04027_1955
5万分の1地質図幅説明書
(札幌 第 27 号)
通商産業技官 広川治
通商産業技官 村山正郎
地質調査所
昭和 30 年
目次 I. 地形 II. 地質 II.1 概説 II.2 新第三系 II.2.1 小沢凝灰角礫岩層 II.2.2 粗粒玄武岩 II.2.3 バンノ沢頁岩層 II.2.4 無沢層 II.2.5 変質安山岩 II.2.6 両輝石安山岩および集塊岩 II.3 第四系 II.3.1 比羅夫層 II.3.2 幌似火山層 II.3.3 岩内砂層 II.3.4 倶知安盆地堆積層 II.3.5 岩雄登火山 II.3.5,1 基底噴出物 II.3.5.2 ワイスホルン噴出物 II.3.5.3 ニセコアンヌプリ噴出物 II.3.5.4 チセヌプリ噴出物 II.3.5.5 岩雄登噴出物 II.3.6 雷電火山 II.3.6.1 岩內岳噴出物 II.3.6.2 目國内岳噴出物 II.3.7 後方羊蹄火山 II.3.8 火山砕屑物および崖錐 II.3.9 砂丘層および氾濫原堆積物 III. 応用地質 III.1 概説 III.2 各説 III.2.1 鉄・マンガン・硫黄・その他 III.2.1.1 第三紀層中のもの III.2.1.2 岩雄登火山に賦存するもの III.2.2 石材 III.2.3 温泉 文献 Abstract
1 : 50,000 地質図幅説明書
(札幌 第 27 号)
本図幅の野外調査は, 昭和 26 年 6 月下旬から広川によって始められ, 続いて, 昭和 27 年 7 月上旬から 8 月上旬にわたって広川により, 昭和 28 年 8 月中旬から下旬にわたって村山によって実施された。 広川・村山の出張日数はそれぞれ 80 日, 20 日で, 村山は主としてニトヌプリ附近・しゃくなぎ山・ニセコアンヌプリ南東部および 第三紀層の一部の調査に, 広川はその他の地域の調査に従事した。
なお, 目国内岳から岩内岳にわたる頂上附近の地質およびそれに関する記載の一部は, 根本忠寛の調査資料に拠った。
この図幅地域は北海道南西部にある積丹半島の南に位置している。 地域の中央やゝ南よりに, 岩雄登 (1,154 m)を取り囲んでその西方にチセヌプリ(1,134.5 m), 南東方にニセコアンヌプリ, 北方にワイスホルン(1,045.8 m)の主峰がある。 それらを中心に, 標高約 400~500 m 附近までは急傾斜で複雑な地形を呈しており, それ以下の高度では傾斜の緩い山麓が周囲に展開して, 岩雄登火山 [ 以下の [注] 参照 ] が形成されている。 岩雄登を取り囲む上記の3つの主峰を中心とする各山体の境界に谷を刻んで, ニセコアンベツ川が南に, 中ノ川が北に, 硫黄川が東に流れている。
地域の西部には, 雷電火山の東部を構成している 目国内 岳(1,202.6 m)を中心とする山体が, 南に流れるペンケ目国内川および北に流れる野束川を境にして, 前記東部の火山に対している。
岩雄登火山の山麓を取り巻いて, 尻別川および 堀株 川が流れ, ほゞそれを境にして図幅地域南東隅に, なだらかな 後方羊蹄 山麓があり, 地域北東部には, 第三紀層からなる侵蝕の進んだ低い山地がある。 地域東縁にはこれらの山地に囲まれて 倶知安 盆地があり, 地域北西部には岩内の平地が日本海に臨んでいる。
この図幅は 本州からのびたいわゆる「緑色凝灰岩層」の分布地域ならびに 那須火山帯のなかに位置している。 地域内の最下位層は, 第三紀中新世に属する訓縫階で, 流紋岩質の火山砕屑物に富み, 緑色凝灰岩もこれに含まれている。 この上に八雲階に属すると考えられる硬質頁岩層が, 中新世後期に活動したと考えられる粗粒玄武岩を伴なって, 一部整合的(?)に, 一部不整合に 5), 6) のっている。 この硬質頁岩層の上に 第三紀末の黒松内期ないし瀬棚期に噴出したと考えられる やゝ塩基性および中性の安山岩質噴出物がのっている。 瀬棚期末までは地殼変動が数回あったらしい。 さらに第四紀に入ってからも火山活動は烈しく, 火山砕屑物を多く含む地層が堆積されるとともに, この地域の主要部を占める岩雄登火山, その西の雷電火山, 南東の後方羊蹄火山等からなる火山群が形成されていった。 それら火山の相互関係は必らずしも明らかでない。
新期に噴出したと考えられる目国内岳・しゃくなぎ山・チセヌプリ・岩雄登および ニセコアンヌプリは ESE - WNW ないし E - W に近い方向に並んでいるが, この方向は地質構造または火山構造と深い関係をもっているものと考えられる。
この地域内の地質総括を第1表に示す。
図幅地域北東部に分布し, 本地域内では最下位層であり, 長尾・佐々 9) により, 国富凝灰岩とよばれたものである。 主として, 流紋岩質の凝灰角礫岩および凝灰岩からなり, 一部に熔岩または凝灰質の頁岩を挾んでいる。 北西部から南東部に向って, 帯褐色ないし灰色を呈する部分, 緑色を呈する部分および灰白色を呈する部分に区分され, それぞれ岩質に特徴がある。 これらの相互関係は明らかでないが, 分布状態および走向・傾斜からみると, 上述の順に下位から上位に向って分布するようにみえる。
帶褐灰色を呈する部分 : 斜長流紋岩質の凝灰角礫岩・凝灰岩および同質の熔岩からなり, 層理は明らかでない。 一般に変質しており帯褐灰色ないし灰色を呈する。 凝灰角礫岩はセトセ沢西岸等に露出しており, 礫は灰白色で斑晶のない流紋岩質のもので, その基質は帯紫褐色を呈している。 斜長流紋岩は淡紫灰色を呈し, 緻密であり, セトセ沢東岸・辰五郎沢等には流状構造の著しい部分がある。 これらを貫ぬいて, セトセ沢・国富鉱山附近等では斜長流紋岩が, 国富鉱山精錬所附近には安山岩が, それぞれ岩脈をなして露出している。
緑色を呈する部分 : 小沢から中ノ沢および大沢にわたって広く分布し, セトセ沢から辰五郎沢にわたって点々と小さく分かれて分布し, 主として 緑色の斜長流紋岩質凝灰角礫岩および火山礫凝灰岩ないし凝灰岩 からなっている。 この部分の下部にあたると考えられる岩石は小沢駅北西部にみられ, そこでは凝灰質頁岩・凝灰質砂岩およびガラス質の礫を含む集塊岩の互層からなり, ほとんど緑色を帯びていない。
中部では緑色ないし淡緑色を呈し, 凝灰角礫岩および砂質凝灰岩からなる。 一般の層理は明らかでないが, 中ノ沢入口附近等では層理が比較的著しく, 粘土化した角礫が層理面に排列して約 10°SE に傾斜している。 礫は一般に角礫であるが, 比較的円いものもあり, 大きさは一定せず, 0.5 m に達するものもある。 礫は普通, 斜長流紋岩質の軽石およびガラス質のものからなるが, 大沢入口のものは, 石英安山岩および淡紅色の長石を含む粗粒花崗閃緑岩を含んでいる。 基質は石英・斜長石・浮石ないしガラス質物等の砕屑物からなる。 一般に, 浮石ないしガラス質の部分は, 程度の差はあるがモンモリロナイトに変質し, 風化面では, その部分が空𨻶となることが多い。
上部の硬質頁岩に近い部分は, 無沢入口附近, 大沢入口附近, 中ノ沢と大沢との合流点附近等に露出しており, 主として淡い緑色流紋岩質の砂質凝灰岩からなり, 硬質頁岩の薄層を挾んでいる。
