01056_1964
5万分の1地質図幅説明書
(網走 第 56 号)
北海道立地下資源調査所
技術吏員 長谷川潔
嘱託 渡辺順
北海道開発庁
昭和 39 年 3 月
この調査は, 北海道総合開発の一環である, 地下資源開発のための基本調査として, 北海道に調査を委託し, 道立地下資源調査所において, 実施したものである。
目次 はしがき I. 位置および交通 II. 地形 III. 地質の概要 IV. 中生代の地層 IV.1 日高累層群 V. 新第三紀の地層 V.1 上支湧別層 V.2 ニイトコロ川層 V.3 美里別熔結凝灰岩 V.4 ヌカナン熔結凝灰岩 V.5 トコロ川層 V.6 オンネアンズ沢層 V.7 ホロカトコロ熔結凝灰岩 VI. 新第三紀の火成岩類 VI.1 石英閃緑岩 VI.2 古期石英粗面岩 VI.3 新期石英粗面岩 VI.4 集塊岩脈 VI.5 ウコオビ川熔岩 VI.6 クマネシリ熔岩 VI.7 かんらん石玄武岩 VI.8 含しそ輝石かんらん石玄武岩 VI.9 中山熔岩 VII. 第四紀の地層 VII.1 無加熔結凝灰岩 VII.2 勝山熔結凝灰岩 VII.3 第1段丘堆積物 VII.4 第2段丘堆積物 VII.5 置戸火山灰層 VII.6 崖錐堆積物 VIII. 変成岩 VIII.1 ホルンフェルス IX. 地質構造および地史 IX.1 地質構造 IX.2 地史 X. 応用地質 X.1 金・銀鉱床 X.2 水銀鉱床 X.3 銅・鉛・亜鉛鉱床 X.4 温泉・冷泉 X.5 石材 文献 Résumé (in English)
5万分の1地質図幅説明書
(網走 第 56 号)
この図幅説明書は, 昭和 35 年から昭和 37 年までの3年間にわたり, 延約 200 日を費して行なった野外調査の結果を, 取りまとめたものである。
野外調査には, 著者らのほかに, 北海道立地下資源調査所 三谷勝利・石山昭三, 熊本大学 高橋俊正 [ 以下の [注] 参照 ] , 北海道大学 相馬恒夫・吉田勝・西村豪, 北海道開発局 安藤久男 [ 以下の [注] 参照 ] の各氏に援助していただいた。 また, 無加川流域については北海道立地下資源調査所 酒匂純俊氏, 藤原哲夫氏の調査資料をいただいた。
報告に入るに先だち, 資料を提供していただいたかたがた, 野外調査を援助されたかたがた, および野外調査の際にいろいろ便宜を計らっていただいた 置戸 営林署・ 足寄 営林署・北見林務署・春富鉱山に深く感謝する。
この図幅地域は, 東経 143°15' - 143°30', 北緯 43°30' - 43°40' の範囲であって, 北見国と十勝国にまたがっている。
行政的には, 図幅の北部 2 / 3 の大半が 常呂 郡 置戸 町に入り, 南部 1 / 3 の大部分が 足寄 郡 足寄 町の管轄になっている。 このほか, 図幅の北西隅が 常呂 郡 留辺蘂 町に, 南東隅が足寄郡陸別町に入っている。
図幅の北西部, 無加川にそっては国道 39 号線(通称 大雪国道)が敷かれており, バスが通じ, 交通が便利である。 その他の地域でも, 乗物の便こそないが, 主要な河川にそって, トラック道路が整備されている。
この地域は山岳地帯に属し, 西クマネシリ岳(標高 1,585.9 m)をはじめ, 東三国山・中山・幌加山など標高 800 m 以上の山々が並んでいる。 一方, 図幅内のもっとも低い地点は, シイトコロ川の流域で, 300 m の標高である。 なお, 無加川や 美里別 川では標高 600 m である。
一般に, この地域は浸蝕作用が進んでおり, 起伏にとぼしいゆるやかな丘陵性の地形をしめしている。
