の産出は稀で, これまでに知られているおもな化石は次の通りである。

一重石層の上盤産
Desmatotherium grangeri TOKUNAGA(沖ノ山炭鉱産)
Amynodon watanabei (TOKUNAGA)(〃)
Sabalites nipponicus (KRYSHTOFOVICH)(東見初炭鉱産)
五段層の上盤産
Sabalites nipponicus (KRYSHTOFOVICH)(〃)
Nelumbo nipponica ENDO(〃)
五段層の下盤産
Athleta japonica NAGANO(沖ノ山炭鉱産)

宇部層群は本図幅地内では, 宇部夾炭層とその下位の岐波累層とに2分される。

II.4.1 岐波累層

本累層は一般に塊状, 層理に乏しい地層で, おもに褐色ないし帯青灰白色の砂岩と, 灰色ないし帯青灰色の泥岩とからなっている。 砂岩は泥岩よりもその量において多い。

花崗岩類と接する本累層の基底部には, 径 1~10 cm の多量の花崗岩類の亜角礫と, 少量の古生界の岩石の亜角礫とが, 角張った粗粒の花崗岩質の砂によって硬く膠結されているものがある。 しかしところによっては, 基盤との境界が判然としないことがある。 古生界および橄欖岩~蛇紋岩と接する部分には, 上述のような顕著な基底礫岩が認められず, 青灰色ないし暗灰色の粗粒砂岩が発達している。

本累層の厚さは普通 50 m 以下で, 常盤池以東にのみ分布している。 その走向は一般に NE – SW で, 傾斜は 10°SE 内外であるが, 基盤の起伏に影響されて局部的には走向・傾斜がまちまちである。

本累層は西に隣接する宇部図幅地域内において, 宇部夾炭層の下位にある厚東川礫岩層にほゞ対比される。

II.4.2 宇部夾炭層

本層もまた一般に層理に乏しい地層で, その厚さは 90 m 以下である。 おもに灰色ないし帯青灰色の砂岩・砂質泥岩・泥岩等からなり, その間に礫岩および炭層を挾む。 北部の基盤岩類露出地帯近くや, 岐波累層分布地域の近くでは, 一般に粗粒の砂岩が多く, 南部にいくにつれて細粒となり, 泥岩が増加する傾向がある。 礫岩は薄層をなして砂岩中に1, 2層挾まれるが, 連続性がない。

本層は常盤池以西では上記岐波累層を欠いて, 直接古生界および橄欖岩~蛇紋岩上にのる。 そこの基底部は基盤岩類の風化生成物である, 灰黒色ないし暗緑色の泥岩, あるいは砂岩からなっている。 常盤池以東の岐波地域では, 本層は岐波累層の上に整合に重なり, その基底部に 径 1~3 cm の花崗岩および古生界の円礫を含む 礫岩層(厚さ 3 m 内外)がみとめられる。

II.5 第四系

II.5.1 洪積層

本層は宇部層群の分布とほゞー致する低地帯に広く分布している。 その厚さは北部の基盤岩類露出地域近くでは薄く, 30 m 以下であるが, 南部の海域に向かって次第に厚くなる傾向があり, 海域では 90 m 以上に達する部分がある。

本層は礫・砂・粘土等からなり, 古生界・花崗岩類および宇部層群等を不整合に覆う。 一般に上部と下部は砂層および礫層からなる。 砂層はおもに灰白色または褐色の粗粒石英質砂からなり, 礫層の礫はおもに附近に露出する各種岩石の直径 3 cm 以下の円礫からなり, 粗粒砂によって膠結されている。 中部はおもに灰色または帯青灰色の粘土層からなり, 砂層または礫層を挾むことがある。 陸域ではこの粘土層は薄く, 海域では一般に厚くなり, 70 m 以上に達する部分がある。