灰白色を呈する部分 : 流紋岩質であって, 凝灰質砂岩, ガラス質の比較的円い礫を含む凝灰質礫岩, および流状構造が著しい多孔質の熔岩からなり, 膠結状態はあまり著しくない。 礫岩の礫の大きさは不定であるが, 径 0.5 m ほどに達するものがある。 礫は一般にガラス質であって, 緻密なもの, 多孔質のもの, および繊維状のもの(大沢入口附近)があり, ほとんど粘土化されていない。
小沢凝灰角礫岩層の地質構造は明らかでない。 厚さは帯褐灰色の部分が 150 m 以上, 緑色を呈する部分は約 150 m, 灰白色を呈する部分は約 180 m と推定される。 この地域の本層から Sagarites 以外の化石は発見されなかったが, 岩相および分布状態から中新世中部訓縫階に属すると考えられる 9) 。
小沢凝灰角礫岩層露出地域の北西部に分布するほか, 中ノ沢および無沢上流に転石として見られる。 辰五郎沢附近では, 一部, 流紋岩質凝灰角礫岩と硬質頁岩との間に岩床状に入り, 一部, 緑色凝灰角礫岩を岩脈状に貫ぬいている。 また, 一部は直椄の関係は見られないが, 分布状態から判断して, おそらく小沢凝灰角礫岩層を覆っているものであろう。 国富駅附近および辰五郎沢東岸では柱状節理が発達し, 国富精錬所西方, 辰五郎沢西岸北部, セトセ沢東岸の鉄道沿線切割等では, 玉葱構造または枕状構造 [ 以下の [注] 参照 ] が発達しており, 堀株川の南岸および辰五郎沢南部等には, 集塊岩ないし凝灰質集塊岩が層状を示して発達している, 厚さ約 100 m に達する部分があると考えられる。
岩石は暗緑色を呈し, 一般に緻密であるが, 孔𨻶質な部分もある。 顕微鏡下では, 間粒状組織または塡間組織を示し, 斜長石の斑晶は少ない。 主として斜長石(曹灰長石)・普通輝石・紫蘇輝石および緑泥石からなり, 橄欖石の量は少ない 16) 。 緑泥石は球顆状を呈することがある。 方解石・沸石等が見られることもある。
辰五郎沢の西岸北部には, 粗粒玄武岩からなる集塊岩と硬質頁岩との互層があり, また東岸では岩脈から移過して, 流紋岩質緑色凝灰角礫岩と硬質頁岩との間に岩床状をなしている。 このような産状から, 粗粒玄武岩は海底の噴出物 6) であって, しかも, 硬質頁岩が堆積し始めてから噴出したものであり, この硬質頁岩が八雲階に一応対比されるので, 本岩は八雲階の初期からそれ以後にかけて噴出したものと推定される。
地域北東部に分布し, 茅沼図幅に連続して, そこでやゝ広い面積を占めている。 小沢駅南東 2 km の堀株川沿岸に, 小沢凝灰角礫岩層と整合的(?)に漸移する露頭が見られる。 その他の区域では訓縫階との関係は明らかでないが, 坪谷 5) ・渡辺 6) 等によれば, 国富鉱山附近では不整合関係にあるらしい。 国富附近 [ 以下の [注] 参照 ] では, 硬質頁岩が粗粒玄武岩および流紋岩質凝灰角礫岩と錯綜して点々と分布しており, それら相互関係は明らかでないが, この硬質頁岩を仮にバンノ沢頁岩層に含めた。
主として, 灰色の硬い頁岩からなり, 層理は明らかでないが, 下部の小沢凝灰角礫岩層に近い部分では, 硬質の頁岩と砂質頁岩との互層よりなるか, または砂質頁岩の薄層を含んでいる (82.20 m 水準点附近, 凾館本線と国道の交叉点附近, 国富鉱山東方, 大沢と中ノ沢の合流点附近, 大沢および無沢の入口附近, 小沢北方, 226.2 m 三角点附近, 中ノ沢上流等)。
硬質頁岩は一般に暗灰色ないし灰白色を呈するが, 帯緑灰色の部分もある。 風化面は黄褐色を呈し, それが年輪状の縞目を呈することがある。 一般に硬質緻密で, 時には珪質のこともあり, 介殻状の割口を呈するが, 倶知安峠北西附近のものはやゝ軟らかい。
走向は一定しないが傾斜は 20°以下である。 なお分布区域の南東では, 小沢凝灰角礫岩層との境界線に沿うように走向は変わり, 境界近くでは傾斜が急になる傾向がある。 また小沢凝灰角礫岩層との境界の標高は, 南から北に向って 100 m から 200 m へと高くなり, 茅沼図幅地域内においては, さらに 300 m から 400 m へと高くなる。 厚さは約 150 m に達する部分があると推定される。
化石として Sagarites をところどころに産するほか, 倶知安峠北北西 2.3 km の鉄道沿線から Ammodiscus ? sp., 倶知安峠北西 1.5 km 附近から Acila sp. および Cardium sp.(水野篤行鑑定)を採集した。 これらの化石から時代を決定することは困難である。 しかしながら岩相および分布状態から, 中新世上部に属する八雲階に対比されている。
無沢・大沢および中ノ沢の上流地方, 倶知安町北方および倶登山川岸等に分布している。 無沢上流のものは, 小沢凝灰角礫岩層の灰白色を呈するものの上に載っているが, 整合か不整合か明らかでない。
無沢上流のものは主として安山岩質砂質凝灰岩層からなるが, 硬い黒色頁岩が挾まれることもあり, 安山岩質の砂礫層や砂質頁岩層と酸性の凝灰質砂岩とが, 厚さ 1~1.5 m をもって互層することもある。 礫は比較的円いものが多く軽石質のものが含まれ, 倶登山川の河床には頁岩の破片ないし礫をもった層が露出している。
大沢および中ノ沢上流のものは, 安山岩質の火山砂礫層および集塊岩からなり, 礫の形は不規則であるが, やゝ円みをおびたものや径約 0.5 m に達する礫が含まれることがある。
本層の地質構造や地層の厚さは不明であり, 化石は発見されなかった。 地質時代については, 岩相および分布状態から, 一応黒松内階に対比されるものと考えられるが, 無沢上流のものはあるいは八雲階に属するものかもしれない。
また, 地域南東隅・比羅夫駅西方に露出している無層理灰緑色凝灰質泥岩は, 文献 9) によれば岩質から黒松内統に対比されている。
小沢凝灰角礫岩層の分布地域の北西部に, 粗粒玄武岩・小沢凝灰角礫岩層および無沢層を覆って分布している。 岩石は帯紫褐色を呈し脆い。 斑晶および石基の斜長石はともに比較的新鮮であるが, 有色鉱物は認められず, 鉄質物が散点している。
図幅地域北東隅に分布し, 小沢凝灰角礫岩層・バンノ沢頁岩層および無沢層を覆っている。 岩相はところによって異なるが, 区分できないので一応同一の色に塗色しておいた。 熔岩および集塊岩からなり, 集塊岩はヤエニシベ北方の沢や無沢上流によく露出している。
一般に比較的新鮮であるが, ヤエニシベの沢等ではやゝ変質しており, 有色鉱物は緑泥石化し, 沸石が孔𨻶を満しているものがある。 ヤエニシベ北方には, 緻密で暗灰色のものや, 灰色ないし帯紫褐色を呈し, 有色鉱物に乏しいものがあり, 大沢上流には, 硬くてまれに角閃石を含むものがあり, 無沢東側には, 暗灰色を呈し斜長石・普通輝石および紫蘇輝石の目立つものがある。 露出状態が不良で, それら相互の関係は明らかでない。
石基は一般に塡間組織を示している。
図幅地域南東隅に分布し, 長尾・佐々 9) による黒松内階を覆っている。
主として, 酸性の凝灰岩ないし火山礫凝灰岩からなり, 層理の比較的明らかな部分もある。 凝灰岩質の部分は石英・長石・黒雲母・角閃石, 多孔質または繊維状の白黄色軽石等からなる。 火山礫凝灰岩質の部分の礫は, 繊維状または緻密で硬い流紋岩質のものが主で, まれに安山岩質のものもある。 礫の量は少なく形は角ばったものも, 円みを帯びたものもあり, 大きさは 2~3 cm に過ぎない,
