03010_1964
5万分の1地質図幅説明書
(旭川 第 10 号)
北海道立地下資源調査所
技術吏員 松下勝秀
技術吏員 三谷勝利
技術吏員 石山昭三
技術吏員 小山内煕
北海道開発庁
昭和 39 年 3 月
この調査は、 北海道総合開発の一環である、 地下資源開発のための基本調査として、 北海道に調査を委託し、 道立地下資源調査所において、 実施したものである。
目次 はしがき I. 位置および交通 II. 地形 III. 地質概説 IV. ジュラ系 IV.1 成田沢層 V. 白堊系 V.1 上部蝦夷層群 V.1.1 南の沢層 V.1.2 エコベ川層 V.1.3 カリベツ層 V.2 函渕層群 V.2.1 エタンパック層 VI. 新第三系 VI.1 曲渕層 VI.2 宗谷夾炭層 VI.3 鬼志別層 VI.4 増幌層 VI.5 稚内層 VII. 第四系 VII.1 第1段丘堆積物 VII.2 第2段丘堆積物 VII.3 第3段丘堆積物 VII.4 冲積層 VIII. 火成岩類 VIII.1 蛇紋岩 VIII.2 玄武岩 IX. 地質構造 IX.1 白堊系の地質構造 IX.2 新第三系の地質構造 X. 地史 X.1 ジュラ系 X.2 白亜系 X.3 新第三系 X.4 第四系 XI. 応用地質 XI.1 石炭 XI.2 割砂利・山砂利 引用文献 Résumé (in English)
5万分の1地質図幅説明書
(旭川 第 10 号)
この図幅説明書は, 昭和 35 年から同 37 年までの間約 270 日を費しておこなった野外調査の結果を, 取まとめたものである。
野外調査に当たっては, 次のとおり, 地域を分担して行なった。
| 鬼志別川流域 | 三谷・石山 |
| エコベ川流域 | |
| 猿骨川流域 | 松下・小山内・三谷 |
| カリベツ川流域 | |
| 猿払川流域 | 松下・石山 |
| 第四系分布地域 | 松下・石山・小山内 |
このほか, 野外調査には, 北海道大学教養学部地学教室 中村耕二氏の協力をうけた。
この説明書の取りまとめに当たっては, 北海道開発局 北川芳男氏からいろいろと御教示をいただいた。 また, 北海道立地下資源調査所 高橋功二氏には, 白堊紀産出の化石を鑑定していただき, 鈴木守氏には岩石の顕微鏡観察をしていただいた。 さらに, 北拓小石炭砿および藤田小石炭砿からは, 石炭に関する資料をいただいた。 その他, 野外調査に際して, 地元 猿払村役場の各位から御協力をいただいた。 これらの方々に厚く御礼申し上げる。
この図幅は, 北海道北部に位置していて, 東経 142°~142°15' および北緯 45°10'~45°20' にわたる地域である。
行政区画については, 図幅地域の大部分は宗谷郡 猿払 村に属しているが, そのほかに, 南東隅は 枝幸 郡浜頓別町, 南西隅は 天塩 郡 豊富 町そして西部は稚内市の行政区画に, それぞれふくまれている。
交通は, 音威子府 から浜頓別をへて稚内にいたる国鉄 天北線が, 図幅内の東部から北部にかけて通じている。 また, 2級国道 238 号線が海岸線にそって通じている。 さらに, 浜鬼志別から稚内にいたる道道が, 小石から約 2 km のところまで通じている。 また, 各主要河川流域の下流から中流地域までは, 林道が開通している。 このほか, 芦野および猿払の西方台地上には, 開拓農家が点在していて農道および開発農道が通じている。
この地域の地形は大きく三つにわけられる。 すなわち, 図幅西半部地域の山地域, 東半部の丘陵地域および主要河川流域の低地帯である。 山地域はなだらかな起伏をもった地形を呈しており, 最高標高点は 313.2 m である。 なお, 猿払村と稚内市および豊富町とは, 北見山脈の北方延長山地で境界している。
丘陵地域はさらに二つにわけられる。 その一つは, 海岸から 6~7 km の間で, 標高が 20 m から 40 m まで上る, 海岸方向にゆるく傾斜した平坦な地形面である。 これは第3段丘の分布地域である。 また, この西部には, 標高が 40 m から 80 m にわたるやや侵蝕作用をうけた台地がある。 これは, 第2段丘の分布地域に相当している。
低地は, 主要河川の中・下流域に発達し, その大部分は冲積層の湿地である。 ここには, ポロ沼, キモマ沼, 瓢箪沼など大小の湖沼が分布している。
浜猿払から南東の海岸線にそっては, 砂丘が発達している。
この地域の主要河川は, 西南西から東北東方向にほぼ平行に流れている。 それらは, 北から, 鬼志別川, 猿骨 川およびその支流のエコベ川, カリベツ川および猿払川である。 いずれも, 宗谷地方を東西に二分している脊陵山地にその源を発し, オホーツク海にそそいでいる。 これらの河川の流路は, 上流から下流までいちじるしく蛇行している。 カリベツ川中流地域のように, 河川改修工事で改良された部分もあるが, 猿骨川, 猿払川などでは, 振幅数 100 m にも達する蛇行がみられる。 このようなことからもわかるように, 一般に河川勾配はゆるく, 下流地域では, 数 10 cm / 1 km ていどの低勾配の部分が多い。
この地域は, 天北炭田のほぼ中央部に位置し, 分布する地質系統は第 2 図にしめしたように, 下位から, ジュラ系, 白堊系, 新第三系および第四系である。