なお洪積層の最上部に厚さ 1~3 m の火山灰質の地層がある。 その下部は凝灰質粘土または浮石質砂層からなり, 上部はローム質の赤褐色粘土層からなる。 前者は分布しないところもあるが, 後者は洪積層分布地域に広く発達している。

II.5.2 冲積層

本層は諸河川の流域の平坦地を構成し, 礫・砂および粘土等からなるが, 海岸および宇部市街地はおもに石英質砂層からなる。

III. 応用地質

III.1 概説

石炭は本図幅地域内におけるもっとも重要な地下資源で, 宇部炭田の東半部が図幅地域内に含まれる。 石炭のほかに石綿・滑石等があるが, 重要でない。

III.2 石炭(宇部炭田)

沿革 : 宇部炭田開発の発祥地は明らかでないが, 常盤池附近とみなされており, いまから 260 年前頃から採炭が始まったようである。 海底下の石炭を採掘し始めたのは明治 25 年頃で, 現在はおもに海底地域の炭層が開発されており, 陸域の稼行可能炭層はほとんど採掘しつくされた感がある。

第 2 図 炭層賦存区域図

第 3 図 試錐柱状図

第 4 図 地下構造曲線図

炭層賦存状況 (第 2~4 図参照) : 試錐柱状図に示すように, 炭層は約9層あるが, 稼行可能なものは, 上位から 一重石 ひとえいし 層・ 二重石 ふたえいし 層・ 大派 おおは 層・ 五段 いつだん 層・ 二段 ふただん 層および 三尺 さんじゃく 層の6層である。 これらのうち五段層と三尺層が炭質・炭丈ともにすぐれ, 広く稼行されている。 炭層は一般に堆積盆地の縁辺部に近づくにしたがって, 薄くなるとともに炭質も悪くなり, 炭層の層間距離が接近してくる。 これに反して, 堆積盆地の中央にいくにつれて炭質・炭丈ともにすぐれ, 炭層の層問距離が開き, 炭層数も多くなる傾向がある。

炭層の賦存区域はきわめて不規則で, 基盤の起伏が炭層の堆積に大きな影響を与えている。 また下位の炭層を欠如して, 上位の炭層が直接基盤にのる部分もある。

夾炭層中には著しい断層や褶曲はなく, 断層は一般に基盤の突出部の斜面に沿ってすべったものである。 しかし基盤の隆起は炭層の賦存状況に対して, 大きな影響を与えている。 すなわち常盤池以西の宇部地域では, 北部ほど基盤の隆起が著しく, 夾炭層賦存区域北部の琴崎八幡宮附近では, 五段層から上の炭層はなく, 南へいくにつれて上位の大派層・二重石層・一重石層が賦存する。

常盤池以東の岐波地域でも, やはり北部ほど基盤の隆起が著しかったと考えられ, 夾炭層は陸域では五段層以上は薄く, 南部の海域では, 陸域よりも上位の大派層までの地層が存在する。

洪積層もほゞ同じように北に薄く南に厚くなる傾向があり, 一般に南部より北部の方が基盤の隆起が著しかったことを示している。

すでに言及した洪積層中部の粘土層は, 洪積層が厚いところで厚く, 海域では 70 m 以上に達する部分がある。 この粘土層は俗に「なめら」といわれ, 不透水性で海底採掘に大いに役立っている。

炭層は一般に 5~20°をもって各堆積盆地の中央に向かって傾斜し, 盆地の周縁部や基盤の突出部近くでは, 傾斜は比較的急になり, 盆地の中央部ではほとんど水平である。 そして全体としては, 南の海域に向かって緩く傾斜している。