本層は長尾・佐々により昆布層群と呼ばれ, 洪積世下部ないし中部に対比されている。
本地域北縁から, 茅沼図幅地域内にわたって分布している。 褐色を帯びた灰白色の軽石質火山灰ないし火山礫からなり, 膠結状態はゆるく崩れ易い。 主として, 火山灰ないし火山礫大の長石・石英・安山岩などからなっており, 径 1~2 cm の軟らかい軽石がまばらに含まれている。
長尾・佐々により 留寿都 層に対比され, 洪積世中部に属すると考えられている。
岩内東方に分布し, ところどころに厚さ 10 数 m の崖をつくって露出している。
無層理, 褐黄色の砂層で, 褐色ないし暗褐色のやゝ硬い部分が, ところどころに不規則な形をして含まれている。
倶知安町附近に分布し, 尻別川・倶登山川等の沿岸に高さ 10 数 m の崖となって露出している。 よく成層した水平堆積層で, いろいろの色をした砂礫層あるいは粘土ないし泥岩層, および凝灰質砂礫層からなっている。
礫は円みを帯び, 繊維状の白色軽石・安山岩(径 0.4 m に達するものがある)等からなっている。
倶知安町北方 2 km の倶登山川沿岸には高さ 10 数 m の崖となって露出している。 そこでは, 下部は厚さ 5 m ほどの粘土層で, その上部は凝灰質粘土層, 最上部には軽石質の礫を含む砂礫層があり, きわめてよく成層している。 凝灰質泥岩は植物の茎らしいものを含んでいる。
岩雄登火山はその活動初期の爆発的活動により, 現在同火山の基底を構成している 主として火山砕屑物からなる噴出物を多量に噴出して, おそらく成層火山を形成したものであろう。 その後, ほゞ, その火口ないしカルデラの縁に相当すると考えられるような位置に, 多量の熔岩および火山砕屑物を繰返し噴出し, あるいは爆烈火口を生じながら, 初めにワイスホルン噴出物が, 次にニセコアンヌプリ噴出物およびチセヌプリ噴出物が, 最後にその3つの間に岩雄登噴出物が噴出されたものであろう [ 以下の [注] 参照 ] 。
この噴出物は, 岩雄登火山山麓の東半部に分布している。 火山砕屑物や崖錐に覆われて, その露出は良好でないが, ワイスホルン北方から北北東に流れる川の沿岸, 地域南東, 尻別川および倶登山川に西方から流れ込む川の沿岸, 図幅地域南縁中央附近のニセコアンベツ川の沿岸等に露われている。
この噴出物は, 地域北東部では 小沢凝灰角礫岩・粗粒玄武岩およびバンノ沢頁岩層を覆っていると考えられ, 南東部では無沢層を, 狩太図幅地域内では瀬棚階を覆っている。
噴出物は主として凝灰角礫岩であるが, 地域南東部では熔岩らしい部分もある。 層理は一般に不明瞭であるが, 倶知安駅南西 2 km の川岸, 幌似駅南方等ではかなりよく成層している。 倶知安西方附近では, 変質されて粘土化し, 硫化鉄鉱が鉱染しているところもある。 厚さは明らかでないが, 地域の南部では 100 m 以上と推定されるところもある。
礫および膠結物の種類は多様で, 大きさおよび形状は不規則である。
礫の種類 : 主として各種の安山岩であるが, 図幅北部中央の御手作場附近では黒色ないし灰色の頁岩を, 倶知安駅西方 1.7 km 附近では酸性の火山岩および千枚岩を含んでいる。 安山岩の礫は一般に堅硬, 緻密で, 灰色~暗灰色~帯褐灰色等のいろいろの色を呈するが, まれに褐黄色ないし白黄色の軽石質のものを含む場合がある (ワイスホルン北麓, ニセコアンヌプリ北東麓等)。 一般に両輝石安山岩であるが, ワイスホルン北麓では橄欖石や角閃石を含んでいるものがある。 ワイスホルン北麓のものは, ワイスホルン噴出物の下部のものに似たものを含んでいる。
礫の大きさおよび形状 : 大きさは各種であるが, 一般に径 10 cm 以下のものが多い。 ニセコアンヌプリ北東麓では径 0.5 m に達するものがあり, ワイスホルン北麓では径 5 cm 内外のものが多い。 また, 倶知安駅南西 2 km 附近では, 礫の大きさは 5 m ほどの厚さの間に垂直的に数 cm から 1 m 内外まで変化する。
礫の形状は一般に角ばったものからやゝ丸みを帯びたものまであるが, 御手作場附近では角がよくとれて丸みを帯びたものがあり, 倶知安駅南西 2 km 附近には層理面に平行してやゝ長く伸びた軽石質のものがある。
膠結物 : 礫と同質の各種の安山岩の小片, 火山灰ないし粘土質のもの, 斜長石および輝石等からなっている。
ワイスホルンを構成しており, かなり侵蝕された地形を示している。 ワイスホルン頂上北西 1.5 km 附近に とつこつとした集塊岩(W4)が露出しているが, 一般に露出状態ははなはだ不良で, 軽石によって岩石のおおよその分布状態を知りうるのみで, 熔岩であるか火山砕屑岩であるかの区別, 熔岩相互の関係および火山構造は明らかでない。 捕獲岩は見られない。
岩石 : 両輝石安山岩に属し, 暗灰色, 堅硬, 緻密である。 時には板状節理が著しい部分もある。 暗灰色, 緻密な基質に斜長石の斑晶が明瞭に認められ, 他の安山岩と比較的容易に区別される。 ワイスホルン頂上の北部, 東部および南部等では, 斜長石が丸い形をしているもの(W1)が多く, ワイスホルン頂上北西 4.2 km 附近のもの(W2)は, ガラス質のものないし小さく不規則な形の斜長石が, 少量まだらに散点しているものからなっている。 ワイスホルン北西 2.5 km 附近のものはこれらの中間的なものである(W3)。
斑晶 : 斜長石・普通輝石および紫蘇輝石であるが, 一般に有色鉱物の量は少ない。 斜長石は一般に風化のため虫喰状に変質を受け, しばしば3~4個ほど結合している。
石基 : 粒度が小で, 短冊状ないし針状の斜長石, 針状の紫蘇輝石, 粒状ないし長柱状の単斜輝石およびガラス等からなり, ガラスの部分や紫蘇輝石が多量に存在する場合がある。
ワイスホルン頂上北西 1.5 km の転石は, 欖橄石紫蘇輝石普通輝石安山岩で, ワイスホルンを構成する一般の岩石に比べて, 有色鉱物の量が多く, 石基の結晶度は大である。
岩雄登火山の南東部を占めて分布し, 岩雄登火山基底噴出物より一段高くなり, さらに急傾斜をなしてニセコアンヌプリが聳え, やゝ複雑な地形を呈している。
ニセコアンヌプリのほゞ700~800 m 以下の地形は舞台状を呈し, その南西部から南東部にわたって急傾斜をなし, その斜面は小さい多数の谷に刻まれている。 これに対し, 北部から東部方面の地形は平たい台地をなし, その末端が急傾斜している。 露出状態が不良なため, この火山構造は明らかにしえないが, 地形と2~3ヵ所の露出状態から推察すると, 舞台状地形の南西部~南東部を占める部分(N1)は, 熔岩・火山砕屑岩の互層 [ 以下の [注] 参照 ] からなり, 舞台状地形の北部~東部を占めるもの(N2・N3・N4)は, 火山砕屑岩が少なく, 熔岩がその主要部を占めているようである。
この舞台状の地形を構成する舞台状熔岩(N1・N2・N3・N4)の上に, 主として熔岩からなると考えられるニセコアンヌプリ熔岩(N5)が聳えており, 南方に舌状の熔岩流が存在している。 ニセコアンヌプリ熔岩と舞台状地形を呈する部分との境界は明らかでなく, ニセコアンヌプリ熔岩の下部に凝灰岩質のものがあるが, それがニセコアンヌプリ熔岩に属するかどうかわからない。