ジュラ系は, 蛇紋岩とともに, 図幅南部地域にわずかに分布している。 これは, 神居古潭帯の最北端の分布である。
白堊系は, 大局的にみると, 東部に下位層, 西部に上位層が発達しており, 新第三系や第四系の基盤として広く分布している。 これらの白堊系は, 上部蝦夷層群と函渕層群に相当する地層である。 上部蝦夷層群は, 下部と上部は, 泥質岩相の卓越した地層であり, 中部に粗粒岩相をはさんでいる。 また, 函渕層群は, 粗粒岩相の卓越した地層で構成されている。
新第三系は, 岩相上, 下位から, 曲渕層, 宗谷夾炭層, 鬼志別層, 増幌層および稚内層に区分される。 曲渕層は, カリベツ川中流付近から北の地域に発達している。 また, 稚内層は, 図幅地域の南東部で, 第四系の基盤として分布している。
宗谷夾炭層をのぞく各地層は, 海成ないし貧海成の累層であって, 粗粒岩相が卓越している。 宗谷夾炭層は, 非海成の堆積層であって, 数枚の石炭層を介在している。 稚内層は, おもに硬質頁岩で構成されている。
第四系には, 3段の段丘堆積物, 冲積層および砂丘がある。
この地域に分布する火成岩は, 蛇紋岩と玄武岩だけである。
猿払川の南側の地域, 成田沢上流部にわずかに分布する。
岩相は, おもに帯褐暗灰色の中粒砂岩から構成されており, 部分的に黒色頁岩をはさんでいる。 この砂岩は, 珪質で硬く, 塊状である。 また頁岩も, 上部蝦夷層群の頁岩と比較するといちじるしく硬質である。
この成田沢層は, 南に隣接する上猿払図幅内の空知層群の Sr2 に相当するものと思われるが, 露出状態が悪いために, 詳しい層序はわからない。 なお, この地層は, 道央地域で主夕張層とよばれているものの一部の地層に, 相当するものと思われる。
この地層は, 南東に傾いた単斜構造をとっており, 蛇紋岩および白堊系とは断層で接していると思われる。
層厚は, 300 m 以上と推定される。
この図幅地域には, 上部蝦夷層群と函渕層群に相当する地層があり, 図幅地域の中央部から西部にかけて広く発達している。 上部蝦夷層群は, 岩相上 四つの累層に区分できる。
図幅地域に発達する白堊系の最下位をしめる地層であって, カリベツ川中流の南の沢付近に模式的に発達している。 このほか, 豊里から鬼志別にかけての地域にも分布している。
南の沢からポロナイ川にかけての地域には, N 70°~80°E 方向の褶曲軸をもつ向斜構造があり, この地層はその両翼に分布している。 カリベツ川から北の地域では, 一般に N 20°~30°E の走向をしめし, 小さな褶曲や断層で複雑な構造をとっている。 豊里から鬼志別にかけての地域では, N 20°E・25°NE の走向傾斜をしめし, 単斜構造を形成している。 以上のように, 一般に NE 方向の構造が多いが, 南の沢上流の一部や猿骨川の北側支流地域に, NW 方向の構造がみられる。
この地層の下限は不明であるが, 上位のエコベ川層とは整合漸移する。
岩相は, おもに暗灰色のシルト岩で構成されている。 そして全層にわたり, 薄い凝灰岩層を介在している。 シルト岩は, 2~3 cm で板状に剥理し, 風化すると細く砕けやすい。 凝灰岩は, 白色を呈しており, 露頭では, ほとんどの場合 粘土化している。
この地層からは, Eupachydiscus haradai (JIMBO), Inoceramus ezoensis YOKOYAMA, Ino. Sp. などの化石を産出する。
この地層は, 岩層および産出化石から, 知来別 図幅の桃尻層~時前層, 天塩中川図幅の 西知良志内 層, 上猿払図幅の U1~U3 などの各層に対比される。
層厚は, 700 m 以上と推定される。
この地層は, 豊里附近に模式的に発達している。 そのほか, 南の沢とポロナイ川との分水嶺, カリベツ川から猿骨川にかけての地域および鬼志別川中流地域などにも分布している。
下位の南の沢層とは整合漸移し, 構造もまったく同じである。
岩相は, おもに緑色砂岩から構成されていて, この地域では特徴的な地層である。 この砂岩は, 一般的には中粒~粗粒であって, 板状の層理が発達している。 しかし, 北部の鬼志別川の中流地域では, 塊状の岩相をもったものがみとめられる。 また, 一部の地域では, 砂岩中に黒雲母片を多量にふくんでいる岩相がみとめられた。
化石は, ところによって, Inocerami の破片がはき溜め状にふくまれているが, 保存が不良で鑑定できなかった。
この地層は, 岩相上, 知来別図幅の 泊内 層, 天塩中川図幅の大曲層などに対比される。
層厚は, 200 m 前後である。この地域で, もっとも広い分布をしめす地層である。 猿払川以南地域, カリベツ川上流地域, 猿骨川上流地域およびエコベ川から小石にかけての各地域に分布している。
下位のエコベ川層とは整合漸移である。
この地層の構造は, 小石からカリベツ川にかけての地域では, ほぼ南北性の走向で西に傾いた, 単斜構造をしめしている。 しかし, 局部的には小褶曲が発達している。 また, カリベツ川上流地域では, 比較的ゆるやかな盆状構造やドーム状構造が発達している。