第 1 表 石炭分析結果

炭鉱名 炭層名 水分 % 灰分 % 揮発分 % 固定炭素 % 硫黄 % 発熱量 cal 粘結性
東見初 一重石層 9.39 11.49 44.26 34.86 1.72 5,830 非粘性
大派層 8.16 26.94 40.32 24.57 2.28 4,620
五段層 8.88 12.27 44.80 34.05 2.16 5,720
二段層 8.66 11.08 41.95 38.31 0.41 5,830
三尺層 10.34 13.73 43.96 31.97 2.61 5,440
沖宇部 三尺層 8.96 20.76 42.81 27.47 1.94 5,070
上宇部 大派層 10.25 19.70 40.76 29.29 1.30 5,580
五段層 12.15 13.58 41.05 33.22 1.87 5,440
東神原 二重石層 9.90 10.26 42.33 37.51 2.68 5,720
五段層 9.57 13.58 43.26 33.21 1.26 5,430
常盤 二番層 8.98 21.29 38.67 31.66 2.51 5,090
三番層 9.44 22.88 38.90 28.78 0.35 4,780
広島通商産業局 宇部石炭事務所 分析

炭質・炭量 : 本炭田の石炭は「宇部炭」としてよく知られ, 日本標準規格(JIS. M 1002)の E, すなわち低度瀝青炭に属する。 一般に次のような特色を持っている。

1) 揮発分にとみ, 低温乾溜に適する。
2) 火つきがよく, かつ火持ちがよいうえ, 臭気と煙が少ないので家庭用に適する。
3) 灰分が少なく, 粘結せず長焔なので, ボイラー用に適する。

以上の特性から, 本炭は家庭の煖厨房用・浴場用として, また瀬戸内海沿岸の製塩用に広く利用され, さらに近年になって火力発電や, セメント工業のほか, 硫酸・硫安・ソーダ・合成繊維等の化学工業用にも利用されてきた。

昭和 26 年 11 月公表の「全国埋蔵炭量炭質統計調査」の, 第1次調査結果によれば, 宇部炭田全体の理論埋蔵炭量は約 646,309,000 t である。 本図幅地域内には上記炭量のほゞ3分の1の 約 2 億 2 千万 t が賦存すると考えられる。

第 2 表 炭鉱一覧表

炭鉱名 所在地 従業員概数 採掘方法 採掘地域 備考
東部宇部地域 宇部興産株式会社 東見初鉱業所 東見初 3,200 斜坑 海域 海岸線から沖合へ 沿層坑道 7.5 km
沖宇部炭鉱株式会社 800 海岸線から沖合へ 沿層坑道 2.8 km
沖宇部新鉱 140 立坑 陸域
南王子炭鉱 60
東宇部炭鉱 中野 休止
有燐炭鉱 東見初 130
第二上宇部炭鉱 草江 40
常磐炭鉱 常磐池 140 斜坑 常磐地下
新上宇部炭鉱 中宇部 休止 立坑 陸域
東王子炭鉱 梶返
神原炭鉱 恩田 270
見切新鉱 笠山 休止
東神原炭鉱 梶返 420 斜坑・立坑
上宇部炭鉱 中尾 休止 立坑
岐波地域 長生炭鉱 床波 斜坑 海域
周防炭鉱 大沢 立坑 陸域
大沢炭鉱
宝興炭鉱 上ノ原
(昭和 28 年 7 月現在)

稼行状況 : 常盤池以西のいわゆる東部宇部地域の陸域の炭層は古くから採掘され, 現在ではほとんど採掘しつくされたといってよい。 目下海底地域を採掘している宇部興産株式会社の東見初鉱業所や, 沖宇部炭鉱株式会社を除いては, 陸域は大部分残炭採掘である。

常盤池以東のいわゆる岐波地域の陸域では炭層の発達が悪く, 現在稼行されていない。 床波海岸から海底地域に向かっては, 大派炭層から下位の炭層が賦存し, かつて長生炭鉱によって採掘されたことがあるが, 坑道が水没したため現在は休止している。