岩石 : 両輝石安山岩および欖橄石含有両輝石安山岩に属し, 一般に灰色を呈するが, 帯褐色の部分もあり, 堅硬緻密なものから多孔質のものまである。 ニセコアンヌプリ熔岩の西部・頂上部・南東部等では 流状構造の著しいものがあり, 舞台状を呈する部分の西部, ニセコアンヌベツ川の上流の沿岸には, 風化面が縞状をなした流状構造や, 凹凸に富み捕獲岩を含む部分がある。
斑晶 : 主として斜長石・紫蘇輝石および普通輝石からなるが, 小川温泉東北東 1.5 km, 同南東 1.3 km, ニセコアンヌプリ頂上東南東 2.5 km 等では欖橄石を含んでいる。 紫蘇輝石の周辺はしばしば単斜輝石にとり囲まれる。 またニセコアンヌプリ頂上附近のものには, 単斜輝石と紫蘇輝石とが共生している場合がある。 また輝石を包有する斜長石もある。
石基 : 塡間組織を示し, 斜長石・単斜輝石・ガラス・鉄質物・クリストバライト等からなっている。 紫蘇輝石と単斜輝石との割合やガラスと結晶との量的割合はかなり変化する。 ニセコアンベツ川上流のものには, 黒雲母の小片がみいだされることがある。
この噴出物の分布する区域は, チセヌプリ・ニトヌプリ・しゃくなぎ山等を高峰とし, 複雑な地形と複雑な火山構造とをなしている。 岩石の分布状態および性質から, チセヌプリおよびしゃくなぎ山附近から噴出したと考えられるものであって, それらを中心として北方および南方に分布している。 主として両輝石安山岩からなる軽石質噴出物・凝灰角礫岩および 石英角閃石含有橄欖石両輝石安山岩の熔岩およびその砕屑物からなっており, 軽石層・ しゃくなぎ山凝灰角礫岩・ 新見熔岩・ しゃくなぎ山軽石質凝灰角礫岩・ チセヌプリ熔岩およびしゃくなぎ山円頂丘に分けられ, おそらくほゞこの順序で噴出されたものであろう。
軽石層(ps) : 図幅地域の北西部および南西部に扇状形をなして分布している。 川岸には崖を形成し易く, しばしば 20~30 m の厚さをもって露出している。 この噴出物からなる土地は農作物に適し, 特に水田が多い。
北部のものは岩内砂層を, 南部のものは狩太図幅地域内で瀬棚階を覆っている。 岩雄登火山基底噴出物を直接覆う露頭は見られないが, 分布および地形から推察すれば, 岩雄登火山基底噴出物の後に流出, 堆積したものであろう。 また湯山別川河床等には安山岩の熔岩または岩脈が露出しているが, 軽石層との関係は明らかでない。 それらの厚さは 60 m 以上のところがある。
南部のものは北部のものに比し, 広く火山砕屑物で覆われており, 軽石およびスコリアは比較的少ない。
軽石質噴出物を構成するものは両輝石安山岩であって, 礫は暗灰色ないし黒色のスコリア・灰白色の軽石 および緻密ないし多孔質で硬いものからなり, 基質は凝灰質で, それらの量的な割合はところによって変化する。 礫の大きさは不定で, 径約 0.5 m 以下種々であり, その形は不規則であるが比較的角ばっている。 基質は軽石質または緻密な安山岩の細片・輝石・斜長石等からなっている。 黒沢温泉北西 1.5 km 附近には, 粘土化作用により粘土化もしくは白色化している部分がある。
顕微鏡下では, 暗灰色のスコリアの斑晶は斜長石・普通輝石・紫蘇輝石および橄欖石であり, 石基は流状構造の見られない帯褐灰色のガラス, 針状微晶の斜長石, 単斜輝石, 紫蘇輝石および鉄質物等からなっている。 灰白色の軽石の斑晶は 中性ないし塩基性の斜長石・普通輝石および紫蘇輝石からなり, 石基は流状構造を示すガラスが主で, それに少量の針状斜長石・単斜輝石・紫蘇輝石および鉄質物が散点している。
しゃくなぎ山凝灰角礫岩(S1・S2) : しゃくなぎ山の北方および南東方に分布している。 軽石質噴出物との関係はあまり明らかでないが, 南部川沿岸の標高 300 m 附近に, この凝灰角礫岩に属すると考えられるものが, 軽石質噴出物を覆っているところがある。
北部のものは主として凝灰角礫岩からなっているが, 南部のものはその間に凝灰岩や厚さ 20 m 内外の熔岩または岩床を数枚挾み (南部川・中ノ川および湯ノ川沿岸に露出), 層理が比較的よく見られるところもある。 厚さは 100~200 m と考えられる。
礫は一般に両輝石安山岩であるが, 南部川沿岸の標高 340 m 附近には, 堅硬, 緻密で石英・角閃石および橄攪石を含むものがある。 礫の種類および大きさは種々で, 灰白色~暗灰色または帯紫褐色を呈している。 ソコナイ川上流ではガラス質で緻密なものから, 比較的多孔質なものおよび結晶質のものがあり, 時には数 m の巨大な転石があり, 板状節理や流状構造の見られる部分もある。
湯ノ川の沿岸または河床の標高 500~750 m の間の数ヵ所には黄鉄鉱が鉱染し, その附近の岩石は粘土化し, あるいは鉛色または褐色~黄色となり, しばしば崩壊し易くなっている。 その附近では, 表面に褐鉄鉱が沈澱していることがある。
新見熔岩(Na) : 湯ノ川上流, 中ノ川・ソコナイ川上流末端, 新見温泉北方等に分布している。 露出が良好でないので明確なことはわからないが, 巨大な転石や地形から, 熔岩を主とするものと推察される。 しゃくなぎ山凝灰角礫を覆い, 厚さ 80 m 以上の部分もある。
岩石は両輝石安山岩に属し, 灰白色を呈し, 新鮮でない。 斑晶は斜長石・普通輝石および紫蘇輝石を主とし, まれに橄攬石の小結晶を含む。 また, まれに石英を含むことがあり, 角閃石のオパサイト化したようなものを含むことがある。
しゃくなぎ山軽石質凝灰角礫岩(Sp) : しゃくなぎ山の南および北西部に分布し, しゃくなぎ山凝灰角礫岩および新見熔岩を覆っている。 ペンケ目国内川上流, 湯ノ川および南部川上流に露出していて, 厚さは 100 m 位と考えられる。
礫としては多孔質なものが多く含まれ, 軽石およびスコリアも含まれる。 斑晶は斜長石・紫蘇輝石および普通輝石からなり, 石基には微晶質のもの, 球顆状構造を呈するもの, 流状構造を示すガラス等があり, クリストバライトおよび帽章晶子も認められる。
チセヌプリ熔岩(Cs1・Cs2・Cn1・Cn2・C1・C2・C3・C4・C5・C6) : チセヌプリ噴出物のうち, 末期に噴出したもので, チセヌプリを中心として分布している。 地形, 岩石の分布状態および性質から推察すると, しゃくなぎ山熔岩(Cs1 [ 以下の [注1] 参照 ] ・Cs2 [ 以下の [注2] 参照 ] )および ニトヌプリ熔岩(Cn1 [ 以下の [注3] 参照 ] ・Cn2 [ 以下の [注4] 参照 ] )が数回にわたって噴出し, それらによってつくられた外輪山の火口壁 [ 以下の [注5] 参照 ] に相当すると考えられる部分を破って, 日の出泥流(C1 [ 以下の [注6] 参照 ] )・ 長沼泥流(C2 [ 以下の [注7] 参照 ] )・ 湯本熔岩(C3 [ 以下の [注8] 参照 ] )および 旭台熔岩(C4 [ 以下の [注9] 参照 ] )を流し, その時, 大谷地・長沼・湯沼等の凹地を形成したものであろう。 その後, 舞台状熔岩(C5)を噴出し, 最後にチセヌプリ円頂丘(C6)が形成されたものと考えられる。
