04013_1956

5万分の1地質図幅説明書

當別

(札幌 第 13 号)

通商産業技官 垣見俊弘
通商産業技官 植村武

地質調査所

昭和 31 年


目次

I. 地形
II. 地質
II.1 概説
II.2 新第三系
II.2.1 厚田層および須部都層
II.2.2 盤ノ沢層
II.2.3 望来層
II.2.4 當別層
II.2.5 材木沢層
II.2.6 対比
II.3 火成岩
II.4 第四系
II.4.1 段丘堆積層
II.4.2 冲積層
II.5 地質構造
III. 応用地質
III.1 石油および鉱泉
III.2 泥炭地および泥炭
III.3 地下水
III.4 天然ガス
文献

Abstract

1 : 50,000 地質図幅説明書 (昭和 31 年稿)

當別

(札幌 第 13 号)


本図幅の野外調査は昭和 30 年 5 月から 11 月までの間, 延 60 日にわたって行われた。

第四系に関しては, 北海道大学石井次郎学士から資料の提供を受けて, 地質図の作製と記述とを完成することができた。

I. 地形

本図幅地域は札幌市の北東方 20 数 km 附近に位覆し, 北西部を除く大部分は石狩平野の一部を占めている。

北西部はいわゆる樺戸山地の南端に当り, 本地域の最高峯をなす海抜 418.0 m の阿曽岩山, その他2, 3の山峯および山稜を除けば, 比較的平坦化作用の進んだ 200 m 以下の丘陵地を形成している。 この丘陵地をほゞ東西に2分する當別川は向斜谷をなしており, 北方の西徳富図幅地域から北隣月形図幅地域にかけて, 樺戸山地南半部を南北に縦断して流れ, 本地域に至って山地から石狩平野に移り, やがて西隣石狩図幅地域で石狩川に合している。 その直線延長はおよそ 50 km に及び, 石狩川下流における最大の支流であると同時に, 山地においてはほとんど終始一貫した向斜谷を形成している特異な縦谷である。

當別川西部で特徴的な地形は, 地域北西隅を NE-SW 方向に走る山稜である。 これはいわゆる硬質頁岩からなるもので, この岩石特有のほゞ同一高度(250 m 前後)の切峯面を形成する 鋸歯状山頂の連なりである。

段丘の発達はかなり良好であるが, それらのうち主要なものは, 丘陵地南端の伊達山附近のものと, 地域北部の月ヶ岡附近に分布するものとである。 いずれもみごとな段丘面を形成しており, 前者は西隣石狩図幅地域内に広く発達する地形面に, 後者は北隣月形図幅地域の月形町から北東方へ, 樺戸山地南東部ないし東部周縁に広く発達する段丘面に, それぞれ連続するが, 両者は本図幅地域の石狩金沢・本中小屋両駅間において, 完全に連絡を断っている。 両者とも西隣石狩図幅地域に発達する海成洪積層獅子内層 1), 2) との関係からみて.  上部洪積統下部(ほゞ多摩面 3) 附近)の地形面に対比することができると思われる。

地域の大部分を占める低地は石狩平野の一部で, 未開の原野をなすところも少なくない。 原野の多くは湿地や泥炭地である。

北海道第一の大河石狩川が, すでに河口に近い姿を示しながら, この低地のなかを蛇行して流れている。 そして現在の流路の両側には三日月湖を残している。 この地域での主要な支流は, 樺戸山地側からの前記當別川および須部都川, 石狩炭田側からの旧美唄川, 本地域南方で石狩川に合流する幾春別川である。

當別市街地附近は, 明治初年以来の古い開拓の歴史をもつところである。

II. 地質

II.1 概説

本地域に発達する地質系統は, すべて新第三系および第四系に属する。 火成岩としては玄武岩が小範囲に分布しているに過ぎない。 玄武岩および第四系を除く地質の総括を第 1 表に示す。

第 1 表 地質総括表

新第三系は下位から, 厚田層~ 須部都 すべつ 層・ ばん ノ沢層・ 望来 もうらい 層・ 當別 とうべつ 層・材木沢層の6層に区分される。 これらはいずれも岩質による区分であり, このうち厚田層と須部都層は同時異相と考えられる。 これらの地層は整合一連に重なる海成層で, それらの間に大きな時間的間隙は認めがたい。

これらのうち, 當別川西方に発達する諸層と當別川東方のものとでは, 大部分, 岩質的にかなり異なっている。

當別川西方では最上位の材木沢層を除く部分は, すべて南厚田層群 4) の厚田層以上の諸層と, 直接連続することが確かめられている。 その岩質は, 厚田層は無層理泥岩, 盤ノ沢層は海緑石質砂岩, 望来層は板状硬質頁岩, 當別層は無層理砂岩, 材木沢層は砂岩・礫岩を主体とし, 材木沢層以外はきわめて安定した連続性のある堆積相を示す。

これに反し, 當別川東方の諸層にみられる堆積相は著しく不安定である。 須部都層は厚田層に対比されるが, 泥岩のほかに凝灰岩や珪質頁岩が介在し, 盤ノ沢層も粗粒となって著しく薄化し, また望来層は板状硬質頁岩のほかに, 連続性に乏しい珪質頁岩・泥岩・砂岩などを混ずるにいたる。 しかし, 當別層と材木沢層とは當別川西方のものに較べ, あまり差異が認められない。