岩相は, おもに厚い泥質岩相から構成されている。 下部は, 細粒砂岩と頁岩の薄互層岩相が発達している。 この互層岩相は, 下部では砂岩が多く, 上部では泥質岩相が多くなり, 岩質も頁岩からシルト岩にかわる。 この上位には, シルト岩を主体とする単調な岩相が厚く発達している。 この層準には, 白色凝灰岩の薄層がひんぱんに介在されている。 この凝灰岩の層厚は, 一般に 2~3 cm 位であるが, まれに,30 cm~数 m 位のものもみとめられる。 この地層の上部は, おもに砂質シルト岩により構成されている。 この砂質シルト岩には, 数 m の層厚をもつ細粒砂岩層や, 不規則な形をした砂岩層などが, ふくまれている。 この地層の下部の互層岩相をのぞいて, 泥質岩相の卓越する層準では, 風化すると玉葱状にはげる性質が特徴的である。
この地層の中部および下部には, Inoceramus ezoensis YOKOYAMA および, Ino. sp. を産する。 そのほか, Inocerami の破片が多くみとめられる。
この地層は, 岩相上, 知来別図幅の 苗太路 層, 大岬 層および尾蘭内層の各層に, 天塩中川図幅のオソウシナイ層にそれぞれ相当する。
層厚は, 1,000 m 前後と推定される。
この地層は, 図幅地域内の白堊系の最上部をしめる地層であって, エタンパック山周辺地域に, 模式的に広く分布している。 そのほか, エコベ川上流地域およびカリベツ川上流地域にも分布している。
この地層は, エタンパック山周辺地域では, 南北性の褶曲軸をもって比較的ゆるやかに傾斜した, 舟底構造をしめしている。 また, エコベ川上流地域では, N 5°~10°W・20°NE の走向・傾斜をしめしており, 舟底構造の西翼部となっている。
岩相は, おもに, 細粒~中粒砂岩により構成されている。 一般に下部は板状砂岩が発達し, 間に暗灰色砂質シルト岩を介在している。 上部は, 比較的塊状の産状をしめす中粒~粗粒砂岩が発達している。
この地層は, 下位のカリベツ層とは, 整合関係にあり, 砂岩が卓越するところから本層とした。
この地層の下部に, Neopylloceras sp. を産する。
この地層は, 産出化石ならびに岩相上, 宗谷および宗谷岬図幅のイチャンナイ層に相当する [ 以下の [注] 参照 ] 。
層厚は, 400 m 以上推定できる。
この地域に発達する新第三系は, 下位から, 曲淵層, 宗谷夾炭層, 鬼志別層, 増幌層および稚内層にわけられる。 これらのうちで, 宗谷夾炭層のほかは, いずれも海成の堆積物である。 宗谷夾炭層は, 非海成の堆積物であって, 石炭層を介在している。
この地層は, 新第三系の最下部をしめる海成層であって, 小石付近から猿骨川上流にかけての地域, およびカリベツ川中流地域に分布している。 しかし, カリベツ川上流地域やポロナイ川上流地域などでは, 欠除している。
この地層は, 下位の白堊系とは, 一般にほぼ平行不整合関係をもって接しており, 接触状態は, 小石付近の道路の崖で観察できる。
岩相は, 砂岩, 礫質砂岩, 凝灰岩, 頁岩などから構成されている。 砂岩は, 暗緑色を呈しており, 粗粒~中粒の岩相であって, かなり凝灰質である。 部分的に, 細礫をふくむ岩相もみとめられる。 凝灰岩は, 一般に南部に多く, カリベツ川中流地域では, 層厚 30 cm の白色凝灰岩が下部層準にみとめられる。 北部地域では, この凝灰岩は, 凝灰質砂岩に移化しているようである。
知来別図幅では, この地層から産出した海棲動物化石が報告されているが, この地域では, 化石はみとめられなかった。
層厚は, 100~50 m と推定される。
この地層は, 天北炭田地域の唯一の含炭層である。 分布は, 小石西方からエコベ川上流地域を通り, 猿骨川上流地域に連続する地域, カリベツ川中流地域, およびカリベツ川上流の初出沢, 日暮沢からポロナイ川にかけての地域などである。 そのほか, 猿骨川中流地域では, 断層にはさまれてわずかに分布している。
この地層は, 下位の曲淵層とは不整合関係で接している。
岩相は, 砂岩にとむ砂質泥岩および泥岩の互層から構成されていて, 石炭層および凝灰岩層を介在している。 基底部には, 赤色や緑色のチャートの細礫を多くふくんだ細粒礫岩が発達している。 砂岩は, 一般に灰白色の中粒砂岩で, 凝灰質である。 層厚は 1 m 前後で, 板状の部分が多い。 泥岩は, 一般に淡灰色で, 塊状である。 また, 石炭層の上下盤や, 炭層中のはさみなどでは, チョコレート色をした頁岩状の岩相をしめしている。 凝灰岩は, 石炭層中に介在しているものは, 5~7 cm 位の層厚のものが多いが, ときには, 30 cm 以上のものを介在していることもある。 また, この地層の中部には, 1 m 前後の, 厚い凝灰岩層がみとめられる。 石炭層は, 小石地域で 10 層, 猿骨川上流地域で 4~5 層, カリベツ川中流地域で 6 層, 初出沢および日暮沢地域で 4~6 層みとめられる。 石炭層の層厚は, 60 cm~3 m である。
層厚は, 300~400 m と推定される。
この地層は, 宗谷夾炭層の上に累重している海成の地層である。 分布は, 小石の西方地域, エコベ川の上流地域, カリベツ川の中流地域, 日暮沢からポロナイ川にかけての地域などである。
下位の宗谷夾炭層とは, 基底礫岩をもって接しており, 緩傾斜の不整合関係をしめしている。