露出がよくないので, 熔岩であるか泥流であるか明らかでないが, 地形および数カ所で見られる露出から判断すれば, 日ノ出泥流および長沼泥流は泥流質で, その他のものは熔岩を主とし, 少量の火山砕屑物を挾有するものであろう。 しばしば流状構造が見られ [ 以下の [注1] 参照 ] , 捕獲岩を含む場合は眼球状を呈する [ 以下の [注2] 参照 ] 。 捕獲岩は各熔岩にかなり多く含まれ, しばしば風化面にこぶのように突出している。
岩石 : 石英角閃石含有橄欖石両輝石安山岩で, 灰色ないし褐色を呈し, 緻密なものから比較的多孔質なものまである。 しゃくなぎ山熔岩(Cs1・Cs2)は一般に灰色を呈し, 緻密で, 角閃石は褐色でオパサイト化が著しく, 角閃石の周辺に輝石の小結晶が多量に生成され, ほとんど輝石のみが角閃石の仮像をなしている場合もある (薄片の切り方によるかもしれない)。 また石英を含むことが多い。 ニトヌプリ熔岩(Cn1・Cn2)は, これに比べて橄攪石の量が多く, 褐色, 多孔質の部分が多い。 角閃石は赤褐色を呈し, 明らかに酸化角閃石に属し, 一般に鉄質物を多く生じているが, 輝石の生成は著しくない。 また前者に比し, 鉄質物が菌状に侵した橄攪石を多量に含み, 一般に石英は見られない。 ただし, ニトヌプリ北東麓のものは灰色を呈し, 角閃石は褐色を呈し, 石英を含んでいる。 しゃくなぎ山熔岩およびニトヌプリ熔岩以外の泥流または熔岩を構成する岩石は, 前2者の中間的性質を示す。
斑晶 : 主として斜長石・紫蘇輝石・普通輝石および橄欖石であって, 一般に角閃石を含み, しばしば石英を含む。 紫蘇輝石の周囲はしばしば単斜輝石に取り囲まれている。 角閃石は赤褐色ないし褐色を呈し, 常にオパサイト化作用を受け, 単斜輝石・紫蘇輝石および鉄質物を生じている。 石英は常に円形ないし卵円形を呈する。
石基 : 塡間組織または間粒状組織を示し, 斜長石・単斜輝石・紫蘇輝石・ガラス またはクリストバライト・鉄質物等からなっている。 斜長石および輝石は粒度が小で, 針状を呈する長沼泥流中の 石英角閃石含有橄欖石両輝石安山岩の分析結果は下記の通りである。
| SiO2 | 58.29 |
| Al2O3 | 17.72 |
| Fe2O3 | 4.65 |
| FeO | 2.20 |
| MgO | 3.94 |
| CaO | 7.09 |
| Na2O | 2.62 |
| K2O | 1.62 |
| H2O + | 0.66 |
| H2O - | 0.62 |
| FiO2 | 0.67 |
| MnO | 0.15 |
| P2O5 | n.d. |
| total | 100.24 |
| (分析者 串田たま) | |
捕獲岩 : 丸みを帯び, 灰色ないし褐色を呈し多孔質である。 この斑晶は斜長石・橄欖石・普通輝石および紫蘇輝石で, まれに角閃石を含むことがある。 斑晶は橄欖石の量が母岩に比べて多く, 橄欖石を欠くものはまれである。 捕獲岩には石英はみいだしえなかった。 石基は斜長石・単斜輝石・紫蘇輝石・ガラスまたはクリストバライト等からなり, ガラスの部分が多く, 石基の構成鉱物の粒度は周囲の岩石に比べて大であって, ガラスの部分を除けば粗粒玄武岩に似ている。
しゃくなぎ山円頂丘(Sa) : しゃくなぎ山熔岩(Cs1)の上に, 円錐に近い形をして聳えている。
岩石は橄欖石両輝石安山岩に属し, 灰色で比較的緻密である。 肉眼では有色鉱物はあまり目立たない。 斑晶は斜長石・紫蘇輝石・単斜輝石および橄欖石からなっている。 紫蘇輝石の周辺はしばしば単斜輝石によって囲まれる。 有色鉱物の斑晶には大きなものは少ない。 石基は塡間組織を示し, 斜長石・単斜輝石・ガラス・鉄質物等からなっている。
この噴出物は, 舞台状熔岩(I1)・大岩雄登円頂丘(I3)および小岩雄登円頂丘(I2)を構成し, ワイスホルン・ニセコアンヌプリおよびチセヌプリの3火山に囲まれている。 大岩雄登は熔岩および集塊岩よりなる舞台状熔岩の上に聳え, その西側には, 鐘状の小岩雄登円頂丘がかなり明瞭な火口底から突出している。 大岩雄登円頂丘は, 小岩雄登を囲む火口壁の東側外斜面上に噴出したような地形を呈しており, 頂上には3個の爆裂火口があり, 周囲は断崖をなし, 中腹以下は崖錐に覆われている。 露出する岩石は硫気作用を受けた部分が多い。
舞台状熔岩の熔岩流および集塊岩は, ワイスホルン・ニセコアンヌプリおよびチセヌプリの3火山によって遮られ, 開析の程度および岩石の露出状態からも, 本火山は前の3火山の生成後に噴出したものと推定される。
岩石 : 両輝石安山岩が主であって, 舞台状熔岩・大岩雄登熔岩および小岩雄登熔岩相互の区別はつき難い。 風化面には凹凸の部分があり, また不均質の部分がある。 舞台状熔岩南東部には柱状節理の見られる部分がある。 漂白化され, あるいは褐色に変質している部分もあるが, 一般に灰色で堅硬,緻密である。
斑晶 : 多量の斜長石とそれに比べて少量の紫蘇輝石および単斜輝石からなり, まれに丸い石英を含む。 紫蘇輝石は単斜輝石に取り囲まれることがある。 舞台状熔岩の南東部には, 橄欖石をかなり含むものがある。
石基 : 斜長石・ガラス・単斜輝石・少量の紫蘇輝石・鉄質物・クリストバライト等から なっている。 紫蘇輝石および単斜輝石の小結晶粒が集合していることもある。
図幅地域の西部, 野束川およびペンケ目国内川を境とし, その西側に分布している。 島古丹図幅の雷電山を中心として分布している噴出物の一部を構成し, 岩内岳噴出物と目国内岳噴出物とに分けられる。 初期に多量の火山砕屑物を噴出し, 次に熔岩もかなり噴出して岩内岳を生じ, 末期に多量の熔岩を流出し, 最後に円頂丘を形成して目国内岳ができたものであろう。
島古丹図幅の筍山を構成する噴出物の一部を占めて, 岩内岳北麓に分布する岩内岳筍山熔岩と, 主として岩内岳の北斜面を構成する岩内岳熔岩とに分けられる。
岩内岳筍山熔岩(Ato) : 露出状態不良なため, 熔岩からなるか, 火山砕屑物からなるか明らかでない。
岩石 : 塩基性の安山岩で, 一般に新鮮でなく, 暗灰色ないし灰色を呈する部分およびそれらの色に褐紫色を帯びる部分がある。 比較的多孔質のものから緻密なものまである。 また不均質な部分があり, ところによっては捕獲岩を含み, 風化面に凹凸を生じているものがあり, あるところでは紫褐色の部分と灰色ないし暗灰色の部分とが, 樹根状, 長虫状あるいは縞状に長く伸びて流状構造を示している。 また砂岩のような感じを与える部分もある。
斑晶 : 斜長石・橄欖石・紫蘇輝石および普通輝石からなる。 橄欖石の周辺部は褐色となり, 紫蘇輝石は単斜輝石に縁どられることがある。
石基 : 塡間組織を示し, 斜長石・紫蘇輝石・単斜輝石・ガラス・鉄質物等からなる。
岩内岳熔岩(At) : 比較的急な傾斜面を形成し, 細い多数の小谷に刻まれ, 特有な地形を呈している。 露出状態は不良で, 噴出物の種類や火山構造は明らかになし得ない。 頂上近くには岩脈状をなし, 堅硬,緻密な橄欖石玄武岩が突出している。
岩石 : 両輝石安山岩および橄欖石含有両輝石安山岩に属し, 一般に灰色ないし暗灰色であるが, 帯紫灰褐色ないし褐色を呈する部分が不規則に混じる場合もある。 緻密なものからやや多孔質のものまであり, 帯緑灰白色の捕獲岩を含み, 風化面に凹凸を生じている場合や, 不規則な流状構造が刻まれている場合が少なくない。