このような東方と西方との堆積相の差異は, 大局的には「東方への不安定化」として, 現象的に認めることができるのであるが, その本質を解明するためには, 樺戸山地全体のなかにおける, この図幅地域の地質学的位置を知ることが必要である。 すなわち, この地域はすでに地形の項でも触れたが, いわゆる樺戸山地の南端部に位置している。 山地南部周縁に発達する新第三系の堆積相を, 西方から東方へ厚田 4) ・月形 5) ・ 砂川 [ 以下の [注] 参照 ] の各図幅地域にわたってみてゆくと, 例えば, 厚田地方にみられるような厚層をなして安定した堆積相を示す地域と, 砂川図幅地域にみられるような, 地層が薄く著しく不安定な堆積相を示す地域との接続地区が, ちょうどこの図幅地域から 月形図幅地域の須部都川下流にわたる地域であることがわかる。 要するに, 本地域は樺戸山地南部周縁の西と東とを結ぶ遷移地帯に当っているということができる。

[注]
北海道支所員 垣見俊弘の資料蒐集調査結果による。

本地域の最も基本的な地質構造は, 當別川に沿う大きな當別向斜と, その西方にあってこれに平行する発足背斜とであるが, この向斜は當別川に沿って北方へ深く入りこんでおり, 月形図幅地域でみられるように, その東西両側には, 樺戸山地の基盤を構成しているいわゆる古生層の隈根尻層群が, 2つの山塊を形成して現われている。 おそらく, 當別川に沿う向斜構造は, このような樺戸山地南半部の基盤の構造に支配された, 新第三紀堆積盆地の直接的反映であり, 前記の堆積相の遷移部を占めているものと考えられる。

阿曽岩山およびその附近に分布する玄武岩は, おそらく第三紀末期の噴出になるものであろう。 岩質的には滝川地方の同時代の玄武岩と同様である。

II.2 新第三系

II.2.1 厚田層および須部都層

厚田層

厚田層は小林儀一郎の「下部に砂岩を挾有する黒色頁岩層 6) 」, 大村一蔵の 雑魚沢 ざっこざわ 層, 対馬坤六の厚田層 8) , 対馬坤六・垣見俊弘・植村武の厚田層 4) などに当り, 模式地は北西隣厚田図幅地域内の厚田川本流流域である。 本地域では北西部の背斜軸部に小分布を示すのみであるが, 模式地から直接にその連続が確かめられており, 須部都層とともに本地域の第三系の最下位を占める。

岩質は灰色~暗灰色の無層理泥岩を主体とし, 時に泥灰質の団球を含む。

化石は散点的で, 本地域からは次のような種がみいだされた。

Acila sp.
Portlandia sp.
Macoma sp.
Sagarites sp.

その他, 特徴的なものとしては, 厚田図幅地域で産出した Adulomya sp. nov. ? 4) がある。

須部都層

本層は三本杉己代治 9) ・長尾巧 10) ・橋本亙 11) の須部都層に相当するものと思われるが, 模式地である月形図幅地域内の須部都川中流とは離れて分布しているため, 直接の連続は確かめられない。 しかし, その層位的位置と岩質とからみて, 近隣の須部都層と本来一連のものであることはほゞ確実であるので, 新地層名をつけることなく, そのまゝ須部都層の名を用いることにする。 たゞし, 断層によって下部は欠如しているため, 模式地の須部都層の上半部だけしか本地域には分布していない。

本層は當別川東方中小屋附近を通る S-N 性の断層の西側に狭長な分布を示す。

岩質は, 本地域にみられる範囲での下部は, 厚田層によく似た無層理の暗灰色泥岩で, 泥灰質団球を含み, 上部は珪質板状頁岩からなり, その中間に中粒~細粒, 硬質, 緻密な白色凝灰岩のレンズ(地質図に区別して示した)を挾んでいる。 これら火山活動の影響と思われる珪質頁岩や凝灰岩は, 模式地の須部都層に特有のものである。

化石は泥灰質団球中に密集して, 次の1種の稚貝のみが産した。

Adulomya sp. nov. ?

この種は厚田図幅地域で厚田層から産したもの 12) と同一種であり, 産状も全く同様である。

層厚は断層に接するところまでで約 420 m に達する。

要するに須部都層の岩質は, 厚田層の岩質に火山性物質が附加されたものとみることができる。 このことと層位的位置と, たゞ1種ではあるが前記の化石とから両層は同層準のもので, その堆積盆地内で多分つながっていたものと考えられる。

II.2.2 盤ノ沢層

本層は大村一蔵 7) ・高橋英太郎 13) の盤ノ沢砂岩または盤ノ沢緑色砂岩, 対馬坤六の古潭層, 対馬・垣見・植村 4) の盤ノ沢に当るもので, 模式地は北隣月形図幅地域内の望来川支流盤ノ沢である。

