03037_1956

5万分の1地質図幅説明書

鬼鹿

(旭川 第 37 号)

通商産業技官 対馬坤六
通商産業技官 松野久也
通商産業技官 山口昇一

地質調査所

昭和 31 年


目次

I. 地形
II. 地質
II.1 概説
II.2 新第三系
II.2.1 ユードロ層
II.2.2 古丹別層
II.2.3 鬼鹿介化石層
II.2.4 遠別層
II.2.5 脈岩類
II.3 第四系
II.3.1 更新統
II.3.2 現世統
II.4 地 質構造
III. 応用地質
文献

Abstract

1 : 50,000 地質図幅説明書 (昭和 30 年稿)

鬼鹿

(旭川 第 37 号)


この地質図幅の野外調査は. 昭和 27 年 6 月下旬から同年 10 月末までの間に, 延 150 日にわたって行われ, 小平村と鬼鹿村との村界を境として, 南部を対馬が, 北部を松野および山口が担当した。

採集した植物化石は熊本大学理学部の遠藤誠道教授に, 介化石は東北大学理学部地質学古生物学教室の小高民夫学士によって, それぞれ鑑定された。

I. 地形

この地域は北海道の北西部に位置し, きわめて単調な南北の直線状の海岸線をもって日本海に臨む。 大部分の地域は. 海抜 150 m 前後から 350 m 以下の低夷な山地をもって構成される。 海岸線に沿う狭長な区域には. 海抜 60~90 m の平坦な台地が発達する。 また小平蘂川川口の南方では, さらに一段低い平坦面 -- 海抜 30~40 m -- が存在する。

地形は地層の分布に支配され, それぞれ特徴を示し, 特に南部のユードロ層と北部の古丹別層との分布する区域の間に, 著しい差が認められる。 この地形の差は, 航空写真の判読あるいは高所からの俯瞰によって容易に識別される。 すなわち, ユードロ層の分布区域では, 地質構造と無関係に複雑な谷筋が樹枝状に発達し, 緩やかな起伏のある丘陵性の山地が生じているのに反して, 古丹別層の分布する北部では標高も一般に高く, 遠望すれば山頂は鋸歯状を呈し, 山陵の配列は地層と構造に支配され, 空中写真による地質構造の推定も比較的に容易である。

各水系は, 東から西へ図幅地域を横断して日本海に注ぐが, 小平蘂川を除いて長大なものはない。 各水系ともにその氾濫源中を蛇行しているが, 南部ユードロ層の分布区域内において特に著しい。 また, 冲積氾濫原の海岸線に臨むところには砂丘が見られる。

II. 地質

II.1 概説

この区域は, 宗谷・稚内および天塩油田の新第三紀層と, 留萠・雨竜炭田の上部を構成する新第三紀層との接するところに当り, その関係について種々の解釈がなされてきた。

本図幅地域内に分布する地層の層序関係を模式的に示すと, 第 1 図の通りである。

第 1 図 地質総括表

最下位のユードロ層は, 石炭の薄層・植物化石および淡水棲の介化石を産する陸成層を主体とする地層であって, その産出植物化石には Comptoniphyllum sp., Liquidamber formosana HANCE その他があり, 中新世中期の温暖な気候條件下に堆積したものである。 その上位の古丹別層は, 従来ユードロ層の1異相と考えられていたが 1), 2) , 古丹別層はユードロ層に対して, 北東から南西へ順次上位の部分が接する覆蔽不整合 (Overlapping unconformity)の関係にあることが明らかにされた [ 以下の [注] 参照 ] 。 そして, 古丹別層以上の厚さ数千 m に及ぶ新しい地層は, ユードロ層堆積後の造構造運動によって, 南方の隆起した地域の前面, すなわち北側に形成された沈降地域に堆積したものと考えられる。 この地域の沈降運動は古丹別層の堆積期において著しく, 古丹別層の堆積状況から脈動的な沈降であったと推定される。

[注]
主として東隣の寧楽図幅地内の資料による。 すなわち, 古丹別層は小平村の天狗山以北では, 平行不整合的に下位の築別層に接する。 しかし天狗山附近から西方鬼鹿図幅地域にかけて, 古丹別層は順次下部の層準を覆蔽して, 傾斜不整合をもって下位の達布頁岩層・ユードロ層に接している。 すなわち, 約 15 km の間で厚さ約 3,000 m の地層を覆蔽欠如するにいたる。