斑晶 : 主として斜長石・紫蘇輝石および普通輝石からなり, 岩内岳頂上附近のものは橄欖石を含む。 紫蘇輝石は単斜輝石に縁どられることがあり, 普通輝石は双晶をなすことがある。 橄欖石は菌状の鉄質物を伴なうことがある。
石基 : 塡間組織を示し, 主として斜長石・紫蘇輝石・普通輝石・ガラス・鉄質物からなり, 副次的に淡褐色の黒雲母を含むことがある。
目国内岳凝灰角礫岩・目国内岳基底熔岩および目国内岳熔岩からなっている。
目国内岳疑灰角礫岩 : 目国内岳南麓を構成する凝灰角礫岩(Mb1)と 目国内岳南東, ペンケ目国内川西側に分布する凝灰角礫岩(Mb2)とに分けられる。 目国内岳北東にも凝灰角礫岩(Mb2)らしい部分があるが, 崩壊物であるかも知れない。
凝灰角礫岩(Mb1) : この凝灰角礫岩を刻む河川は NNE - SSW 方向に向って流れている。 露出不良で露頭らしいものがまれにしか見られないが, 泥流質のようである。 ペンケ目国内沿岸の露頭では, 礫は両輝石安山岩が主で堅硬, 緻密なものが多く, 灰白色~紫褐色で角ばり, 礫の大きさは 1 m 以下種々である。 風化面は灰白色で崩壊し易い。
凝灰角礫岩(Mb2) : この凝灰角礫岩を刻む川は NNW - SSE に流れている。 地形から(Mb1)を覆っていると考えられる。 露出状態は川岸では良好である。 数カ所に熔岩または岩床が見られるが, 泥流質と考えられる部分が多く, 礫の大きさは各種で, 凝灰岩ないし凝灰角礫岩質である。 礫は安山岩で, 灰白色ないし灰色のものが多いが, 変朽安山岩質のものが含まれることがあり, 新見温泉北西部では温泉作用またはプロピライト化作用を受け, 黄色~褐色になった部分がある。 新見温泉の南々西の礫は目が粗い。
目国内岳基底熔岩(M1) : 目国内岳基底熔岩はペンケ目国内川上流, 目国内岳南方, ペンケ目国内川支流の沿岸および河床に良好な露出を示している。 主として礫岩からなり, おそらく何回もの噴出によって生じたものであろう。
岩石 : 角閃石橄欖石含有両輝石安山岩に属し, 一般に灰色であるが時には暗灰色を呈し, 緻密である。 灰白色ないし帯緑灰白色の比較的小さい丸い捕獲岩をもつことが少なくない。 斜長石は明瞭に見られ, 有色鉱物が集合していることもある。
斑晶 : 目国内岳南部のものは主として斜長石・紫蘇輝石および普通輝石からなり, 一般に角閃石および橄欖石を含み, まれに石英を含むこともある。 橄欖石は他形を呈し, 比較的小さく, 一部褐色の鉱物に変わっている。 角閃石は常にオパサイト化作用を受けており, 新見温泉北方では比較的赤褐色を呈するが, 一般に帯緑淡褐色を呈するか, 小粒の輝石と鉄質物とからなる仮像となっている。 紫蘇輝石は単斜輝石に縁どられることがある。
岩内岳近くのものは, 斜長石・紫蘇輝石および普通輝石からなり, 紫蘇輝石は単斜輝石に縁どられることがある。
石基 : 塡間組織を示し, 粒度は小さい。 主として, 斜長石・紫蘇輝石・単斜輝石・ガラスおよび鉄質物からなり, 目国内岳南部のものにはまれに帯黄淡褐色の黒雲母がみいだされることがある。
捕獲岩質部分 : 主として斜長石・紫蘇輝石・普通輝石およびガラスからなり, まれに角閃石や黒雲母を含むことがある。 角閃石は一般にオパサイト化作用を受けず, 帯褐淡褐色の他形を呈している。 一部閃緑岩質のものがある。 一部に輝石が群集していることもある。
目国内岳熔岩(Md) : 岩内岳の頂上部に円頂丘状をなして分布しているもので, 根本忠寛によればやゝ酸性の角閃石含有両輝石安山岩である。
図幅地域南東隅に比羅夫層を覆って分布している。 下部に多数の小丘が存在しており, 安山岩の巨礫および火山灰砂礫からなっているが, これはおそらく泥流質のものであろう。 これを覆って熔岩流と考えられるものが分布している。
岩石は多孔質で灰色~暗灰色を呈する。 橄欖石普通輝石安山岩で, 有色鉱物の斑晶はきわめて少ない。 石基は塡間組織を示し, 主として斜長石・単斜輝石およびガラスからなっている。
主として火山灰層および崖錐からなり, 火山の周辺部に分布している。
火山灰層は岩雄登火山の基底噴出物・軽石層等を覆っており, ワイスホルン北麓, ニセコアンヌプリ北東~南東麓, チセヌプリ南麓等に比較的よく露出している。 日ノ出泥流上にも薄く分布しており, 地域北西部の軽石層の上にも分布するものと思われるが, それらの分布区域を区分し難かったので地質図上では表現していない。 厚さはところによってかなり変化し, 厚さ 3 m 以上のところもある。
主として安山岩質の火山灰からなり, 灰褐色~暗褐色を呈し, 表土と区別し難い部分もある。 チセヌプリ南方の南部川と, ニセコアンベツ川に挾まれた地域およびニセコアンヌプリ北東麓では, 軟らかい黄色の丸い軽石質の火山灰を含んでいる。 この黄色の部分は, 厚いところで 1 m 位で, 褐色の部分と不規則に入り混ることもあり, 層状をなして褐色の部分に挾まれることもある(第1図参照)。
火山灰堆積の時期は, 日ノ出泥流以後というほかは明らかでない。
崖錐はワイスホルン山麓その他ところどころに見られるが, 露出状態が不良のため, 火山砕屑物との区別が困難なことが多い。
地域北西部の堀株川沿岸から海岸にかけて発達している。
この図幅は火山地域であり, 特に第四紀の火山が主要部を占めている。 したがって, 鉱床としては 沈澱性の鉄・硫黄およびマンガン鉱床が 小規模ながら点々として賦存している。 温泉はほゞ7ヵ所にわかれて湧出しており, そのうち6カ所は浴客に利用されている。 石材はかつて数カ所で採掘されたことがあるが, 現在は1カ所で僅かに稼行されているにすぎない。
図幅地域北東部の第三紀層中に胚胎されるものと, 岩雄登火山に賦存しているものとに分けられる。 鉱床生成の推定時期を第2表に示す。
国富鉱山 5), 6) : この鉱山は岩内郡小沢村国富にあり, 明治 23 年頃から同 40 年頃までの間に発見されたものであるが, 現在は掘り尽されて廃棄され, 鉱床の賦存状態および過去の産額はあまり明らかでない。
黒鉱鉱床に属するもので, 柏谷・セトセ・釜場・西小沢の4鉱床がある。 鉱床は流紋岩質凝灰角礫岩の下部においては, 網状ないし不規則な脈状をなし, 凝灰角礫岩は珪化されているが, 上部にいくにしたがって交代作用が強くなり, 層状または塊状の鉱体として大部分は硬質頁岩を, 一部粗粒玄武岩を上盤として発達している。 本鉱床は この附近に凝灰角礫岩・硬質頁岩・粗粒玄武岩を貫ぬいて 最後に貫入した流紋岩岩脈の鉱化作用によるものと考えられている。
鉱石は主として閃亜鉛鉱および重晶石の緻密な集合からなり, 標式的の黒鉱を作っているが, これに多少の黄銅鉱・黄鉄鉱あるいは珪鉱を伴なうことがある。 また輝銅鉱および斑銅鉱が豊富なもの, 黄鉄鉱および黄銅鉱を主とするもの等がある。 その他玉髄・石膏・少量の方鉛鉱および白鉄鉱を伴なうことがある。
マンガン鉱床 : こざわ駅北方 1.3 km の山腹北側斜面, および辰五郎川西岸のくにとみ駅北方 1.5 km 附近に小規模に賦存しているが, 調査当時は休山中であった。 こざわ駅北方のものは過去に 100 トンほど売鉱したことがあるらしい。
鉱床 [ 以下の [注] 参照 ] はいずれも, 粗粒玄武岩と硬質頁岩との境界附近に, 後者を上盤として胚胎されている。 附近に粗粒玄武岩の珪化されたようなものもある。