岩相は, 全層を通じて, 砂岩の卓越した累層から構成されている。 基底部には, 薄い礫岩層が発達している。 砂岩は, 淘汰がわるく, 塊状の産状をしめす中粒~細粒砂岩である。
砂岩中には, 次のような海棲介化石を産する。
層厚は, 50~200 m と推定される。
この地層は, 日暮沢からポロナイ川上流にかけての地域や, カリベツ川中流地域の向斜構造の中核部に分布している。 また, 小石の西方地域でも, 盆状構造の中核部に点々と分布している。 この北方延長に当る図幅北西隅では, 断層で乱されてはいるが, 南北性の向斜構造の中核として分布している。
下位の鬼志別層とは, 整合関係にあり, 暗緑色の凝灰質粗粒砂岩をもって接している。
岩相は, 礫岩, 砂岩および泥岩などから構成されている。 礫岩は, チャート, 粘板岩, 砂岩, 緑色岩などの古期岩類の礫を多量にふくんでいる。 白堊系および第三系から由来したと思われる礫は, ひじょうに少ない。 まれに, 花崗岩質岩の礫もみとめられる。 一般に淘汰が悪く, 細礫から巨礫まである。 砂岩は, 暗灰色の中粒~粗粒砂岩であって, 礫岩や泥岩と不規則に入り組んだ堆積層をしめしている。 なお, 基底部には, 暗緑色を呈した凝灰質粗粒砂岩が発達している。 この地層は, 全層を通じて, 砂岩, 泥岩, 礫岩などの不規則互層や, 乱堆積状岩相をして累重している。 そして, ところどころに, 砂岩と泥岩の薄い互層岩相をはさんでいる。
この地層の上限は不明であるが, 層厚は 500 m 以上と推定される。
この地層は, 浅茅野 から上猿払に通ずる道路ぞいの浅茅野から約 3 km の地点で, 段丘堆積物の基盤として発達している。 露頭では, 成層した岩盤はみられない。 硬質頁岩がガレ状になって分布している。 この南方延長部に当る上猿払図幅内の安別周辺でみられる稚内層の状態からみて, この地域まで, 分布が延長していると考えられる。 以上のような分布状態なので, 下位層との関係や層厚などは不明である。
この地域に分布する第四系は, 第1段丘堆積物, 第2段丘堆積物, 第3段丘堆積物および冲積層にわけられる。
分布は, 猿払川と成田沢にかこまれた地域にかぎられている。 この付近には, 標高 80 m~100 m の定高性をしめす, なだらかな地形が発達している。 かなり開析されていて, 堆積物の様相は明らかでない。 この付近で, チャート, 粘板岩などの古期岩類の円礫が土壌中に混入している。 これはおそらく, 前記のような地形から判断して, 段丘堆積物が侵蝕され, その残存が土壌中に混入したものと考えられる。
この地域で, 海岸線から約 6~7 km 内陸にはいると, 標高 40~80 m のほぼ平坦な地形が発達している。 この台地は, 第2段丘堆積物で構成されていて, 猿払川流域では内陸に入り込むが, 幅 5~10 km で海岸線にほぼ平行に分布している。
堆積物は, 粘土, 礫および砂などから構成されている。 堆積物の構成, 量比などは場所によりかなり差異があるようである。 一般に粘土層が厚く発達している。 この粘土層には, 植物片, 褐鉄鉱の破片や 高師子僧 [ 以下の [注] 参照 ] などがふくまれている。 これは, エコベ川から猿骨川に通ずる農道の切り割りで観察される。
しかし, カリベツ川中流地域では, 礫層を主体とする堆積相をしめしている。 礫は, コブシ大より小さいものが多いが, まれに, 人頭大のものもみとめられる。 一般に亜円~亜角礫が多く, 淘汰が悪い。 礫種は, 白堊系および新第三系に由来するものは大礫に多く, 細粒の礫は古期岩類が多い。
層厚は, 少なくとも 40~50 m と推定される。
この地域の海岸線から第2段丘の分布している地域までの間には, 標高 20~40 m の平坦な台地がある。 この台地は, 第3段丘堆積物で構成されていて, 海浜や冲積面との間に, 顕著な段丘崖を形成している。 この堆積物は, 内陸側で薄く, 海岸側で厚いようである。
堆積物の構成は, おもに, 砂および礫より成り立っていて, 粘土および火山灰をわずかに介在している。 砂は, 粗砂から細砂にわたり, 細砂のほうが淘汰がよく, また均質である。 粗砂は礫をふくむ場合が多く, 偽層の発達がいちじるしい。 また, 細砂~中砂では, 一般に透明鉱物の鉱物片が多量にふくまれている。 粗粒になるにつれて, 岩石片が多くなる傾向にある。
礫は, 米粒大の細礫が多く, まれにコブシ大 位の礫もふくまれている。 礫種は古期岩類の粘板岩, 珪岩, チャートおよび砂岩などが多く, 扁平な円礫が多い。 このような礫の形態は, 現在の海浜砂礫によくにている。
粘土層は, 局部的に発達しているようであって, 一般にシルト質である [ 以下の [注] 参照 ] 。
火山灰 [ 以下の [注] 参照 ] 層は, 数 cm~10 cm 位の層厚のものが数枚みとめられる。
この段丘堆積物は, 内陸側で 5~10 m, 海岸近くでは 20 m 以上の層厚で発達している。
以上の砂礫層の最上位には, 淡橙色~褐橙色を呈する粘土層が分布している。 一般に段丘崖では, この粘土層は削剥されていて存在しないが, 台地の中央部では 100~150 cm の層厚に達する。 この粘土層は第2段丘もおおっている。 これは, ローム質のものであって, 洪積期末~冲積初期の火山作用によるものと考えられる。