本地域の分布地は當別川の東西両側に, 2つに分かれている。

西方のものは, 厚田層を取り巻いて背斜の両翼に発達しており, 模式地からの連続である。 下位の厚田層との関係は模式地同様整合である。 海緑石質の帯緑色細粒~微粒砂岩を主体として, 一部に泥質の部分を挾み, またいわゆる「 白粒 しろつぶ [ 以下の [注] 参照 ] や球形の泥灰質団球を含んでいる。 化石は散点的で, 月形図幅地域にはいった処から次のものを産した。

Acila sp.
Portlandia sp.
Macoma tokyoensis MAKIYAMA
[注]
文献 4), 11) 参照。 浮石・斜長石など白色物質の小粒からなるものを称する。

層厚は月形図幅地域で約 400 m を算する。

本層の岩質は, これを北方へみてゆくと, 北隣図幅地域内の望来川中流附近から次第に火山性物質を混じて粗粒化し, 遂には凝灰角礫岩質に移化するにいたる。

當別川東方の本層は, 南方では海緑石粒を含むかなり硬質の粗粒砂岩~細礫岩であるが, 北方へ進むと初め細粒~中粒砂岩となって一時きわめて薄化し, やがて火山砕屑質に変わってゆく。 層厚は数 m~120 m 程度で, 西方のものに比較すれば著しく薄化し, 一部ではほとんど尖滅している。 下位の須部都層との関係は, 観察された限りでは整合で, 構造上の差も全く認められない。

II.2.3 望来層

本層は大村一蔵の望来層または 俊別 しゅんべつ 7) , 卜部奎一・大脇巖の望来層 15) , 対馬坤六の望来層 16) , 対馬・垣見・植村の望来層 4) などに当り, 模式地は西隣石狩図幅地域からその北隣厚田図幅地域にかけての望来海岸である。 本地域では當別向斜の両翼にかなり広く分布しており, 下位層とは整合に重なる。

西方のものは模式地から連続しており, 模式地同様典型的ないわゆる硬質頁岩 4) で, 板状層理を示し, 泥灰質団球や凝灰質砂岩の薄層を挾むことがある。

これに対し東方のものは, 下部は珪質頁岩, 中部は硬質頁岩からなるが, 上部は砂岩・硬質頁岩を挾む泥質岩を主体とする。 砂岩は時に細礫を散点的に含み, また緑色物質の粒を混じ, Macoma などの介化石印象がみられることがある。 硬質頁岩を挾まなくなる層準を本層上限とする。 砂岩のうち厚いものは地質図に示した。

鑑定し得た化石は次の通りである。

Nuculana robai (KURODA)
Yoldia (Yoldia) sp.
Yoldia ? sp.
"Thyasira" bisecta CONRAD
Lucinoma sp.
Clinocardium sp.
Serripes sp.
Macoma cf. praetexta v. MARTENS
Macoma sp.
Periploma sp.

層厚は西方で 200 m, 東方で 600~900 m に達するが, 東方では前記の上部としたものがおよそ 100~400 m を占める。 この部分は, 一部西方における望来層と, 上位の當別層との漸移部(いわゆる中間層)に相当する可能性も考えられるが, 「硬質頁岩」を挾むことから望来層に含めた。

II.2.4 當別層

本層は大村 7) ・卜部 17) ・対馬 18) の當別層, 対馬・垣見・植村 4) などの當別層にほゞ相当する。

最下部は當別川西方にのみ発達し, 中間層 [ 以下の [注] 参照 ] と呼ばれる。 灰色無層理のシルト岩ないし泥質微粒砂岩からなり, 団球を含み, 當別層主体部と下位の望来層とをつなぐ中間的な部分である。 層厚は最大 100 m 前後を算するが, 北方へ尖滅するにいたる。 この部分を区別して地質図に示した。

[注]
吾妻穰の帝石資料, 1952 による命名。

その上に漸移する本層主体をなす部分は, 當別川の東西にわたって分布している。 無層理の中粒~細粒の帯黄灰色砂岩で, 泥灰質団球をまれに含む。 中部に厚さ 0.3~1 m の浮石層が1枚あって, この地域ではよく追跡される。 これを地質図上に示した。

本砂岩の上部は一般に黒雲母片を含み, また南西方では一部に礫岩の薄層を挾むところがある。 上下を通じて風化した露出面には, しばしば本層に特有の生痕様の模様がみられる。 化石はこの地域からは次の5種を得たのみである。

Macoma sp.
"Cardium" sp.
Beringius sp.
Turritella sp.
Sagarites sp.

層厚は西部でおよそ 750 m, 東部で 900 m に達する。

II.2.5 材木沢層

本層は大村 7) の材木沢蛮岩, 卜部 19) ・長尾 10) の材木沢礫岩または材木沢層に当る。 模式地は西隣石狩図幅地域の材木沢である。 本地域には小分布を示すに過ぎない。

岩質は粗鬆の砂岩・礫岩を主体とし, 凝灰質の泥岩を挾んでいる。 砂岩は粗粒~中粒できわめて粗鬆で, 多量の黒雲母片・石英粒を含み, 偽層に富み, 礫を含むことが多い。 礫岩の膠結物質はこの砂岩と同質で, 礫は樺戸山地の基盤をなす いわゆる古生層の隈根尻層群に由来すると思われる 粘板岩・珪質岩・赤色チャート・脈石英などのほか, 流紋岩などからなる。 径 10 cm 以下の円礫~亜円礫が多く, 淘汰はあまり良好でない。 化石はきわめて乏しく, 僅かに次の2種を得たのみである。

Nuculana sp.
Natica sp.