鉱体は層状または塊状を呈しているようである。 鉱石は黒色酸化マンガン鉱を主としており, Mn : 45 % ほどである。
鉱床はワイスホルンより南, すなわち, ニセコアンヌプリ・チセヌプリおよび岩雄登の 周辺部の緩やかな地形から急傾斜な地形に移り変わる附近の, 主として標高 500 m 辺に賦存しており, 地質的には, 火山砕屑物とその上を覆う熔岩を主とする噴出物の境界附近に賦存している。
鉱種は褐鉄・マンガン・硫黄・粘土と微量の鉄明礬石で, 粘土と一部の硫黄を除くほかは沈澱性のものである(第3図参照)。 規模はいずれも小で, 調査当時褐鉄を2カ所で採掘していたに過ぎない。
鉱山名・位置・交通・地質・鉱床・鉱石・品位・現況等を第3表に示す。
後方羊蹄火山の泥流中の安山岩の巨礫および安山岩の熔岩から, 附近の需要に応じて小規模に, 閑暇を見て1~2名により採石されているに過ぎない。 調査当時, 泥流中の巨礫から角材を採っていたが, 間知石・割栗・バラス等に用いるらしい。
図幅地域内の温泉は, ほとんど凝灰岩ないし凝灰角礫岩から湧出しているが, 地質学的に2つの群に大別できる。 その1つは, しゃくなぎ山・チセヌプリ・岩雄登 およびニセコアンヌプリの新しい円頂丘の並ぶほゞ東西方向に沿い, かつそれらの南側に, 岩雄登火山基底噴出物を覆う火山砕屑物から湧出するもので, 新見(しゃくなぎ山南西)・ 湯本(チセヌプリ南)・ ニセコ(岩雄登南)および 山田(ニセコアンヌプリ南東)の温泉であり, 小川温泉(岩雄登北東))はこれに属するかどうか明らかでない。 他の一群は地域南縁中央附近に, 岩雄登火山基底噴出物より湧出するもので, ニセコアンベツ川沿岸の昆布温泉(鯉川・紅葉谷・青山), 湯ノ川支流沿岸の黒沢温泉および 成田温泉(狩太図幅内)である(第4図参照)。
これらの湧出箇所・泉質・温度・湧出量・沈澱物等については第4表に示す。 この表によると, 以下のようになっている。
EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN Scale 1 : 50,000
Sapporo, No. 27
By OSAMU HIROKAWA & MASARŌ MURAYAMA (Geological Survey of Japan)
The mapped area is in the southwestern part of Hokkaidō and is located in the Nasu volcanic zone and the so-called "Green-tuff" area which extend from the mainland of Japan.
The Pliocene and Quaternary formations are very conspicuous in change of rock facies, insufficient in fossil content, and distributed, isolated, having no connection to each other. So it is difficult to establish the stratigraphic sequence which is applicable to the whole area. The geological successions and history are summarized in Table 1.
Lower to middle Miocene : The Kozawa tuff-breccia is composed mainly of rhyolitic tuff-breccia and lava, some of which may be the products of submarine eruptions, rarely with thin intercalations of shale or sandstone. The formation is divided into the following three members from lithological and stratigraphical point of view ; 1) lower part : brownish gray tuff-breccia and lava (b1), 2) middle part : green tuff or tuff-breccia (b2) and 3) upper part : grayish white tuff-breccia and lava (b3).
Upper Miocene : On the erosion surface of the Kozawa tuff-breccia, the Bannosawa shale (sh) was deposited, being accompanied by effusions or intrusions of dolerite (Dl). The Bannosawa shale consists mainly of hard, gray colored shale, intercalating thin layers of sandy shale in the lower part, and yields the fauna, such as Acila sp., Cardium sp., Ammodiscus ? sp., and Sagarites.
Pliocene : The Nashizawa formation (N) is composed of andesitic tuff, tufaceous sandstone and shale in which no fossils are found. Agglomerate, tuff-breccia and lavas of andesite (Ag, Aa) were accumulated upon the above-mentioned formations, but the age of their eruptions and effusions is not clear. Rhyolite (R) which has a close relation with some of the ore depositions in this area was intruded into the Neogene formations probably during this stage.
The Hirafu formation (fb) is assigned to earlier or middle Pleistocene in age from lithological and stratigraphical point of views. It is composed mainly of acidic tuff or tuffaceous sandstone.
The Horoni volcanic ash (p) is correlated to middle Pleistocene. It is composed chiefly of pumiceous ash colored with brownish white gray.