冲積層は, 海岸砂丘, 泥炭, 粘土などから構成されている。
海岸砂丘は, 浜猿払以南の海岸に分布していて, この地域では明らかでないが, さらに南下すると, 2列にわかれているようである。 この砂丘は, 細礫~粗砂から構成されている。
各主要河川の下流域には, 広い泥炭地が発達している。 これは, 第3段丘堆積後の海退で侵蝕された旧河川流域や入江などが, 海面上昇によって停滞水域となり, 泥炭に埋積されて形成されたものである。 現在, 海岸付近に分布する湖沼はその名残りである。
また, 主要河川の上流域の冲積層は, 河床氾濫原の堆積物であって, 背後地を構成している堆積岩の礫で構成されている。 しかし, 中流地域では, 粘土層がいちじるしく発達している。
蛇紋岩は, 猿払川以南の地域で南北方向に細長く分布している。 この蛇紋岩は, 北海道における蛇紋岩の分布の北限をしめしている。 この地域では, 周囲のジュラ系や白堊系の堆積岩との接触関係は未詳であるが, この岩体の南方延長部に当る上猿払図幅地域内では, 空知層群, 蝦夷層群および函渕層群を貫ぬいているといわれている。
この地域に分布する蛇紋岩は, 暗緑色を呈し, 一般に葉片状のものが多い。 この中には, 局部的に塊状のものがふくまれている。
また, この付近で, 微閃緑岩の転石が多くみとめられるが, おそらく岩脈として蛇紋岩を貫ぬいていると考えられる。 また, 蛇紋岩中には, ロジン岩様岩の捕獲岩がみとめられた。
カリベツ川上流地域や, ポロナイ川上流地域には, 玄武岩の岩脈が数ヵ所みとめられる。 この地域では, この玄武岩は, 宗谷夾炭層を貫ぬいている。 隣接地域で, 増幌層を貫ぬいている玄武岩が報告されているが, この地域のものも, 同系統のものと考えられる。
この玄武岩は, 露頭では, 暗灰色~黒褐色を呈し, やや粗粒であって, 風化すると玉葱状にはげる構造をしめしている。 しかし一部には, 細粒で, 堅硬ち密な岩相をしめすところもみとめられる。
鏡下では, サブオフィティック構造をしめしている。 普通輝石, 紫蘇輝石, 斜長石およびかんらん石などが, 斑晶としてみとめられる。 そのほか緑泥石化した鉱物もみとめられる。
地質の項でのべたごとく, この地域の南東部に分布するジュラ系および蛇紋岩は, 北海道中央地域で, 神居古潭帯の主体をなしているものの最北端の分布地域である。 したがって, この地域の北海道における累帯構造上の位置は, 神居古潭帯の西翼部をしめるものが大部分である。 一部 東翼部もみとめられる。 これは, 新第三紀層にも反映していて, 西翼部には, 曲淵層から増幌層までの堆積がみとめられるが, 東翼部では, それを欠いて, 稚内層だけが分布している。
この地域の白堊系の地質構造には, 第 10 図でわかるように, いくつかの特徴的なことがみとめられる。 すなわち, 小石付近から, ほぼ南北に走る断層を境いにして, その東西で, 構造的差異がみとめられる。 この断層を, カリベツ断層と呼ぶ。 カリベツ断層の東の地域には, N 30°~70°E 方向の褶曲構造が発達している。 すなわち, カリベツ川からポロナイ川にかけての地域, 猿骨川中流地域および鬼志別地域は向斜構造がみられる。 また, カリベツ川中流地域およびエコベ川地域に, 背斜構造がみとめられる。 これらの傾斜は, 一般に 40°~55°位である。 同傾向の小断層も発達している。 しかし, このような褶曲構造は, NW 性の断層で, 大きく転位させられているところが多い。 これは, ポロナイ川の支流地域, エコベ川地域などのように, N 20°~30°W・SW 35°~55°の走向・傾斜をしめす部分である。
カリベツ断層の西側の地域は, 一般に南北性の断層, 褶曲などで特徴付けられる。 全体的にみれば, エタンパック層の分布地域が, 向斜構造の底である。 したがって, 断層で乱されてはいるが, 一つの複向斜構造を形成している。 ここには, 新第三系の分布地域を中心に, いくつかの向斜構造が発達している。 これは, あとにのべる新第三系の褶曲構造を決定した動きによっても, 促進された面はあるけれども, 新第三系堆積前から褶曲構造の向斜部に当っていたと考えられる。
西部地域は, 東部地域に比較して, 緩傾斜の褶曲構造が発達している。 傾斜は, 20°~40°位である。 このような褶曲構造は, NW 性の断層で, 変形転位している。
新第三系は, 各分布地域がそれぞれ向斜構造をしめしている。 日暮沢 - ポロナイ川地域では, 南に沈む舟底状構造をしめしている。 この中核部の増幌層分布地域では, 複向斜的な様相を呈している。 傾斜は, 一般に 30°~50°である。 この舟底状構造の北部には NE 性の胴切り断層がみられる。 この向斜構造では, 西翼部は, 単純であるが, 東翼部では, 急傾斜の小褶曲がみられる。 同じこの地域でも, 初出沢流域では, 南北性の走向をしめすものが多く, 分布している層序などから, 南北性の小褶曲が何回かくり返されているようである。
カリベツ川中流地域の新第三系の構造も, 南にわずか沈む舟底状構造をしめしている。 ここでは, 基盤の白堊系の構造と, やや斜交した構造をしめしている。 傾斜は, 30°~40°位で, 分布の南端に EW 性の胴切り断層がみられる。