古丹別層に続く鬼鹿介化石層は瀕海ないし浅海相を示し, その上部は硬質頁岩となり, 整合的にさらに上位の海成の遠別層の泥岩層に移化している。 鬼鹿介化石層の堆積初期に噴出した両輝石安山岩が, 小範囲に露出するが, これは苫前地方から北方遠別地方を経て宗谷地方にわたって, 普遍的に認められる安山岩の噴出 3), 4), 5), 6), 7) と期を一にするものである。

古丹別層上限から遠別層の堆積にいたる間の地盤の運動は, 全体として造陸運動と解される昇降運動である。

古丹別層は有孔虫化石 8) から, 中新世後期に堆積したものであり, 鬼鹿介化石層は中新世末期と考えられ, 一応遠別層の基底をもって鮮新世の始まりと考えられる。 鬼鹿介化石層および遠別層の化石種は北方種が卓越しており, ユードロ層堆積時に比して, 寒冷な状態にあったと推定される。

第三紀末の造構造運動によって, 以上の第三系の地層は褶曲・断層の影響を受けて転移し, これらの転位した地層を貫ぬいて, 橄欖石含有玄武岩等の岩脈が貫入した。

また更新統の2段の海岸段丘および数段の河岸段丘を構成する段丘堆積層, ならびに現世統の冲積層は, 第三紀層の削剝面を覆ってほゞ水平に堆積している。

第四紀における地盤の運動は, 数次にわたる上昇 -- あるいは海水準の低下 -- である。

本地域の層序を北海道天北地方および留萠地方に対比すると, 第 1 表の通りである。

第 1 表 対比表

II.2 新第三系

II.2.1 ユードロ層

本層は大椴子川以南の地域に広く分布し, 留萠地方におけるユードロ層 9), 10) の延長である。 ユードロ層は留萠市大和田附近で, 下位の大和田夾炭層を不整合に覆うが, 本図幅地域ではその基底部は見られない。 この地域内に分布するユードロ層はその岩相・産出化石その他から, 留萠地方で3分された本層の中部層である軟質細粒砂岩層より, 上の部分に相当するものと考えられる。

本層は全体として軟質細粒砂岩と暗灰色ないし黒灰色の泥岩とからなり, 礫岩およびレンズ状の石炭の薄層を挾有しているが, 岩相によって細分することは不可能である。

鬼鹿断層と真砂トンネル断層とに挾まれる地域に分布する本層中には, 大椴子川と八線の沢との分岐点附近から, 南方の独立標高点 144 m 附近を経て小平蘂川十三線附近にかけて, 礫岩および砂岩の卓越する部分がある。

その東側すなわち下部では, 頻繁に薄いレンズ状の炭層を挾有する。 上述の礫岩部を隔てて, その上位には, 大椴子川北一線から鬼泊を経て小平蘂川九線附近にかけて, Corbicula spp. を産する層準がある。 またこの区域の本層から植物化石を多産する。

本層から得られた化石は

Corbicula ovalis PRIME
C. cfr. atrata REINHARDT
C. sp.

等の軟体動物化石および

Cyperites sp.
Equisetum arcticum HEER
Metasequoia japonica ENDO
Comptoniphyllum sp.
Juglans cfr. acuminata BRAUN
Fagus sp.

等の植物化石である。 また小平蘂川十三線附近から, 卜部奎一により Liquidamber formosana HANCE その他が報告されている 11)

真砂トンネル断層の南西部, 小平蘂川川口附近に分布するユードロ層は, 分布からは留萠図幅のユードロ層の上部を占める泥岩層に当るが, 本地域では砂岩の優勢な泥岩との互層であり, 岩質上, 部層として分けて取扱うことは不可能である。 しかし, 小平蘂川五線附近の本層中からは海棲動物化石が得られた。

さらに, 大椴子背斜の軸部に分布する本層も, 鬼鹿・真砂トンネル両断層の間に分布するものとや丶趣を異にする。 すなわち, 軟質細粒砂岩と暗灰色泥岩からなり

Felanniella cfr. usta (GOULD)
Siliqua cfr. pulchella (DUNKER)
Siliqua sp.
Solen sp.

等の浅海凄の介化石を産する。

以上ユードロ層は露出不良に加えて, 浅海ないし淡水性の成層状態が不安定な地層であるために, 詳細な層序区分は不可能である。 しかし, ユードロ層は全体として, 後述する中新世後期の古丹別層によって不整合に覆われること, Comptoniphyllum, Liquidamber 植物群を産することから, 中新世中期の堆積物であると考えられる。 上記および魚住悟の意見から [ 以下の [注] 参照 ] , 本層は天北地方の築別層に対比される(第 1 表参照)。