陸域の炭鉱の稼行は小規模のために, 経済状況に左右されることが多く, 炭鉱数も従業員数もともに不定である。

昭和 26 年 4 月から昭和 27 年 3 月までの1カ年間に, 本図幅内の炭鉱によって, 総計ほゞ 96 万 t が出炭され, そのうち東見初鉱業所はその約4分の1を出炭している。

III.3 温石綿・滑石

村松東方海岸の幅約 5 m, 延長約 600 m の蛇紋岩の岩脈中に, 芋蔓状に膨縮しながら滑石鉱床が賦存し, かつて地表部分のみ小規模に稼行された形跡がある。

村松北東方および下片倉西方の蛇紋岩中に, 幅数 cm(最大 10 cm)の温石綿鉱床がレンズ状に賦存するが, 連続性がなく, 稼行価値はない。 ほかにも蛇紋岩中の節理に沿って, 温石綿や滑石等の細脈があるが, 稼行にたえるものはない。

III.4 石材

黒雲母花崗岩 : 秋穂町西部の岩屋鼻・狼峠および秋穂町の岬の各所に石切場があり, 中粒の黒雲母花崗岩が建築用・石垣用・石碑用等に切り出されている。

西山北方と北迫北方の県道沿いの各所に, 黒雲母花崗岩の石切場の跡があるが, 調査当時はいずれも休止していた。

橄欖岩~蛇紋岩 : 北迫北方の県道近くの処々に採石場がある。 暗緑色を呈し, 堅硬, 緻密な岩石で, 砕石としておもに道路の鋪装用に使用されている。

ほかにもこれと同様な橄欖岩が小規模ながら各所で採石され, 砕石として利用されている。 村松海岸の帯黄緑色の美麗な蛇紋岩は, わずかながら粉砕して壁材料に使用されたことがあるという。

参考文献

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宇部炭田に於ける海底炭層の開発と保安に就て, 宇部興産株式会社, 1953
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EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN Scale 1 : 50,000

UBE-TOBU

Fukuoka, No. 36

By MICHIYA KOUNO (Written in 1954)


Abstract

LOCATION

The area mapped is located near the western extremity of Honshū, and includes the well known submarine coal field of Ube.

GEOLOGY

The geological classification in this area and the successions are summarized in Table 1.

Table 1

Sangun metamorphic rocks

The rocks are the oldest in the mapped area and consist mainly of crystalline schists (black schist and green schist) and some amount of diabasic rock,

The black schist is composed chiefly of quartz, biotite, graphite, sericite, feldspar, and a few amount of chlorite, stilpnomelane (?) and others. This rock is black in colour with white bands of quartz, and shows minor foldings, frequently.

The green schist is composed of tremolite, actinolite, sericite, talc, quartz, etc. The rock is pale green in colour and is, in some parts, intercalated with white bands of quartz.

The schistosities of the crystalline schists bear the east-west trend with northwestward dip of ±35°, generally.

The diabasic rock is greenish gray in colour, massive, compact and fine-grained in texture. It consists of plagioclase, brownish pale green hornblende, and a few amount of pyroxene, magnetite, apatite, etc. It occurs as the masses enclosed in crystalline schists, but the relation to the schists is difficult to be determined.

Metagabbroic rock

The rock occurs as xenoliths in the peridotite~serpentine, and is a metamorphosed product of gabbro.

Ultrabasic rocks

The rocks comprise peridotite~serpentine and tremolite-rock. They are older than the granitic rocks but younger than the Sangun metamorphic rocks.

The peridotite~serpentine is intruded into the Sangun metamorphic rocks as the shapes of dike or sheet parallel to the schistose planes, and carries, in some parts, the xenoliths of the crystalline schists. The rock consists mainly of olivine, colourless amphibole or tremolite, anthophyllite, chlorite or serpentine and others.

The tremolite-rock crops out in a small area enclosed in black schist but is neglected in the map. The rock consists of fibrous tremolite or colourless amphibole.