猿骨川から, エコベ川南支流にかけては, 北に沈む舟底状構造がみられる。 傾斜は, 10°~20°位のものが多く, とくに, 南部では, 10°以内の緩傾斜のところが多い。 この地域では, 褶曲軸に斜交する NW 性および NE 性の断層が発達している。 この北方延長部の鬼志別川本流地域では, 南北に伸びる盆状構造を呈している。 この付近では, 傾斜は 20°~40°と, 若干急傾斜をしめしている。 図幅の北西隅には, N 20°W 方向の向斜構造が, 2帯みとめられる。 西側の向斜構造の中核部には鬼志別層が分布している。 両翼の宗谷夾炭層の傾斜は, 一般に 20°前後であるが, 軸心部では, 底の浅い皿状構造をしめしている。 東側の向斜構造では, 中核部が増幌層, 鬼志別などから構成されている。 この付近では, NS~N 30°W 方向の断層が発達していて, 多数の小向斜, 小背斜をともなう波状褶曲がみとめられる。
以上のべてきたことから, この地域の地史を推定することができる。
成田沢層の堆積は, 輝緑凝灰岩を主体とする, いわゆる緑色岩類の噴出につづく浅海性の堆積相である。 この地層の岩相が, 全体的に珪質なのは, 緑色岩の噴出にともなう海水の状態の変化に関係があると思われる。
泥質の岩相で特徴付けられる, 南の沢層の堆積時代は, 前半は, 比較的静かな堆積の時代であったと思われる。 この時代の後半は, エコベ川層に引きつづく時代として, 上昇・沈降のくり返された時代である。 この時期には, 火山作用が全期にわたって活動していた。 エコベ川層の堆積時は, 浅海の堆積相をしめしている。 これは, 供給源が変化したことにより, 物質の供給量がいちじるしく増大したためと推定される。
カリベツ層の堆積時代は, ふたたび沈降運動に転化した。 この時期は, 南の沢層堆積時代と同じように, 火山活動による降灰が全時期にわたってみられる。
エタンパツ層の堆積時代は, 全般的に不安定な浅海となった。 これは, 函淵層群全体を通じていえることであるが, 堆積物を供給する背後地域の急激な隆起によって, 粗粒物の供給が増大した。 このために, 厚層の砂岩および局部的な礫質相の堆積がおこなわれた。
白堊系堆積後, この地域は隆起して陸域にあったが, 中新世中期になり, ふたたび沈降して海域になった。
曲淵層の堆積時代は, 比較的静かな浅海性の環境にあった。 この海は, 図幅の南西部までは達しなかったらしい。 これは, この時期にみられる火山活動による降灰が, 南部になると, 陸成的要素をふくんでくることからも推定される。
曲淵層堆積後, この地域はしだいに陸化し, 石炭層を形成するような, 陸成の堆積環境に変化した。 この地域では, このような環境がながくつづき, 10 数枚の石炭層を形成した。
このような陸成堆積物を堆積する環境につづいて, ほとんど天北炭田全域におよぶような, 沈降があった。 この時期に, 砂岩を主体とする鬼志別層が堆積した。
鬼志別層の堆積後, この地域は, かなり不安定な堆積環境に変化した。 これが増幌層堆積の時代である。 この時期には, いわゆる乱堆積相といわれる, 厚い異常堆積相が形成された。
増幌層の堆積後, 天北炭田地域では, 新第三系のいくつかの地層が堆積した。 この地域では, 稚内層を堆積させる海域が, 南東部まで入り込んだこと以外は明らかでない。
第1段丘堆積時の地史は, 分布地域がせまいために明らかでない。
第2段丘堆積時には, 少なくとも, 現在の海水準より 80 m 位の海面の上昇があったと考えられる。 この時期には, 異常に厚い粘土層を堆積させるような, 静かな沈降性の環境にあった。 しかし局部的には, 亜角礫をともなうような, 氾濫原あるいは扇状地的な堆積相が発達した。
第2段丘堆積後の海退で, 侵蝕がおこなわれ, ふたたび第3段丘を形成する海侵がおこなわれた。 これは, 現在の海水準よりも, 40 m 位のところまでおこなわれた。 偽層が発達していることや, 堆積物に古期岩類の砂礫がひじょうに多量にふくまれていることなどから, 第2段丘形成時とは, かなり異った運搬形態ならびに運搬経路をもつ海域であったらしい。
冲積期にはいり, 第3段丘堆積後の海退で侵蝕された低地帯を, 泥炭が埋積した。 その名残りとして, 現在海岸付近に, いくつかの湖沼がみとめられる。 また, 汀線付近には砂丘が発達した。
この地域の地下資源は, 宗谷夾炭層にふくまれている石炭が主なものである。 このほかに, 割砂利, 山砂利などがある。 また, 成田沢上流地域で, かつて砂金を掘ったことがあるといわれているが, くわしいことはわからない。
宗谷夾炭層中にふくまれている炭層数は, 4~10 層に達する。 図幅地域の北部では, 炭層の枚数が多いが, 中央部や南部では, 炭層の枚数の発達が悪いようである。
この地域では, 炭層は 10 層あるが, このうち, 稼行の可能なものは, 5層~3層である。 現在, 北拓小石炭砿および藤田小石炭砿があり, 稼行している。