層厚は 400 m 以上に及ぶ。

II.2.6 対比

本地域の新第三系中, 厚田・盤ノ沢・望来・當別の4層はすでに述べた通り, すべて厚田地方の南厚田層群 4) に属しており, 南厚田層群は対馬らによって, その産出化石と岩相とから, すでに留萠地方との対比の検討が厳密になされている 4) 。 今回の調査でもこの対比と矛盾する結果は全く現われていないので, これを踏襲する。

須部都層はすでに述べたように, 厚田層との対比がほゞ確実であり, このことは須部都層の模式地月形図幅地域の調査によっても確認されている 5)

最上位の材木沢層は, 長尾によって當別層との間に一部不整合の疑いがあるとされたが, 構造上の差も認められず, それらしいものも観察されなかった。

材木沢層は, これを樺戸山地南部周縁に沿って, 月形 5) ・砂川・滝川 12) の各図幅地域に追跡してゆくと, 月形・砂川両地域では発達不良の當別層の上位に整合する 厚軽臼内 あつかるすない 5) がこれに当り, 滝川地方では塊状細粒砂岩層 [ 以下の [注1] 参照 ] の上位に整合に重なる浮石質砂岩層 [ 以下の [注2] 参照 ] 以上の部分に, ほゞ相当することがわかる。

[注1]
Fortipecten takahashii YOK. を産する部分で, いわゆる滝川層下部に当る。
[注2]
いわゆる滝川層中部に当る。

一方, 近年多くの人々によって 12), 20) , 従来いわゆる追分階の代表的なものとされてきた留萠地方の留萠層, 天塩地方の遠別層などが, 上記の滝川地方のいわゆる滝川層下部に対比されるものであることが, 明らかにされており, 當別層もまた樺戸山地南部周縁の追跡によって, ほゞ上記の滝川層下部との対比が可能となっている。 このことからも, 材木沢層の上述の対比は妥当と考えられる,

以上の観点から新第三系の諸層を対比すれば, 第 2 表のようになる。

第 2 表 対比表

II.3 火成岩

本地域に分布する火成岩は, 阿曽岩山および十万坪北方の 291.5 m 山峯を形成する玄武岩熔岩のみである。

本岩は一般に暗灰色, 緻密であるが, かなり粗粒のものもある。 典型的な橄欖石玄武岩で, 斑晶はほとんど橄欖石のみからなるが, 粗粒のものでは普通輝石も認められる。 副成分鉱物のうち著しいものは磁鉄鉱である。 石基は塡間粒状構造を示す。

これと同様な岩質のものが 2~3 m の岩脈をなして, 阿曽岩山北方の望来層を貫ぬいているのが観察された。 母岩との接触部ではかなり変質し, 橄欖石はほとんど緑泥石化し, 普通輝石も僅かに残っているに過ぎない, 石基も変質してはいるが構造は塡間粒状である。 要するに, この岩脈は変質してはいるが阿曽岩山の熔岩と同一のものと考えられる。

本岩の噴出時期については, 望来層を貫ぬくことと, 段丘堆積層の礫となってみいだされること以外は不明であるが, おそらく樺戸山地および周辺諸地域で, いわゆる滝川層と同時期またはその堆積直後とされている多くの玄武岩と, 同時代のものと思われる。

舟橋三男によれば, この時代の玄武岩のうち, この種の典型的な橄欖石玄武岩質のものは, 空知地区に特有のものであるが 21) , 本地域のような樺戸地区にも存在することは, 樺戸山地と周辺地域との火成活動を構造地質学的に解明するうえに, 注目すべきであろう。

II.4 第四系

II.4.1 段丘堆積層

新第三系で構成されている山地の周縁部には段丘が発達し, かなりの厚さの堆積物を伴なっている。 これらの段丘は地域的には, 當別市街北東伊達山附近のものと, 図幅地域北端月ヶ岡附近のものとに大別できる。 またこれらを構成する堆積物は, それぞれ層位的に上位層と下位層とに区分される。 しかしながら上位層と下位層とは, 本地域ではその分布範囲がほとんど完全に一致しているので, 地質図上には両者を色別しなかった。

これらとは別に, 當別川沿岸には當別川による河成段丘が帯状に分布し, その堆積物が認められる。

伊達山附近 : 下位層は當別市街の北東伊達山の主体をなす地層で, 未凝固の砂・礫・粘土層からなり, 粘土層がやゝ卓越する。 ほとんど水平に横たわっており, 層厚は下限が冲積面下に没して不明であるが, 冲積面以上で 40 m に達する。 この地層は當別川の西側で, 石狩図幅地域に発達する海成洪積層獅子内層 1), 2) と連続する。 しかし伊達山附近のものが海成である証拠はみいだされなかった。