[注]
魚住悟(1954), 日本地質学会北海道支部総会講演, 「川端期の化石動物群」を見ると上・中・下に3分され, 中部はいわゆる門の沢動物群と築別動物群とであり, 門の沢動物群は南から進入し, 築別動物群は寒流系で北から進入した。 この動物群は北緯 44°附近で境される。 ユードロ層・幌新層はいわゆる門の沢動物群を産し, ユードロ層は北緯 44°附近で陸成層となる。

II.2.2 古丹別層

本層は苫前地方における古丹別層 12) の延長であり, 地層名は植村癸巳男による 13) 。 古丹別層は下位のユードロ層を覆蔽不整合に覆い, 本地域においては岩相から上・下の2部に分けられる。

古丹別層下部 : 下部層は図幅地域の北半部の大部分を占めて分布し, 礫岩から漸移的に砂岩, その上位に砂岩および泥岩の互層, さらにその上に泥岩ないし泥岩の優勢な砂岩との互層, という順序を繰返しつゝ累畳する厚い地層である。 また下部層中には, 基底部近くに1枚の厚さ 20~30 m の凝灰岩層があって, 鍵層として有効である。 この凝灰岩層の上位約 500 m のところに, さらに1枚の凝灰岩層があるが, 軟質なため広く追跡することは不可能である。

砂岩は一般に板状, 中粒ないし細粒で, 新鮮な面は青灰色を呈するが, 風化面では淡褐灰色を呈する。 砂岩と泥岩との互層部の下位に現われる砂岩は無層理, 塊状で, 一般に汚い灰色を呈し, 下位へ向かって粗粒となり, 遂には礫岩に移化する。

泥岩は暗青灰色ないし黒灰色で長柱状または玉状に破砕し, また乾燥すると不規則な細片となって崩壊する。 泥岩は砂岩に比して侵蝕され易く, 砂岩との規則的な互層部では, 砂岩が板状に河床に残って階段状を呈する。

礫岩はきわめて平坦な面をもって下位の泥岩に接するのを常とし, 側方に厚さの変化が著しい。 通常その厚さは数 10 cm から数 10 m であるが, 著しいもの [ 以下の [注] 参照 ] は約 200 m に達する。 礫岩はおゝむね外観黒色を呈し, 粘板岩の礫を主とし, 稀に珪岩類・石灰岩の礫を含み, 小豆大から人頭大のきわめて雑多な大きさの亜角礫からなる。 また稀に径 1 m に達するものも見られる。

[注]
地質図に記入したもの。

下部層中, 特に礫岩中に, 成層した砂岩・泥岩あるいはその互層からなる礫ないし岩塊が乱雑に含有される。 その巨大なものは径数 m に達するものさえある。 これらの礫ないし岩塊は, その岩質・産状から同時礫と考えられる。

凝灰岩は白色, 緻密で, 濡れると緑色を帯び, 下位のものは堅硬で硬質頁岩の様相を呈し, 厚さ 20~30 m に達する。

古丹別層下部の層厚は本図幅地域内で 3,000 m に及ぶ。

古丹別層上部 : この上部層として分帯した地層は, 古丹別層の全層厚からみてその最上部に当るもので, 同層下部と漸移し, その境界は人為的なものである。 すなわち, 古丹別層は上部にいたるにしたがって礫岩の量を減じ, 砂岩および泥岩の互層となり, さらに上部へ向かうと泥岩の量を増し, 泥岩と凝灰質細粒砂岩の薄層とのきわめて規則的な互層となる。 泥岩は下部のものに較べて明るい青灰色となり, 岩質は一層緻密となる。

古丹別層下部の砂岩中にも, 黄褐色に汚染された浮石粒が見られるが, 古丹別層は上部において著しく凝灰質であることが, 1つの著しい特徴である。

下部層と同様にこの上部としたもののなかにも, しばしばかなり厚いレンズ状の礫岩層を挾有するが, これらの礫岩層の礫は, 下部のそれと種類においてほとんど変わりない。 礫はよく水磨された円礫であり, 石灰岩の礫は全く見られず, 花崗岩類の礫がしばしば目につく。 礫岩の膠結物は下部層のものに比して砂質である。 古丹別層上部の層厚は約 250~300 m である。

古丹別層からは, 大型化石はほとんど産出しないが, 微化石の産出の可能性はある。 苫前地方における本層最上部から報告された化石有孔虫群 14) により, また中新世中期のユードロ層を不整合に被覆するという事実によって, 古丹別層の時代は一応中新世後期と考えるのが妥当であろう。