河川にそっては, 平坦面が形成されており, 無加川やシイトコロ川流域では農耕地として利用されている。 現在みられる平坦面は, 大部分が冲積世の段丘である。 洪積世の段丘はその背後にごく小規模に残されているにすぎない。
水系としては, 美里別川は太平洋に向かって流れるが, 無加川・シイトコロ川・ニイトコロ川は 途中で合流し常呂川となってオホーツク海にそそいでいる。
図幅内には, 中生代, 新第三紀および第四紀に属する, 各種の地層が分布している。 なかでも, この地域内でもっとも広く発達するのは, 新第三紀中新世から鮮新世にかけた時代の, 堆積岩類や火成岩類である。
図幅内でもっとも古い地層は, 日高累層群に属する粘板岩・砂岩である。 この地層の地質時代は, 中生代のジュラ紀と考えられている。
このジュラ紀層を不整合におおって, 新第三紀の地層が広く分布している。 新第三紀層は, 大まかにみて次のように5区分される。 最下位が礫岩層, 上位にグリーン・タフ層, 熔結凝灰岩層, 凝灰岩層, そして最上位が安山岩熔岩である。 このおのおのの間は, すべて不整合である。 この5区分のうち, 化石などの証拠はないが, 岩質の対比からみて, 下位から3層目の熔結凝灰岩までは中新世, 上位2層は鮮新世と考えられる。 大まかに中新世層と鮮新世層の分布状態をみると, 図幅中央部で南北に走る断層を境として, その西側にはおもに中新世層が, 東側には鮮新世層が分布している。
第四紀層としては, 熔結凝灰岩, 段丘堆積物, 崖錐堆積物などがある。 このうち熔結凝灰岩をのぞけば, いずれも発達の規模が小さい。 熔結凝灰岩には, 図幅北西部の稜線をおおって広がる熔結凝灰岩と, 図幅東部の谷を埋めて堆積した熔結凝灰岩の2種類がある。 どちらの熔結凝灰岩も, 噴出源がまだ知られていない。 段丘堆積物としては, 小規模ながら, 各河川にそって, 現河床より 15~20 m 高い段丘と, 100 m 高い段丘の2段の堆積物がみとめられる。
この地域の地質構成は, 第 2 図に表わしたとおりである。
この地層は図幅の西部地域に分布しており, おもに粘板岩から構成されている。 なお, 粘板岩中には砂岩が少量ふくまれている。
一般に, 粘板岩には片理が発達し, 千枚岩状の部分も少なくない。 また, 砂岩はレンズ状になっており, 地層の走向・傾斜は測定できない。 片理は, N - S・垂直の走向, 傾斜をしめす部分が多い。
図幅の西辺部では, 粘板岩中に花崗岩 [ 以下の [注] 参照 ] が礫状になってはいりこみ, 一見 礫岩にみえるような岩相が形成されている。 この岩相の部分は, 粘板岩がひどく圧砕されており, 正確には, 礫岩でなく圧砕岩といわねばならない性格のものである。
図幅地域に分布する地層は, 日高累層群のなかの, どの層群に属するものであるかは不明である。 ただ, 粘板岩がひじょうに多く, そのなかに含まれる砂岩が, 黒色細粒な硬砂岩であるという点からみれば, この地層は, 累層群中の最下位の中ノ川層群に属するものでなかろうかと思われる。
第三紀層としては, 上支湧別層・ ニイトコロ川層・ 美里別 熔結凝灰岩・ ヌカナン熔結凝灰岩・ トコロ川層・ オンネアンズ沢層・ ホロカトコロ熔結凝灰岩の7層がある。 このうち, 上支湧別層と, おもにグリーン・タフから構成されるニイトコロ川層・美里別熔結凝灰岩の3層は, あきらかに中新世の地層である。 また, ヌカナン熔結凝灰岩は, この図幅の南方で, 同一地層とみなされてきた凝灰質泥岩のなかから, 中新世をしめす植物化石が発見されている。 トコロ川層は, ヌカナン熔結凝灰岩を不整合におおって広がる石英粗面岩質凝灰岩層である。 この地層は岩質からみて, 十勝地方の鮮新世層に対比されると思われる。 しかし, 最上位のホロカトコロ熔結凝灰岩も, 鮮新世上部とされている安山岩熔岩に不整合におおわれているので, トコロ川層は鮮新世の下部, または中部と思われる。