上位層は, 伊達山においては標高 30~50 m にかけて分布し, 主として下位層の風化生成物と考えられる粘土層からなる。 したがって下位層との境界は明らかではない。 さらに, 伊達山の南西部周辺をめぐって, 数 m の砂礫層が下位層の上に不整合にのっているのが認められる。 その分布および前記の粘土層との関係は明らかではないが, おそらく後記する當別川下流沿岸の砂礫層と同時代のものであろう。

月ヶ岡附近 : 主体は本図幅地域北端の月ヶ岡を中心とし, 北隣月形図幅地域内の五耕地山を頂点とするほゞ2等辺3角形状に分布し, その西端は本中小屋附近にまで及んでいる。

下位層は主として粘土・シルトおよび礫からなり, 礫は新第三系のいわゆる「硬質頁岩」からなるものが多い。 本段丘西部周辺の赤間の沢附近では, 基盤の新第三系當別層上部と区別しにくい 石英粒に富む半凝固の砂からなっている部分があり, 當別層が再堆積したものと思われる。 層厚は下限が不明であるが 10 m 以上に達する。 なお, 下位層の上限, 上位層との不整合面の直下に, 不規川な泥炭土(約 20 cm の厚さで連続性がない)の形成されているのが, 本中小屋駅附近の鉄道の切割りで認められた。

上位層はほとんど常に下位層を不整合に覆うが, 周縁部ではまれに基盤の第三系に直接のっているのが認められる。 基底は平均 50 cm 内外の礫層からなり, その上に 1.5 m 内外のシルト質の粘土層のあるのが普通であるが, 周縁の一部には礫のみのところもある。 層厚は約 2 m である。

本層の上位層および下位層は, それぞれ伊達山附近のものの上位層および下位層に対比することが可能と考えられる。

當別川下流沿岸 : 當別川下流沿岸の 辯華別 べんけべつ 茂平 もへい 沢および 与六 よろく 沢附近に, 現河床からの比高約 20 m の高さに, 幅 200~300 m の段丘堆積層が帯状に分布し, 主として数 m の厚さの礫層からなる [ 以下の [注] 参照 ]

[注]
本地域における當別川沿岸の段丘は大部分が1段であって, 西隣石狩図幅地域内で典型的に発達する海岸段丘群のうちの, 高位のものに連続するように観察される。 石狩図幅地域での低位のものは, 本地域では最西端に, その末端が僅かに現われるにすぎない。

なお, 段丘堆積層ではないが, 本地域南東部, お茶の水附近の試錐結果 [ 以下の [注] 参照 ] によれば, 厚さ 30~40 m の冲積層の下に, 数 10 m の介殻を含む海成洪積層の存在が推定されている。

[注]
北海道地下資源調査所の資料による。

II.4.2 冲積層

本図幅地域の大部分を占める冲積層の主要なものは, 石狩川の東西両側に分布する泥炭層と, 石狩川本流およびその支流である 旧美唄川・幾春別川・篠津川・當別川の諸河川に添って, その流域に帯状に分布する河成冲積層とである。

そのほか, 當別川流域には現河床面からの比高 2 m 内外の旧氾濫原があり, また山地の周縁には冲積世の崖錐および扇状地堆積層が認められるが, これらは地質図に色別しなかった。

泥炭層は 高位泥炭層 低位泥炭層 とに分けられる。 前者は平野中央部に主要地域を占めて広く分布し, その周縁をめぐって後者が分布している。 高位泥炭層の厚さは, 石狩川西側の當別~ 篠津 しのつ 原野において少なくとも 1.5 m 内外, 通常 3 m 以上に及び, 石狩川東側の 美唄 びばい 幌達布 ほろたっぷ 原野においては, 一般に 3 m 内外である。 低位泥炭層は當別~篠津原野で普通 2 m 内外, 美唄~幌達布原野で 2~3 m 内外が通例であるが, 4 m 近いところもある。

河成冲積層 は當別川流域を除き, 細砂~粘土からなる。

本地域南東隅お茶の水附近の試錐結果 [ 以下の [注] 参照 ] によれば, 冲積層の厚さは約 30~40 m と推定され, この間に2~3枚の泥炭層を挾んでいる。

[注]
北海道地下資源調査所の資料による。

II.5 地質構造

本地域の地質構造を支配している要素は, 小林儀一郎 6) によって命名された當別向斜・発足背斜または俊別背斜および中小屋地膨である。 中小屋地膨の地質構造はまた中小屋半ドーム構造ともいわれる [ 以下の [注] 参照 ]

[注]
吾妻穰の帝石資料, 1954 による。

當別向斜はこれらのうち最も基本的なもので, その軸は本地域では NNE-SSW 方向にほゞ當別川に沿って延びている。 この向斜は北隣月形図幅地域を経て, 西徳富図幅地域にまで及んでおり, 樺戸山地南半部をほゞ N-S に縦断する大構造を形成している。 すでに述べたが, この向斜は 本地域では 樺戸山地南部周縁の新第三系堆積相の 西方型と東方型とを結ぶ重要な位置を占めており, おそらく新第三紀の古地理を直接に反映しているものであろう。

発足背斜は當別向斜の西方に位置し, ほゞこれと平行して延びている。 本地域では北西隅にその軸部が一部現われているに過ぎないが, その北方延長は月形図幅地域中央に及び, さらにその北には別狩岳を中心とする古生層の隈根尻層群の地塊がある。 おそらく, この背斜は基盤の形態をかなり反映しているものと思われる。 発足背斜の南西方延長は, 西隣石狩図幅地域で石狩油田を形成している。