古丹別層は全体として, その堆積状況および層序関係から, 石田義雄の増幌層(知来別層)およびエペコロペツ暗灰色頁岩層 15) , 飯塚保五郎の増幌層および幕別頁岩層 16) に対比される。 古丹別層上部はその岩相から推して, 植村癸巳男によって古丹別層の上部を占める中間層 17) として分帯された層準, また凝灰質砂岩および礫岩の薄層を挾む頁岩からなり, しかも増幌層から移化するところのエペコロペツ暗灰色頁岩層や, 幕別頁岩層に対比して, ほゞ間違いないものと考える。

北部地方との対比は上述の通りであるが, 南部留萠地方との対比を試みると, 古丹別層の最上部は峠下層の基底の凝灰質砂岩頁岩互層 18), 19) に対比される(第 1 表参照)。 すなわち, 古丹別層と下位のユードロ層とは覆蔽不整合の関係にあることから, 留萠地方の峠下層基底の不整合面は, 古丹別層基底の不整合面と同一の面であることが推察され, さらに峠下層下部と古丹別層上部とは, ともに凝灰質砂岩と頁岩との互層であるという岩相上の相似, およびその上位の地層の層位学上の関係(後述)などから, 上述の対比が可能であろう。

II.2.3 鬼鹿介化石層

鬼鹿介化石層は真砂トンネル附近から小椴子川川口附近にわたる間に, 西に開いた半向心構造をなして分布する。 地層名は卜部奎一による 20) 。 本層は岩質から, 両輝石安山岩質集塊岩・凝灰質砂岩および礫岩層・硬質頁岩層に分けられる。

両輝石安山岩質集塊岩 は真砂トンネルの南口から北口にかけての, きわめて限られた小区域に分布する。 本集塊岩は両輝石安山岩の礫からなり, 褐色の凝灰質物によって膠結され, まれに古期岩類のよく水磨された細礫を混えている。 また礫の間を塡める基質中には, 珪藻の遺殼を含んでいる。

安山岩の礫は灰黒色ないし黒色を呈し, 緻密, 堅硬で, 肉眼では斑晶を認めることができない。 鏡下では, 斑晶として斜長石・普通輝石・紫蘇輝石(量の順)が認められる。 斜長石は曹灰長石の性質を示す。 普通輝石はほとんど無色で, おゝむね自形を呈する。 紫蘇輝石は長柱状の結晶形を止めるが, そのほとんどが炭酸塩鉱物および鉄鉱に交代されている。 また斜長石・普通輝石の聚斑晶構造を呈する部分がある。 石基は塡間構造に近いガラス基流晶質で, 斜長石・粒状の輝石・ガラスおよび少量の鉄鉱からなる。 また非晶質物質からなる球顆構造を呈する部分がある。

本集塊岩層は, こゝでは 古丹別層上部の凝灰質砂岩・泥岩の互層を整合に覆っているのが見られるだけで, その上位の鬼鹿介化石層との直接の関係は不明である。 しかし, 古丹別層の上位にあるという層位上の関係から, 苫萠地方から宗谷・稚内地方にわたって普遍的に見られる小川夾亜炭層, 稚内層, あるいは稚内硬質頁岩層などの基底の安山岩熔岩あるいはその集塊岩と, 同一時期の噴出と推定され, 鬼鹿介化石層基底部の一員と考えられる。

凝灰質砂岩および礫岩層 は主として青灰色ないし暗灰色の中粒から細粒の凝灰質砂岩からなり, 下部は上部に較べて一般に粗粒で, しばしば粗粒砂岩あるいは細粒の礫岩が卓越する部分があり, かつ偽層を呈する。

本層の下部には海棲介化石を産し, その化石帯を小椴子川北部から真砂トンネル附近にわたって, 追跡することができる。 この化石帯から得られた化石種は, 次の通りである。

Pelecypods
Anadara amicula (YOKOYAMA)
Glycymeris pilsbryi (YOKOYAMA)
G. yessoensis (SOWERBY)
Mytilus crassitesta LISCHKE
Patinopecten cfr. paraplebejus (NOMURA & HATAI)
P. sp. (kurosawaensis type)
P. yessoensis (JAY) subsp. nov. KOTAKA
Venericardia ferruginea (CLESSIN)
Felanniella usta (GOULD)
Dosinia cfr. angulosa (PHILLIPPI)
Solen sp.
Panope sp.
Gastropods
Crepidula grandis MIDDENDOLFF

硬質頁岩層 は暗灰色の硬質頁岩あるいは細粒砂岩, ないし砂質頁岩と硬質頁岩との互層からなり, 鬼鹿介化石層の最上部を占めている。 本硬質頁岩層は小椴子川川口附近では厚さ 50 m に達するが, 南へ行くにしたがって徐々に厚さを減じ, 大椴子川の支流陰の沢附近で遂に尖滅する。