この地層は, 図幅中央部のやや西よりの位置で, 日高累層群と次にのべるニイトコロ川層を境する断層の中にはさまれ, ごくかぎられた範囲にだけ分布している。
上支湧別層は礫岩層であって, 礫種は粘板岩・砂岩が大部分である。 また, まれに花崗岩や安山岩の礫もみられる。
北海道中央地域全域にわたって, この上支湧別層は新第三紀の最下位の地層である。
ニイトコロ川層は, 図幅の西半分に広く分布しており, おもにグリーン・タフから構成される地層である。
一般に, 分布範囲内の, 西半分には泥岩をはさむグリーン・タフ層が分布し, 東半分には軽石を多量に含むグリーン・タフ層がみられる。 この地層内には, 各所に断層が発達し, またプロピライトの迸入などがあり, この両者の層位的関係は不明である。 地層は, 一般に東傾斜なので, 軽石を含むグリーン・タフ層が上位でなかろうかと思われる。
まえにのべたように, この地層中には多量のプロピライトがみられるが, その大部分は迸入岩である。 プロピライトの岩質は, 緑泥石化作用が弱く, むしろ安山岩に近いものである。
図幅の南西部, 美里別川の上流地域に分布している。
この地層は, 厚い石英粗面岩質熔結凝灰岩を主体にしている。 また, そのなかには少量のグリーン・タフや黒曜石がはさまれている。 熔結凝灰岩は, 暗灰色~灰緑色をしめし, 0.5 mm 大の石英と斜長石を斑晶とし, その間をガラスが埋めるものである。 一部には, 熔結凝灰岩中に, 1 cm~3 cm の優白岩や安山岩の角礫を多量にふくみ, 角礫凝灰岩状の外観をしめす部分もある。
美里別川流域でみると, ニイトコロ川層と美里別熔結凝灰岩の関係は, ニイトコロ川層が N - S・50°W の走向・傾斜をとり, 美里別熔結凝灰岩が, その上位に整合的に接するようにみうけられる。 ただ, その直接の接触部は不明である。 東隣りの石狩岳図幅では, 土居繁雄が, 熔結凝灰岩が下位であるとのべている 3) 。 この両者の関係については, なお検討する必要がある。
この地層は, 図幅南部のヌカナン川流域, 美里別川流域およびニイトコロ川の上流地域に分布し, 美里別熔結凝灰岩を不整合におおって広がる熔結凝灰岩層である。
この地層は, 熔結凝灰岩を主体にしているが, 中にレンズ状に数枚の礫岩層をはさんでいる。 熔結凝灰岩は, 黄褐色~橙色でひじょうに堅硬である。 斑晶として斜長石, しそ輝石, 普通輝石をふくむ石英安山岩質のものである。
この熔結凝灰岩は, 図幅地域から美里別川にそって, より南方に広がっている。 芽登 温泉の南方では, この地層と同一層とみられてきたタウシュベツ層から, 中新世をしめす植物化石が発見されている。
トコロ川層は, 下位の地層を不整合におおい, 図幅のほとんど全域にわたって, 広く分布している。
この地層は, 石英・黒雲母・軽石を多量にふくむ石英粗面岩質凝灰岩を主体にしている。 シイトコロ川流域では, この地層をさらに3部層に分けることができる。 下位は, ごく少量の凝灰質砂岩をはさむが, 大部分は均質な凝灰岩である。 中位は, シイトコロ川とホロカトコロ川の分岐点付近に露出し, 凝灰岩・凝灰質集塊岩の互層である。 なお, 凝灰質集塊岩の岩塊は, しそ輝石普通輝石安山岩である。 上位は鹿ノ子沢付近にみられ, 凝灰岩・凝灰質砂岩, 泥岩の互層である。 泥岩も, 黄褐色~赤褐色の硬質な凝灰質泥岩である。
一般に, 地層はゆるく東に傾斜している。
図幅北東部のオンネアンズ沢流域と, 図幅南東部のウコオビ川上流地域に分布している。