中小屋半ドームは當別向斜東方に位置している。 広い意味での當別向斜東端は, 本地域北東隅の月形市街地附近にまで拡大されるのであるが, 中小屋半ドームはちょうどその中央部に隆起しており, 東側は断層によって断たれている。 この半ドーム構造の地帯は, すでに記載した新第三系の堆積相からみて, 広い意味の當別向斜北東部, すなわち地勢根尻山塊を中心とする地域の, 南部周辺の新第三系分布地域に近縁のものと考えられる。

本地域の褶曲構造は堆積盆地の形成に始まり, 中新世後期から鮮新世にわたる諸層を一連に堆積しつつ, 徐々に完成していったものであろう。 中小屋附近から北方へ延びる東方落ちの断層は, その後にできたものである。

III. 応用地質

III.1 石油および鉱泉

西隣石狩図幅地域の主として 知津狩 しらつかり 川上流流域では, 発足背斜冠部で古くから採油されており, 石狩油田の中心部をなしている。 その北東部が本図幅地域西端に僅かに現われるが, すべて廃井で現在採油中のものは本地域にはない。 また 札子 ざっこ 沢を中心とする背斜冠部および中小屋半ドーム地帯で, 帝国石油(株)による石油探鉱のための精査が行われたが, みるべきものはなかったようである。 今回の調査でも明瞭な油徴は認められなかった。

石油に関係すると思われるガス徴が札子沢で1ヵ所認められた。 層位的には発足背斜西翼の厚田層上限に当り, 沼地に湧出している塩水のなかに, 可燃性の気泡が上ってくるのが観察された。

中小屋半ドーム南端部の中小屋には, 中小屋温泉といわれる冷泉の湧出があり, 昭和初年以来利用されていたが, 現在は休業している。 昭和 27 年の北海道衛生試験所分析結果によれば, 含重曹食塩泉に属するものである。

III.2 泥炭地および泥炭

本地域の大部分を占める石狩平野は, 本邦最大の泥炭地の1つを形成している。 泥炭地は, 本図幅地域内では石狩川を挾んで西側の當別~篠津原野と, 東側の美唄~幌達布原野との2地区に分かれて分布している。 両地区とも原野の周縁に分布する低位泥炭地は, ほとんど水田または耕地として開拓されているが, 原野の大部分を占める高位泥炭地の開発は遅れている。 特に篠津原野の開発はほとんど行われていなかったが, 最近になって積極的に着手されるようになった。 これら未開発泥炭地の開発に関しては, 河川に対する根本的な治水工事, 排水溝の開鑿, 客土などの計画的な実施が必要である。 なお本地域の泥炭地については浦上啓太郎 22) ・尾原信彦 23) およびその他 27), 28) による詳しい土性調査が行われている。

本地域の泥炭は分布範囲が広く, したがってその賦存量は莫大に達するが, これまで有効に利用されていない。 これまでの利用としては, 泥炭地附近の家庭で燃料として小親模に使われていることと, 石狩金沢附近のものが 戦時中草炭工業の原料として利用されたことがある程度である。 将来泥炭が燃料資源として積極的に利用される時期がきた暁には, 本地域の泥炭が最も主要な役割りを果すことになるであろう。

III.3 地下水

泥炭地の水は腐植質を含んで褐色を呈し, 飲料には適さない。 したがって一部の入植者を除き, 各農家では良質の水をうるために深い掘抜井戸を掘っている。 井戸の深さはまちまちであるが, 50~70 m のものが最も多い。 これら地下水の滞水層は, 試錐の結果からも砂礫層であることが確認されている。 地域南東部の岩見沢市お茶の水附近には, Cl- 500 mg/l 以上(最高 1,945 mg/l)の地下水があり, 多分残留水(化石水の一種)であろうと考えられている 24)

III.4 天然ガス

飲料水を目的として掘られた井戸のうちで, 天然ガスが自噴, 逸散しているものがあることは古くから知られていた。 これらのうちにはガス量数 10~100 m3 / 日 を示し, 小規模ではあるが燈火用および炊事用に利用されているものもある。 このような天然ガスの徴候はほとんど本地域の平野全体にわたって認められ, これに関する調査は昭和 25 年以後北海道地下資源調査所の事業として, 斎籘昌之 25) ・兼子勝 26) ・本島公司 24) らによって行われた。 これらの調査結果によれば, 本地域の天然ガスはいずれも第四紀の地層に胚胎した CH4-CO2-N2 系のもので, 地下水とともに湧出しているが, 地表下 8~10 m の泥炭地の浅層地下水に胚胎するものから 深さ 150 m に及ぶものまで, ガス層は数枚かぞえられる。 なお岩見沢市お茶の水附近には, 東西および南北それぞれ約 3 km にわたって, ほとんど水を伴なわない空ガス徴地帯がある。