鬼鹿介化石層は古丹別層上部から整合的に移化し, 基底に両輝石安山岩の集塊岩が存在し, 浅海性の堆積物からなり, 遠別層によって整合に覆われることなどから, 苫前地方の小川夾亜炭層に対比され, 天塩北部から宗谷・稚内地方における初山別層・稚内層 あるいは稚内硬質頁岩層などの硬質頁岩をもって代表される地層の 浅海相と考えられる。

本層は, 峠下層の下部の凝灰質砂岩頁岩互層に対比される 古丹別層上部の上に整合に重なること, 浅海性の堆積相であって, 北方へ追跡すると苫前地方で陸成相となり, 亜炭を挾有すること, さらに本層の最上部に硬質頁岩層の存在することなどから, 留萠地方の峠下層の礫岩層および増毛層 21), 22) に対比される(第 1 表参照)。 上述の化石種から, 本層の堆積の時代を決定することはできないが, 一応稚内層と同じく中新世後期とする。

II.2.4 遠別層

本層名は層序関係および岩相から, 苫前地方の遠別層 23) と同層名を採用する。

遠別層は真砂トンネルから小椴子川川口にかけて, 半向心構造の中心部に分布する。 本層は無層理, 青灰色の凝灰質ないし珪藻土質泥岩からなり, 下位の鬼鹿介化石層上部の凝灰質細粒砂岩または硬質頁岩から漸移する。 また真砂トンネル北部では, 本層の基底部にきわめて石英粒に富む磨砂様の厚さ数 m の凝灰質砂岩を有する。

泥岩は無層理, 塊状で全く層理を示さず, 風化すると露頭面に沿って不規則な片状となって剝げ落ち, 乾燥すると白色を呈してきわめて軽く, 半乾燥状態では表面に黄色の粉末を生ずる。

泥岩は下部に径数 10 cm から 2 m 位の泥灰質団塊を含有し, また稀に砂質となる部分がある。 また大椴子川川口北部では, 本泥岩中に厚さ 1 m の細礫からなる礫岩層が介在する。

本層中からは少ないながらも普遍的に海棲動物化石を産し, 次のような化石種が得られた。

Pelecypods
Truncacila cfr. nakazimai (OTUKA)
Nuculana sadoensis (YOKOYAMA)
Yoldia thraciaeformis STORER
Yoldia sp.
Glycymeris sp.
Thyasira bisecta CONRAD
Macoma tokyoensis MAKIYAMA
Macoma sp.
Gastropods
Gastropoda gen. et sp. indet.

以上の化石からだけでは本層の時代を決めることはできないが, 羽幌町北部の本層から得られた化石種 24) から, 本層の堆積の時代は一応鮮新世の初期と推察される。

本地域内で見られる遠別層は, 苫前地方の小川夾亜炭層に対比される 瀕海相の鬼鹿介化石層から整合に移化するという層序関係, 岩相その他から, 宗谷・稚内地方の声問層 25) あるいは声問頁岩層 26), 27) , または留萠地方の留萠層 28) に対比されるものであろう(第 1 表参照)。

II.2.5 脈岩類

本図幅地域内において, 両輝石安山岩岩脈および橄欖石含有玄武岩岩脈が見られる。

両輝石安山岩岩脈 は温寧川の下流, 鬼鹿市街より東方 2 km 附近の河床に, 古丹別層下部を貫ぬいて露出する。 この岩脈は幅約 3~4 m, ほゞ東西の方向に 200~250 m の延長を有し, 接触部において古丹別層下部の泥岩を珪化させている。 貫入時期については古丹別層下部以後であることしかわからない。

本岩は淡灰ないし淡灰緑色を呈し, 多孔質で, 肉眼では斑晶を認めることができない。 鏡下では, 斑晶として斜長石・紫蘇輝石・普通輝石(量の順)などが見られ, 斜長石は曹灰長石の性質を示し, 紫蘇輝石はそのほとんどが炭酸塩鉱物に交代されている。 普通輝石は半自形を呈し, その量も少ない。 本岩は全般的に有色鉱物に乏しい。 石基は長柱状の斜長石・ガラスおよび輝石から変質した少量の炭酸塩鉱物からなり, ガラス基流晶質構造を呈する。

橄欖石玄武岩岩脈 は小平村鬼泊西方の海中に, 海岸線とほゞ平行に岩礁をなして露出するもので, 直接の関係は不明であるが, 古丹別層上部ないし鬼鹿介化石層を貫ぬくものと考えられる。