オンネアンズ沢層と, その下位のトコロ川層とは傾斜不整合の関係にあるが, その角度はひじょうにゆるく, 整合に近い。
この地層は, 軽石や安山岩の礫を多量にふくんだ礫質の凝灰岩である。 地層の厚さは, 150 m 前後である。 この凝灰岩は, 熔結凝灰岩とまではいかないが, 石基中に部分的にガラスが発達し, 凝灰岩と熔結凝灰岩の中間の性質をしめている。 そのため露出の状態も普通の凝灰岩とはやや異なり, 鹿ノ子沢の上流にみられるように, 切り立った崖をつくりやすい。
この熔結凝灰岩は, 常上 部落北方の標高 1,017 m の山を形成して広く分布している。 このほか, オンネアンズ沢上流やウコオビ川上流など, 図幅の東半分地域に, てんてんとみられる。
この地層は, 流理構造の発達した玻璃質岩と, 多量に球か石をふくんだ玻璃質岩とから構成されている。 そのなかには, 凝灰岩の要素がまったくみられない。 このように, この地層は, 厳密には熔結凝灰岩と名付けられるものではなく, むしろ「ガラス流」とでも呼ばれる性質をもっている。 また, 図幅北東部に分布するこの地層中には, 黒曜石がはさまれている。
この熔結凝灰岩の噴出地は, 図幅北東部の黒曜石をふくむ付近と思われる。
図幅地域内の新第三紀火成岩としては, 石英閃緑岩, 古期・新期の石英粗面岩, および安山岩類などがある。 このほか, ニイトコロ川層中に迸入しているプロピライトや, ガラス流の性格をもつホロカトコロ熔結凝灰岩なども火成岩である。 しかし, これらについては前にのべたので, ここではふれない。
新第三紀の火成岩類のうち, 安山岩類以外の火成岩は, すべて迸入岩である。 これら火成岩類の活動時期は, 石英閃緑岩が中新世の火成活動によるものであり, 安山岩類と玄武岩類が鮮新世の活動である。 古期・新期の石英粗面岩は, 互いに岩相が異なっている。 古期石英粗面岩は, 後にのべるが, N 70°E 方向の中新世に形成されたとみられる断裂にそって迸入しているので, 中新世の火成岩と考えられる。 新期石英粗面岩は, トコロ川層を貫ぬくというだけで, 活動時期を決める資料はない。 安山岩類中に迸入している石英粗面岩はみあたらないので, いまのところ, この活動時期を, 鮮新世の安山岩熔岩の活動以前としておく。
なお, 図幅地域には, 第四紀とみられる火成岩は分布していない。
石英閃緑岩は, シイトコロ川上流の図幅西端部で, 曰高累層群中に迸入しているのがみられる。 このほか, 春富鉱山の鉱床付近で, ニイトコロ川層中に小規模な岩体が迸入している。
シイトコロ川上流の岩体についてみると, 同一岩体内で岩相の変化が多く, 閃緑岩~石英閃緑岩~石英閃緑ひん岩と多様である。 粒度も粗粒~細粒と変化が多い。
この石英閃緑岩は, 石狩岳図幅内の 音更 山, ユニ石狩岳などを構成する石英閃緑岩とともに, 中新世に形成された上支湧別構成線 [ 以下の [注] 参照 ] にそって迸入する岩体の一つである。
図幅の西部, シイトコロ川の支流の赤盤の沢に露出している。 この石英粗面岩は, 日高累層群やニイトコロ川層中に迸入しているが, まえにのべたように, 大部分の岩体は, N 70°E 方向の裂罅にそって迸入している。
この石英粗面岩は, 灰白色で斑晶がひじょうに少ない岩質である。 斑晶はおもに石英と斜長石である。 有色鉱物としては, 暗緑色の鉱物がみられる。 この鉱物名は未決定である。
美里別川の上流や, 上ホロカトコロ川の下流地点などに分布している。
この石英粗面岩は, 特徴的に流理構造が発達し, そのうえ斑晶がひじょうに少ない。