The Iwanai sand deposits (s) are composed mainly of brownish yellow sand and show no beddings.
The Kucchan-basin deposits (sg) are composed mainly of sand, gravel, clay or mudstone and tuffaceous sand, which are horizontally well stratified.
Iwaonupuri volcano : The volcanic activity took place probably during the period from old to younger Pleistocene. The first stage began with alternate eruptions of abundant volcanic ejecta and effusions of lava, which resulted in the formation of a strato-volcano (the Basal volcanics (b) : chiefly compact hypersthene-augite andesites).
At the next period, the Waisuhorun (W1・W2・W3・W4), the Nisekoannupuri (N1・N2・N3・N4・N5) and the Chisenupuri volcanics (ps・S1・S2・Na・Sp・Cs1・Cs2・Cn1・Cn2・C1・C2・C3・C4・C5・C6・Sa) were built up probably over a crater or caldera rim of the basal volcanics. Finally, the Iwaonupuri volcanics were piled up at the part surrounded by the above-mentioned three volcanics.
The geologic structures and the petrographic characters of the Waisuhorun volcanics (chiefly hypersthene-augite andesite) are not clear because of weathering and denudation. They were probably built up prior to the Nisekoannupuri and the Chisenupuri.
The Nisekoannupuri volcanics are composed of the Table-like lava (olivine-bearing augite-hypersthene andesite and augite-hypersthene andesite) and the Nisekoannupuri lava N5 (chiefly lavas of augite-hypersthene andesite). The former comprise lavas (N1・N2・N3・N4) in the northeastern part and alternations of pyroclastics and lavas (N1) in the south to southeastern part.
At the beginning of the formation of the Chisenupuri volcanics, a huge mass of pumice (augite-hypersthene andesite) and scoria (olivine-bearing hypersthene-augite andesite) were outpoured probably from a crater to the southwest of Waisuhorun and spread northward and southward over the skirt of the basal volcanics, the Iwanai sand and the other older rocks, forming gentle sloped fan. This was succeeded by the formation of pyroclastic rocks (S1・S2 : augite-hypersthene andesite) which are intercalated with lavas at the southern part (S2). They were ejected probably from the same crater as that from which the pumice flow (ps) had been outpoured, and flowed down probably as mud flows for a short distance northward and southward. Then, lava (Na) and volcanic ejecta (Sp) which considerably contain pumice and scoria were outpoured.
At the later stage of the Chisenupuri volcanic activity the Chisenupuri lava (Cs1・Cs2・Cn1・Cn2・C1・C2・C3・C4・C5・C6) was outpoured. Probably at the beginning, the Shakunagi-yama lava (Cs1・CS2) and the Nitonupuri lava (Cn1・Cn2) were outpoured, being accompanied by a little explosive activity. Thereafter, an explosion broke down the north and the south part of the crater constructed with the Nitonupuri, the Shakunagi-yama and other lava. Immediately following this, the Hinode (C1) and the Naganuma (C2) mud flows, and then the Asahidai (C4) and the Yumoto (C3) lava flows were outpoured from the crater and finally the Chisenupuri lava dome (C6) rose up on the Table-like lava (C5).
The Chisenupuri lavas are generally quartz-hornblende-bearing olivine-augite-hypersthene andesite, though quartz is absent in some lavas (the Nitonupuri lava Cn1 and upper part of the Nitonupuri lava Cn2). Gray or brownish gray inclusions are common in the Chisenupuri lava. They are generally olivine-hypersthene-augite andesite or basaltic andesite ; in which quartz is always absent, but a little hornblende rarely present, and olivine superior in amount to that of the country rock.
The rock of the Shakunagi-yama dome (Sa) on the Shakunagi-yama lava is olivine-augite-hypersthene andesite.
The Iwaonupuri volcanics (chiefly augite-hypersthene andesite) are composed of the Table-like lava (I1), the Koiwaonupuri (I2) and the Oiwaonupuri lava domes. At the first stage, volcanic ejectas and lavas were outpoured and formed the Table-like lava (I1), and then, the Koiwaonupuri lava dome rose up within the crater of the Table-like lava, and finally, the Oiwaonupuri lava dome was formed on the crater rim or flank of the Table-like lava.
Raiden volcano : At the first stage of this volcanic activity, vast volume of pyroclastics (Mb1 : hypersthene-augiteandesite) was ejected, and then the Iwanai-dake Takenoko-yama lava (Rto : hypersthene-augite-olivine andesite or basalt) and the Iwanai-dake lava (Rt) flowed out, accompanying pyroclastic rocks (hypersthene augite andesite and olivine-bearing hypersthene-augite andesite). Thereafter, the Mekunnai-dake base lava (Ml : hornblende-olivine-bearing augite-hypersthene andesite) and the Mekunnai-dake lava (Md : hornblende-bearing augite-hypersthene andesite) were outpoured after eruption of pyroclastics (Mb2 : hypersthene-augite andesite). The relation of this volcano to the Iwaonupuri volcano is not clear.
Shiribeshi volcano : The volcanics of the Shiribeshi volcano are distributed over the Hirafu formation at the southeastern corner of the mapped area, and are composed of mud lava (Sh1) and lava (Sh2), which are olivine-augite andesite.
Pyroclastics and Talus : They are especially distributed over the skirts of the Iwaonupuri and the Raiden volcanoes. The pyroclastics are composed chiefly of brownish gray or dark brownish volcanic ash, intercalating seams of yellowish globular pumiceous volcanic ash in places. It is difficult to determine the stage of their eruptions.
The Flood plane deposits (sand, gravel and mud) are developed along the River Horikappu. The Sand-dune deposits are distributed along the coast.
In this area deposits are found in the Neogene formations and on the pyroclastics of the Iwaonupuri volcano.
The ore deposits in the former were probably formed at the later stage of Miocene, relating to the intrusion of rhyolite.
Copper ore deposits (the "Kuromono" type) were formed between hardshale (Bannosawa shale) and rhyolite tuff-breccia (the Kozawa tuff-breccia), and manganese ore deposits (black manganese oxide) of a small scale, between the hard shale and dolerite.
Most of ore deposits in the latter were formed from mineral springs on the pyroclastics (N1・S1・S2・I1) of the Nisekoannupuri, the Chisenupuri and the Iwaonupuri volcanics, though some of them were deposited in and on the basal volcanics (b).
The ore bodies are lenticular or stratified in form, and are small in scale. The ores are limonite, black manganese, sulphur and jarosite. Only two ore deposits of them (the Iwao mine and the mine at the southwest of Nisekoannupuri) were under working at the time of this field survey. A small massive replacement deposit of clay (kaolin and hydrated haloysite) is found in the pumice flow (ps). Besides these, empty balls of sulphur, less than 1 cm in diameter, are floating on a pond of hot waters, 70°C in temperature, at the Yumoto hot spring. They are worked as sulphur ores on a small scale.
Olivine-augite andesite which belongs to the mud flow and lava of the Shiribeshi volcano is quarried on a small scale for local uses (for building, public works, etc.)
The Niimi, Yumoto, Niseko and Yamada hot springs are located along the line of about E - W direction on which the youngest effusives (Mekunnai, Shakunagi-yama, Chisenupuri, Iwaonupuri and Nisekoannupuri domes) are arranged. Other springs such as Kombu and Kurosawa pour out in the area of the basal volcanics of the Iwaonupuri volcano and crowd together at the central part of the southern border of the mapped area.
At the Niseko hot spring, deep yellow and green-colored sediments are precipitating by means of mixing of mineral waters different in character (for example two springs, respectively 2.2 and 6.6 in pH).
昭和 30 年 3 月 5 日印刷 昭和 30 年 3 月 10 日発行 著作権所有 工業技術院 地質調査所