北拓小石炭砿は, 小石の西南方約 2 km のところにある。 この付近で, 稼行対象となる炭層は 4 層である。 これらの炭層柱状は, 第 11 図にしめしたとおりである。 現在 稼行しているのは, 1番層であって, 炭丈・山丈は 187・223 である。 発熱量は, 4,000~4,240 kcal / kg である。 各炭層別の分析値は, 第1表にしめしたとおりである。
| 炭層名 | 水分(%) | 灰分(%) | 揮発分(%) | 固定炭素(%) | 発熱量(kcal / kg) |
| 1番層 | 15.2 | 21.4 | 33.9 | 29.6 | 4,240 |
| 2番層 | 15.5 | 23.3 | 33.8 | 27.4 | 4,060 |
| 3番層 | 14.3 | 22.6 | 36.1 | 27.0 | 4,170 |
藤田小石炭砿は, 小石 西北方約 4 kmのところにある。
ここでは, 上層, 本層および下層と3枚の炭層があり, 現在, 本層を稼行している。 本層の炭層柱状は, 第 12 図にしめしたとおりである。 炭丈・山丈は, 258・294 である。 発熱量は, 4,200~4,300 kcal / kg である。 本層の分析値は, 第 2 表にしめしたとおりである。
| 炭質 | 水分(%) | 灰分(%) | 揮発分(%) | 固定炭素(%) | 発熱量(kcal / kg) |
| 特塊 | 20.0 | 9.2 | 37.5 | 35.0 | 5,100 |
| 特中塊 | 20.1 | 10.5 | 35.8 | 34.6 | 5,000 |
| 一中粉 | 19.5 | 18.6 | 31.6 | 30.3 | 4,350 |
この付近では, 4枚の炭層がみとめられる。 下位の3層は, 炭丈があまり厚くなく, 100 cm 前後であるが, 最上位は 200 に達する。
芦野 [ 北見線 芦野駅 ? ] から約 12 km のところで, 北海道開発株式会社が採炭に着手している。 調査当時は, まだ, 本格的な操業にはいっていなかった。 ここでは, 最上位層を稼行対象にしている。 この付近は, 向斜構造の軸部に当たるために, ひじょうに緩傾斜で炭層が発達している。 当時, 西翼部において, 露天採掘をおこなっていた。 かつて, 下位の炭層を対象に坑道採掘をおこなったらしいが, 現在は, 坑道がつぶれていて, くわしいことはわからない。 露天採掘地点の炭層柱状は, 第 13 図のとおりである。
この地域の石炭については, すでに, 詳細な調査報告が出されている [ 以下の [注] 参照 ] 。
この付近では, 6枚の炭層が発達していて, 向斜構造の両翼で追跡されている。 各炭層は, 南部でよく発達し, 北部で貧化しているようである。 炭質および層厚などが比較的安定しているのは, 5番層である。 カリベツ川ぞいでみられる各炭層の炭層柱状は, 第 14 図のとおりである。 発熱量は, 3,500~5,200 kcal / kg である。 かつて, 宗谷猿払炭砿が, この西翼部で, 一時稼行したことである。
この地域には, 構造的に異った二つの分布で発達している。 すなわち, 日暮沢からポロナイ川にかけて発達する N 20°W 方向の向斜構造の西翼に分布するものと, 南北性の褶曲構造をしめす初出沢流域のものとがある。 両者とも, 4~5層の岩層が発達している。
日暮沢およびカリベツ川上流では, 一般に, 下位炭層より上位炭層のほうが, 炭層の発達がいちじるしい。 すなわち, 下位炭層では, 層厚 100 cm 位であるが, 上位では, 層厚 200~300 cm に達する。
初出沢流域では, 褶曲構造が, 断層で乱れていて, 露出している各炭層の上下関係は明らかでない。 石炭層厚は, 100~300 cm に達している。
以上のように, 図幅地域内には, 稼行可能な炭層が発達しているが, 北部で一部稼行されているほか, 未開発である。 とくに中央部および南部地域では, 搬出が問題となるであろう。
この地域で, 割砂利の対象となるような岩質のものに, 玄武岩岩脈およびエコベ川層の砂岩などがある。 しかし, いずれも, 各河川の中・上流地域にあるため, 利用は, 分布地域の周辺にかぎられるであろう。
このほか, 第3段丘堆積物の砂礫が, 道路の敷バラスとして利用されている。 この砂礫層は, 海岸ぞいの地域に広く発達している。 河砂利がほとんどないこの地方としては, この砂礫の大規模な利用を考えるべきであろう。
EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN Scale 1 : 50,000
(Asahigawa - 10)
By Katsuhide Matsushita, katsutoshi Mitani, Shōzō Ishiyama and Hiroshi Osanai (Geological Survey of Hokkaidō)
The area of this sheet map covering from latitude 45°10' to 45°20' N and from longitude 140° to 142°15' E, is situated in the northern part of Hokkaidō. Roughly speaking, it covers the center of the so-called Tenpoku coal field.