本岩は黒色, 緻密, 堅硬で, 塊状をなす。 鏡下では, 斑晶として斜長石・普通輝石・橄攬石(量の順)などが見られ, 斜長石はしばしばアルバイト双晶を示し, 曹灰長石の性質を示す。 普通輝石は短柱状をなし, しばしば自形を呈する。 また橄攬石はその周辺部がほとんど緑泥石化している。 石基は長柱状の基性斜長石と粒状の輝石を主とし, 少量の緑泥石と鉄鉱などからなり, 塡間構造を呈するが, 部分的にオフィティック構造を示すところがある。

この橄欖石含有玄武岩は, 広く雨竜・空知地方に分布する 滝川期後半ないし滝川期後の活動によるものとして知られている玄武岩 29) と, 同一時期のものであろう。

II.3 第四系

本地域内に分布する第四系は, 更新統に属すると考えられる海岸段丘堆積層および河岸段丘堆積層と, 現世統である冲積層および砂丘堆積物とからなる。

II.3.1 更新統

海岸段丘堆積層

地形の項で述べたように, 本地域の海岸線に沿って高さ 60~90 m の平坦な面がかなりよく保存されている。 また小平蘂川川口の南方には, 高さ 30~40 m の段丘面が発達している。 両者は海岸段丘と考えられ, これらの段丘堆積層は, ともに基底礫をもって第三系の削剝面を覆い, 未固結の砂・粘土・礫からなる。 本地域内においては, 一応高位のものを高位海岸段丘堆積層, 低位のものを低位海岸段丘堆積層と名づける。

高位海岸段丘堆積層 は, 鬼鹿村鬼鹿附近に最もよく発達し, その厚さも最も厚く 20 m あるいはそれ以上に達し, 主として, 細粒の砂あるいは泥質の砂からなる。 本段丘堆積層は海水面からの高さおよび開析の度合から, 苫前・羽幌地方の羽幌海岸段丘堆積層に対比される。

低位海岸段丘堆積層 は, 前者に較べてその平坦面がよく保存されていること, および海水面からの高度から 羽幌海岸段丘面より一段低位の苫前海岸段丘堆積層に対比される 30), 31)

河岸段丘堆積層

小平蘂川・大椴子川・小椴子川・温寧川などに沿って2~3段の河岸段丘が見られるが, 部分的に切れ切れに見られる個々の段丘面を追跡し, 互に関連づけることは困難であり, また地質図上に表現することも不可能なので, 省略した。

これらの河岸段丘堆積層は, 砂・礫・粘土からなる未固結の堆積物である。

II.3.2 現世統

冲積層 は諸河川の氾濫原を構成するもので, 未固結の砂・礫・粘土からなる。 これらの冲積地は広く耕地として利用されている。 ユードロ層の分布地域では, これらの冲積原はしばしば湿地帯となっている。

砂丘堆積物 は砂丘砂からなる。 小平蘂川川口から南, 海岸線に沿って高さ数 m に達する1列の砂丘が発達している。 このような砂丘は, この地方の海岸で砂浜の広く発達するところでは普遍的に見られ, 温寧川の川口附近その他にも存在するが. 港湾・市街・鉄道などの建設によって, 原形を破壊されている。

II.4 地質構造

地質構造上の主要なものは, 大椴子背斜・丸山向斜 31) ・大椴子川半向心構造・鬼鹿断層および真砂トンネル断層である。

大椴子背斜 は, 図幅地域の東縁に沿って走る南北性の軸をもつ背斜構造で, 両翼ともに 50~60°の傾斜を示し, 北方に沈降する。 軸部に分布するユードロ層の構造は明らかでない。

丸山向斜 は, 苫前図幅地域の中央部を南北に走る丸山向斜の延長であり, 北へ向かってゆるやかに沈降する。 傾斜は西翼で 10~15°, 東翼では 20~30°である。

大椴子川半向心構造 は, 大椴子川川口を中心として海岸へ向かって開いた半向心構造で, 南部ではほゞ直立に近い傾斜を有するが, 北方へ向かって徐々に緩傾斜となる。

鬼鹿断層 は N 35°W の方向で, 大椴子川八線附近から温寧川川口にいたる東落の断層である。 ユードロ層および古丹別層を切っている。

真砂トンネル断層 [ 以下の [注] 参照 ] は, 小平蘂川九線附近から真砂トンネルにかけて, N 40°W の方向に走り, ユードロ層から遠別層までの地層を切る断層で, 鬼鹿断層と同様に東落ちである。