本地域の天然ガスはまだ開発・利用の段階に達していないが, ガス徴地の分布の広いことから将来の利用が期待される。

文献

1) 長尾巧 :
北海道に於ける後瀬棚期の海成化石層, 地質学雑誌,Vol. 41, No. 487,p. 205~207, 1934
2) T. Oinomikado :
Molluscan Fossils from the Pleistocene Deposits of Sisinai in Tobetsu-mura,Ishikari-gun,Hokkaido, Jour. Geol. Soc. Japan,Vol. 44,No. 520, 1937
3) 青木廉二郎・田山利三郎 :
関東構造盆地特に其の西辺部の地形及び地質に就て, 斉籘報恩会学術研究報告,No. 8, 1930
4) 対馬坤六・垣見俊弘・植村武 :
5万分の1地質図幅「厚田」,および同説明書, 地質調査所, 1956
5) 垣見俊弘・植村武 :
5万分の1地質図幅「月形」,および同説明書, 地質調査所, 未刊
6) 小林儀一郎 :
石狩国石狩油田調査報文, 鉱物調査報告(北海道の部),No. 9, 1912
7) 大村一蔵 :
石油地質学概要, 地球,Vol. 9,No. 6, 1928
8) 対馬坤六 :
石狩国厚田地方の地質(手記), 北大卒論,No. 115, 1942
9) 三本杉巳代治 :
石狩国樺戸山地南部の地質(手記), 北大進論,No. 39, 1936
10) 長尾巧 :
札幌苫小牧低地帯(石狩低地帯), 矢部教授還暦記念論文集 (II), 1940
11) 橋本亙 :
樺戸山地周縁部の地質 -— II, 北海道地質要報, No. 14, 1950
12) 小林勇・他 :
妹背牛図幅・滝川図幅調査報告 -- 留萠層と滝川層の関係について, 地質調査所北海道支所調査研究報告会講演要旨,No. 6, 1954
13) 高橋英太郎 :
石狩国樺戸山地西南部の地質(手記), 北大進論,No. 39, 1936
14) 対馬坤六 :
文献 8) に同じ
15) 卜部奎一・大脇巖 :
石狩国石狩當別附近地質調査報告(手記), 北大進論,No. 19, 1934
16) 対馬坤六 :
文献 8) に同じ
17) 卜部奎一・大脇巖 :
文献 15) に同じ
18) 対馬坤六 :
文献 8) に同じ
19) 卜部奎一・大脇巖 :
文献 15) に同じ
20) 松野久也・山口昇一 :
遠別層(追分階)から Pecten (Fortipecten) takahashii YOKOYAMA の発見, 北海道地質要報,No. 30, 1955
21) 舟橋三男 :
雨竜・空知地方の玄武岩, 新生代の研究,No. 5, 1950
22) 浦上啓太郎・他 :
石狩国泥炭地土性調査報告, 北海道農業試験場土性調査報告,第 4 編, 1954
23) 尾原信彦 :
石狩泥炭地の開発に関する基礎調査, 地質調査所月報,Vol. 4,No. 10, 1953
24) 本島公司・他 :
北海道天然ガス調査報告,第 3 報, 石狩国岩見沢市幌向附近天然ガス調査報告 -- 特に地化学的解析について, 北海道地下資源調査報告,No. 8, 1953
25) 斎籘昌之・他 :
北海道天然瓦斯調査報告,第 1 報, 石狩低地帯天然瓦斯予察調査報告, 北海道地下資源調査報告,No. 3, 1951
26) 兼子勝・他 :
北海道天然瓦斯調査報告,第 2 報, 石狩国空知郡幌向村附近天然瓦斯調査報告, 北海道地下資源調査報告,No. 4, 1951
27) 北海道農業試験場 :
北海道における農牧適地の土壌地帯概説, 北海道農業試験場土性調査報告,第 1 編, 1950
28) 北海道農業試験場 :
石狩国泥炭地土性調査報告, 北海道農業試験場土性調査報告,第 4 編, 1954

EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN Scale 1 : 50,000

TOBETSU

Sapporo, No. 13

By TOSHIHIRO KAKIMI & TAKESHI UEMURA (Written in 1955)


Abstract

GEOLOGY

The area mapped is located in the southern part of the so-called "Kabato Mountainland" in the Central Hokkaidō. A summary of the stratigraphic sequence in the area is given in table 1.

Table 1

1. Neogene Tertiary

Neogene Tertiary in the area is divided into 6 formations superposing conformably (refer to the table 1).

Atsuta formation and Subetsu formation : These formations occupy the lowermost of the stratigraphic successions in the mapped area.

The Atsuta formation occurs along the anticlinal axis in the northwestern part of the area. It is the same to the Atsuta formation developed in the area of Atsuta sheet-map, and consists mostly of dark gray-colored massive mudstone and siltstone, sometimes containing marly nodules. Fossils collected are as follows ; Acila sp., Portlandia sp., Macoma sp. and Sagarites sp. Thickness of the formation reaches over 400 m.

The Subetsu formation is widely developed along the River Subetsu-gawa in the northern adjacent area, though it shows only narrow distribution in this area. The upper part is composed of siliceous shale, and the lower part is of dark gray massive mudstone. And white-colored, medium- or fine-grained compact tuff is intercalated lenticularly between two part. Only one species of molluscan remain occurred in this formation is Adulomya sp. nov. (?), which is the equivalent of Adulomya obtained from the Atsuta formation in the Atsuta district. The formation is over 420 m in thickness.