From the topographical view point, the map area is divisible into the following provinces. The coast area, extending along the sea coast with an 8 to 10 kilometers width, shows a gentle hilly landform ranging from 20 to 80 meters in altitude. The inland area behind the above mentioned coast area is a mountain land with an altitude of 100 to 3 00 meters above sea level. But the mountains in this area, showing a rather low relief, are not so steep as it is understood from the fact that the highest point attains only a 313.2 meters height. Main streams flow from WSW to ENE, along which low swampy lands are developed.
Geologic formations in this map area are shown in Table 1, of which an outline is described below in ascending order.
| Quartenary |
Alluvial deposits
The 3rd. terrace deposits The 2nd. Terrace deposits The 1st. Terrace deposits |
| Neogene Tertiary |
Wakkanai formation
Masuporo formation
Onishibetsu formation Sōya coal bearing formation Magaribuchi formation |
| Cretaceous |
Etanpakku formation
Karibetsu formation Ekobegawa formation Minaminosawa formation |
| Jurassic | Naritazawa formation |
The Naritazawa formation occurs in the southeastern part of the map area, though it is very limited in extent. Its lithology is characterized by aboundant siliceous sandstone. The data obtained in the area of the neighbouring sheet map suggest that it belongs probably to the Sorachi group.
The Cretaceous formations in this area belong to the Upper Yezo group and the Hakobuchi group, and are conformable with each other.
The Minaminosawa formation is developed in the central part of this map area. It is composed mainly of dark grey siltstone. Many thin layers of greyish white tuff are intercalated. Calcareous nodules are contained, in which fossils of "Eupachydiscus haradai (JIMBO)" are discovered. "Inoceramus sp." is also known from this formation.
The Ekobegawa formation, consisting mainly of greenish dark grey medium to coarse grained sandstone, is developed also in the central area as is the case of the Minaminosawa formation.
The Karibetsu formation is developed extensively in the central part of the map area. It consists mainly of argilaceous rocks, though sandy facies is intercalated in several horizones of the lower and the upper parts. "Inoceramus sp." occurs in the argilaceous facies.
The Etanpakku formation is found developed in the western part of the map area. It is composed mainly of fine sandstone, calcareous nodules are contained rarely in this formation and yield fossils of "Neophylloceras sp."
The Neogene-Tertiary formations in this area exhibit the standard stratigraphic succession of the so-called "Tenpoku coal field".
The Magaribuchi formation is the basal formation of the Neogene-Tertiary in this area, and is composed of marine sediments. It is found developed in the northern and central parts, but is absent from the southern part. Sandstones and conglomeratic sandstones are the chief constiuents of thi s formation.
The Sōya coa l bearing formation is the only coal measure in the Tenpoku coal field. In central and northern parts of the map area, it covers the subjacent Magaribuchi formation unconformably, while it covers directly the Cretaceous formations with an unconformable relation in the southern part. Therefore it represents, in this part, the basal formation of the Neogene series. It consists mainly of fine grained sandstone and is associated with mudstone, tuff and coal.
The Onishibetsu formation, being composed of marine sediments, covers unconformably the subjacent Sōya coal bearing formation. Mudstone is the chief constituent of this formation. It yields many fossils of marine organisms.
The Masuporo formation lies conformably on the subjacent Onishibetsu formation. It is composed of marine sediments such as conglomerates, sandstone and mudstone, with facies of irregular sedimentation.
The Wakkanai formation, with the so-called hard shale facies, is developed barely forming the basement rocks of terraces in the southeastern part of this map area.
The 1st. terrace is 80 to 100 meters high, and is found only in the area to the south of the Sarufutsu-gawa, The 2nd. terrace is 40 to 80 meters in altitude, and is developed extensively in the area 6 to 10 kilometers distant from the sea coast. The 3rd. terrace has a 20 to 40 meters' height, and exhibits a flat terrace surface. Among them the 2nd. Terrace is uncertain whether or not it is only composed of terrace deposits. It should be examined in future.
Alluvial deposits along the main streams, peat beds as well as sand dune on the sea coast are the Alluvial formations of this area.
As for igneous rocks small dykes of basalt occur in this area, while masses of serpentinite are known in the southern part, in which micro-diorite is intruded.
Geologi c structure of the Cretaceous is characterized, to the east of the Karibetsu fault, by foldes and faults with axes of trend running from NE to SW, while it is characterized, in the western area, by those with N - S trend.
The area of the Neogene-Tertiary formations is divided, on the basis of their geologic structure, into the three provinces, i.e. the Koishi - Sarukotsu Basin province, the Karibetsu - Midstream Basin province and the Higurezawa - Poronaigawa Basin province. In each province the Neogene-Tertiary formations show a synclinal structure with N - S trend.
As for underground resources of this area, coal occurs in the Soya coal bearing formation. It is brown coal of good quality with heat value of 4,500 to 5,500 calories. Four to ten coal seams are known, and are being worked in the Koishi district. In other areas they have not been exploited as yet, but are promising.
昭和 39 年 3 月 25 日 印刷 昭和 39 年 3 月 31 日 発行 著作権所有 北海道開発庁