[注]
本断層は留萌図幅の折真布沢を通る断層の延長と思われるが, 位置が多少ずれている。

これらのほかに, 鬼鹿村御種子部落東方に小さな背斜軸が見られる。

III. 応用地質

本地域内には, 鉱物資源その他見るべきものはほとんどない。 以下2, 3について簡単に記述する。

油徴 : 留萠地方において, ユードロ層は油徴のある地層として知られている。 本地域においても, 大殻子北一線附近の本層中に, 油臭をおびた砂岩が見られる。

石炭 : 本図幅東隣の寧楽図幅地内において, ユードロ層中の石炭が採掘されている。 本図幅地域内においても, ユードロ層の下部と考えられる部分に, 貧弱な石炭の薄層あるいはレンズ(厚さ数 cm から 10 数 cm)が介在するが, 稼行の対象とはならない。

黄鉄鉱 : 独立標高点(181.0 m)の東, 大椴子川八線の上流の河床に露出するユードロ層の泥岩および砂岩中に, 方解石の網状脈が発達し, 黄鉄鉱が鉱染状に濃集している。 この附近は露出が不良で判然としないが, 小範囲に限られるものであろう。

鉱泉 : 古丹別層中いたるところに冷泉が湧出しているが, 大部分は硫化水素臭のある冷泉で, 黒色の硫化物および淡黄白色の湯華が沈澱している。 これらの冷泉のうち, 大椴子川上流の三角点(299.8 m)北方の塩分の濃度の高い鉱泉, および上記三角点の北東部の谷筋の鉄分を含む炭酸カルシウム泉が特異である。 前者は第2次大戦中附近の住民によって, 塩の不足を補うために利用されたことがある。 後者は古丹別層の礫岩を通して湧出し, 礫岩の露出面に石灰華を沈澱, 成生しつゝあって, その範囲は谷筋に沿って数 10 m に及び, 沈澱物の厚さは最大 1 m に達する。 この石灰華は水酸化鉄を伴なって沈澱し, 鉄錆色を呈している。

文献

引用文献

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前出, p. 712, 1930
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21) 橋本亘 :
前出, p. 11~17, 1950
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23) 対馬坤六・松野久也・山口昇一 :
前出, p. 10, 1954
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参考文献

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2) 佐々保雄 :
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4) 北海道石炭協会 :
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5) 舟橋三男 :
玄武岩の問題, 地球科学.No. 10,p. 1~14, 1953

EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN Scale 1 : 50,000

ONISHIKA

Asahigawa, No. 37

By KONROKU TSUSHIMA, KYŪYA MATSUNO & SHŌICHI YAMAGUCHI (Written in 1955)


Abstract

The quadrangle of the Onishika sheet map is situated in the western coastal region of the central Hokkaid. Through the area mapped, the elevation of the land is not greater than 350 meters above sea level. The alutitude of the southern part of this area, where the Yūdoro formation is distributed, is not exceed 250 meters above sea level, and is less than that of the northern part where the Kotambetsu formation is broadly developed.

GEOLOGY

The area mapped is covered by Neogene and Quaternary rocks which are mostly of sedimentary origin. Their stratigraphic sequence is shown in Table 1.

Table 1

1) Yūdoro formation

This formation consists of fine-grained soft sandstone, dark gray or black-coloured mudstone and conglomerate. From the tributary of the Otodokko-gawa and the Hassen-no-sawa to Jūsansen, there is a zone in which conglomerate and sandstone predominate. The underlying portion below this zone intercalates many thin or lenticular coal-seams, and contains plant fossils such as Comptoniphyllum sp. and Metasequoia japonica ENDO (See Japanese text section II.2.1). The upper portion covering the zone is rich in non-marine molluscs such as Corbicula spp. (See Japanese text section II.2.1).

But, the formation occurring to the southwest of Masago-tunnel fault is slightly differ from above mentioned characters and is of the deposits in a marine environment of shallow water.

This formation is assigned to be middle Miocene in age and is correlative to the Chikubetsu formation in the Haboro coal field.

2) Kotambetsu formation

The Kotambetsu formation covers the Yūdoro formation unconformably. It is divided from the lithologic characters into two parts, the lower and the upper.

The lower part consists of very thick (more than 3,000 meters), cyclic alternation of conglomerate, alternation of sandstone and dark gray mudstone, and dark gray mudstone. The conglomerates range from ten centimeters to 200 meters in thickness and their pebbles are chiefly black slate. The conglomerates contain the contemporaneous boulders of sandstone, mudstone or their alternated blocks, whose diameters sometimes attain to several meters. And this part has a tuff bed, which is 20-30 meters in thickness and is traceable as a good key bed.

The above mentined characters of the sediments indicate that the lower part of the Kotambetsu formation was deposited in the basin which submerge pulsatory.