Metamorphosed porphyritic rocks

The rocks occur as dikes in the crystalline schists and as xenoliths in the biotite granite. They are compact and porphyritic in texture, and consist chiefly of plagioclase, hornblende and some amount of chlorite, biotite, etc.

Granitic rocks

The rocks are unconformably covered by the Ube group, and cut the Sangun metamorphic rocks. They are mainly biotite granite and partly aplitic rocks.

The biotite granite in this area is a part of the so-called "Chūgoku granite" which is extensively exposed as a batholith in the western Honshū. The rock is composed chiefly of quartz, plagioclase, biotite and perthite. It is partially coarse-grained or pegmatitic in character.

The aplitic rocks occur as the dikes penetrating the biotite granite and the Sangun metamorphic rocks. They consist of quartz, orthoclase, plagioclase, biotite and muscovite.

Granite porphyry, quartz porphyry and felsitic rock

The granite porphyry, and the quartz porphyry consist of quartz, orthoclase, plagioclase, biotite, hornblende and secondary products, such as chlorite and epidote.

The felsitic rock is compact and gray or dark gray in colour, and consists of green hornblende, chlorite and epidote.

Ube group

This group rests unconformably on the pre-Tertiary basement of biotite granite, peridotite~serpentine and crystalline schists, and consists of marine to fresh water sediments deposited in a shallow sea which is separated by islands into many basins of deposition. The dips and strikes of the sediments reflect the reliefs of basement rocks. This group together with Quaternary deposits are thinner to the north and east.

The Ube group is divided in ascending order into the Kiwa formation and the Ube coal-bearing formation which are conformable each other.

The Kiwa formation is mainly composed of alternating beds of mudstone and sandstone, and carries thin beds of conglomerate. It is about 50 meters thick in maximum, but is missing in the west of the pond of Tokiwa.

The overlying Ube coal-bearing formation is composed of alternating beds of mudstone and sandstone, and contains several workable coal seams. The total thickness of the formation is about 90 meters in maximum.

Some of the fossils which have been found in this formation are represented as follows :

fossil mammals
Amynodon watanabei (TOKUNAGA) and Desmatotherium grangeri TOKUNAGA,
fossil plants
Sabalites nipponicus (KRYSHTOFOVICH) and Nelumbo nipponica ENDO.

These fossils indicate that the Ube group is late Eocene in age.

Quaternary deposits

Overlying the Ube group unconformably, there is a mantle of the Diluvial and Alluvial clay, sand and gravel which attains up to 90 meters in total thickness. The diluvium deposits consist of, in order from oldest to youngest, sand and gravel bed, clay bed, and sand and gravel bed.

ECONOMIC GEOLOGY

Coal

Of the several coal seams found in the Ube coal-bearing formation, four seams are now being mined. The principal seams which are named, in ascending order, Sanjaku, Itsudan, Oha and Hitoeishi seams have average thicknesses of 1.00 meter, 1.20 meters, 1.20 meters and 0.60 meters, respectively. The Itsudan seam is the most important, owing to its relatively constant thickness and superior quality, and is mined extensively. The Sanjaku seam is also mined in large tonnages. Both of these coal seams are extensively distributed undersea with low dips.

East of the pond of Tokiwa, the land part contains poor coal seams, small in thickness and inferior in quality and they are not economically important. But the undersea part contains some workable coal seams suitable for mining.

In the land part, west of the pond of Tokiwa, workable coal seams have been almost mined out, but in the undersea the Sanjaku and Itsudan seams are now being mined.

Most extensive mining operations are carried on in the undersea coal seams adjoining to the shore line. The Higashi-Misome colliery (Ube Industrial Co.) is far large in scale than others in this field. Other comparatively large ones are the Oki-Ube and Kamihara collieries.

Building Stone

The biotite granite is quarried at several places near Akiho-machi for building stones.


昭和 31 年 2 月 25 日印刷
昭和 31 年 2 月 29 日発行
著作権所有 工業技術院 地質調査所