The Atsuta and Subetsu formations might be continuous, though these are distributed separately and show somewhat different facies each other. The Subetsu-facies rich in siliceous shale may corresponded to the modified Atsuta-facies caused by volcanic activity.

Bannosawa formation : This formation exposed in the northeastern part of the area consists generally of fine to very fine-grained glauconitic sandstone. However, this formation exposed from Nakagoya to Nakayama-zawa east of the River Tōbetsu-gawa is composed of coarse-grained sandstone or granule conglomerate containing glauconite grains, and becomes gradually pyroclastic towards the north. Fossils obtained from this formation are as follows, Acila sp., Portlandia sp. and Macoma tokyoensis MAKIYAMA. The thickness of the bed is 50 - 120 m in the eastern area.

Mōral formation : In the northwest of the River Tōbetsu-gawa, the formation shows lithologically typical "hard shale" facies (with remarkable platy stratification) containing marly nodules and tuffaceous sandstone layers, and is about 200 m thick. While, the formation, occurring near the Tōbetsu-gawa, consists of silliceous shale, platy hard shale and mudstone, intercalating sandstone and platy hard shale, in ascending order ; it is 600 - 900 m more or so in thickness, 100 - 400 m of which is of the upper mudstone part. Fossils contained in this formation are as follows ; Nuculana robai(KURODA), Yoldia(Yoldia) sp., Yoldia ? sp., Clinocardium sp., Macoma cf. praetexta v. MARTENS, Macoma sp., Serripes sp., "Conchocele" bisecta CONRAD, Lucinoma sp. and Periploma sp.

Tōbetsu formation : It is exposed widely on both sides of the River Tōbetsu-gawa and also on the eastern side of the fault extending from Nakagoya to the north. The lower part of the formation consits mostly of somewhat soft muddy sandstone, poorly stratified, and manly nodules. The development of this part is restricted to the western area and is thining out northwards. It is the transitional facies between the Mōrai formation and upper main part of the Tōbetsu formation. Thickness of this part is 100 m in maximum. The upper main part of the formation consists of fine- to medium-grained massive sandstone with sporadic manly nodules. Pumice bed at the middle horizon of this part, 30 - 100 m in thickness, is valuable as key bed. Fossils collected are Macoma sp., "Cardium" sp., Beringius sp., Turritella sp. and Sagarites sp. The thickness is 750 ~ 900 m.

Zaimokuzawa formation : The formation distributed at the southwestern small area consists of loose, coarse- to medium-grained, micaceous and quartzose sandstone, mostly containing pebbles and sometimes showing cross-laminations. Pebbles are composed of slate, siliceous rock, red chert, vein quatz, rhyolite etc. Molluscan remains collected from this formation are Nuculana sp. and Natica sp. It has over 400 m thickness.

Summarizing the lithologic lateral change of the Neogene formation in the southern marginal area of the Kabato mountain land, it can be said that the rock facies become unstable from west to east. This area is just located at the transitional zone connecting western and eastern facies in the southern marginal area of the Kabato mountainland.

The Neogene formations are correlated as given in table 2.

Table 2

2. Igneous Rock

The only igneous rock of the area is typical olivine basalt, forming Asoiwa-yama, and 291.5 m mountain north of Jūmantsubo. Its geologic age is presumed to be later Pliocene.

3. Quaternary

Quaternary deposits are terrace deposits and alluvial deposits. The former is well developed at Date-yama and Tsukigaoka, and probably belong to the lower middle Pleistocene. The latter formes Ishikari plain, one of the greatest flood plain in Japan, scattered with swamps and peat bogs.

4. Geologic Structure

The main components controlling the geologic structure of the area are the Tōbetsu syncline, Hattari anticline, and Nakagoya semi-domic structure. Among them, the most important one is Tōbetsu syncline, whose axis extends along the River Tōbetsu-gawa to the north. It may be the direct reflection of the Neogene sedimentary basin, and moreover its basement complex.

ECONOMIC GEOLOGY

1. Oil and Mineral Spring

In the western adjacent Ishikari oil field, oil has been mined on the Hattari anticline since old days. In spite of the detailed survey carried out by Teikoku Sekiyu Co., any workable seepages have not been discovered in this area.

In the vicinity of Nakagoya, there is a mineral spring called Nakagoya hot spring. It belongs to common salt spring, and was utilized formerly.

2. Peat Bog and Peat

Peat bog covers almost all alluvial plain of this area, and is composed of higher peat and lower peat. Lower peat area is well cultivated, but higher peat area is not so and is expected the future cultivation.

3. Underground Water

In the alluvial plain, the underground water is utilized as drinking water. It is pumped up from the artesian well, whose depth is 50 - 70 m.

4. Natural Gas

Gas seepage is recognized over the almost all alluvial plain. Natural gas originates from the Quaternary deposits and bubbles up with undeground water. It belongs to CH4-CO2-N2 type and has high calorific value. It is not yet exploited at the present.


昭和 31 年 12 月 15 日印刷
昭和 31 年 12 月 20 日発行
著作権所有 工業技術院 地質調査所