The upper part is characterized by the rythmic alternation of bluish gray compact mudstone and tuffaceous fine-grained sandstone, and lenticular conglomerate beds which are interbedded in the sandstone. This part attains to 250 - 300 meters in thickness.

The Kotambetsu formation is correlative, from the lithologic characters and the stratigraphical relation, to the Kawabata formation in the Ishikari province and to the Masuporo formation in the northern district of Hokkaidō and is considered to be later Miocene in age.

3) Onishika fossil-shell-bearing formation

This formation overlies the upper part of the Kotambetsu formation conformably. The main component of the formation is tuffaceous sandstone. The sandstore ranges from fine to coarse in grain size and is conglomeratic at some portions of the basal part. The uppermost part is occupied by hard shale bed of 0 - 50 meters thick and hypersthene-augite andesitic agglomerate occurs at the base near the Masago-tunnel.

At the basal part, there is a fossil zone rich in marine molluscan remains which is traceable from the mouth of the Kotodokko-gawa to Masago-tunnel. The fossil fauna collected from this fossil zone are of a shallow marine condition. (see Japanese text section II.2.3).

The Onishika fossil-shell-bearing formation may be the marginal facies of the Wakkanai formation or the Wakkanai hard shale in the northern Teshio province and the Sōya-Wakkanai district.

The agglomerate at the basal part of this formation is considered to be equivalent to the andesite which is widespread in the north-western district of Hokkaidō and occupies the basal part of the Wakkanai and its equivalent formations.

4) Embetsu formation

The Embetsu formation which gradually transforms from the underlying hard shale or tuffaceous sandstone of the Onishika fossil-shell-bearing formation consists of massive bluish gray tuffaceous and diatomaceous mudstone, and is 400 meters in thickness. From the formation exposed at the cliff along the sea coast, marine molluscan fauna are collected (see Japanese text section II.2.4).

The fossil fauna which were collected from the upper part of this formation exposed near Haboro-machi are assumed to be of lower Pliocene age. The Embetsu formation is assigned to be equivalent to the Koitoi formation in the Sōya-Wakkanai district.

5) Dike

The dike of augite-hypersthene andesite exposed on the river floor of the Onne-gawa is intruded into the lower part of the Kotambetsu formation. It is 3 or 4 meters in width and extends about 200 to 250 meters in east-west direction. The rock is pale gray or grayish green in colour and shows amygdaloidal texture.

The dike of olivine-bearing basalt occurs as reefs along the shore line near Onidomari. The rock is compact and black in colour. The dike intruded probably in the latest or post Tertiary age.

6) Coastal terrace deposits

There are two coastal terraces. The higher coastal terrace is 60 - 90 meters above sea level and developed along the sea coast from north of the Obirashibe-gawa to the northern end of this area. The lower coastal terrace can be seen only in the coastal area south of the Obirashibe-gawa.

The coastal terrace deposits are composed of sand, gravel, and clay. They cover horizontally the disturbed Tertiary formations and are considered to be deposited in late Pleistocene age according to their elevations above sea level and degrees of dissections.

7) River terrace deposits

There are several steps of the river terraces whose surfaces are veneered by the terrace deposits composed of sand, gravel, and clay. These deposits were of late Pleistocene age.

Tectonic or crustal movements are classified to three categories from the historical viewpoints.

Post-Yūdoro and pre-Kotambetsu crustal Movement : The Yūdoro formation was disturbed after its deposition and the overlying Kotambetsu formation overlaps unconformably the Yūdoro formation.

Post-Embetsu crustal movement : The crustal movements continued from the beginning of the deposition of the Kotambetsu formation to the deposition of the Embetsu formation are defined as the epeirogenetic movements. In post-Embetsu time, the crustal movements which formed foldings and faultings took place extensively.

Pleistocene upheaval : During the late Pleistocene time, upheavals of the land occurred in this area. These upheavals are represented by two coastal and several rives terraces.

ECONOMIC GEOLOGY

Petroleum : It is known from the early time that the Yūdoro formation has many oil seepages in the Rumoi district. Also in this area, an oil seepage can be seen at Kita-issen in the sandstone of this formation.

Coal : The Yūdoro formation intercalates many thin or lenticular coal seams, but they are of no economic value.

Pyrite : The calcite veinlets and pyrite impregnations crop out on the floor of the upper course of the Hassen-no-sawa. This is not economically important.

Mineral spring : Many mineral springs are present through out the area which is covered by the Kotambetsu formation. Many of them are sulphureous springs. But, calcium spring, which is producing calcareous sinter, and common salt springs are found in the upper course of the Otodokko-gawa.


昭和 31 年 2 月  5 日印刷
昭和 31 年 2 月 10 日発行
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