この岩石は斑晶が斜長石だけという, 珍しいものである。 すでに, 浦島・勝井によって報告されており, 「斜長流紋岩」と名付けられている 1) 。 勝井による分析値は次の表のようである (分析者:勝井義雄) 1) 。
| SiO2 | TiO2 | Al2O | Fe2O3 | FeO | MnO | MgO | CaO | Na2O | K2O | P2O5 | H2O + | H2O - | total |
| 73.93 | 0.15 | 13.06 | 1.22 | 0.45 | Tr | 0.27 | 1.96 | 3.49 | 2.18 | 0.12 | 2.14 | 0.82 | 99.79 |
図幅のほぼ中央部に, 幅 1 km で南北にのびる集塊岩の大岩脈が, トコロ川層中に迸入している。
この集塊岩は, 安山岩塊の間を安山岩熔岩が埋めているもので, 正確には自破砕熔岩(Auto-brecciated Lava)と呼ぶのがほんとうである。 この安山岩は, 普通輝石しそ輝石安山岩である。
この熔岩は, ウコオビ川の上流やエオマビリベツ川の上流などにみられるが, 次にのべるクネマシリ熔岩におおわれており, 沢にそってごく小範囲に露出しているにすぎない。
岩質は, 灰黒色で板状節理が発達する, 普通輝石しそ輝石安山岩である。 この熔岩は, クマネシリ熔岩と岩質が類似しているが, クマネシリ熔岩よりも斜長石の斑晶が大きく, 量もはるかに多い。 ここでウコオビ川熔岩に一括したが, エオマビリベツ川の上流ではアノーソクレスをふくむ安山岩がみられる。
クマシネリ岳(標高 1,585.9 m)を構成して標式的に発達するほか, 図幅の東半分, ほとんど全域にわたって広がり, 図幅のなかで, もっとも大規模に発達する火成岩である。
この熔岩は, 特徴的に板状節理が発達している。 なかには, 鉄平石として石材になるほどみごとに節理が発達した部分がある。
この岩質は, 黝黒色の, ち密で流理構造が発達した普通輝石しそ輝石安山岩である。 斑晶は, 一般に少ないが, 斜長石, しそ輝石, 普通輝石などがみられる。 なかには, 斑晶がしそ輝石だけの部分もみられる。
クマネシリ岳の頂上から南東方にむかって, 標高 1,350 m 前後のみごとな平坦面が発達している。 この平坦面は熔岩の流理構造と平行である。 また, 付近にはこの高さの平坦面がみあたらないので, この平坦面は熔岩の流走面であり, 熔岩台地のなごりである可能性が大きい。 このクマネシリ岳以外では, 火山形態らしいものを残す所はみあたらない。
なお, クマネシリ岳の頂上は, この平坦面の上に重なる安山岩熔岩によって構成されているが, この安山岩熔岩は, ドーム状の形態をとっている。
ホロカトコロ川上流など, 数ヵ所に分布している。 大部分は岩脈である。
黒色, ち密でやや粗粒な岩質である。 斑晶には, 斜長石・かんらん石・普通輝石がみられる。
図幅東部にある中山の山腹に, この小岩体がみられる。 産状は, 熔岩流であって, 次にのべる中山熔岩に, おおわれているようにみうけられる。
岩質は, 灰色, ち密でひじょうに硬く, また斑晶もほとんどみられない。
この熔岩は, 中山や東三国山などを構成し, クマネシリ岳熔岩をおおって広がる, 含かんらん石しそ輝石普通輝石安山岩である。
この熔岩の下位には, かなり厚い, 凝灰岩と凝灰角礫岩の互層がともなわれている。
岩質は, 暗灰色~灰色, ち密~多孔質と多様である。 また, 一般に板状節理が発達している。 この熔岩の斑晶は, 斜長石・普通輝石・しそ輝石であるが, このほか, かんらん石を少量ふくんでいる。
図幅地域の第四紀層としては, 無加熔結凝灰岩, 勝山熔結灰岩, 段丘堆積物, 置戸火山灰層および崖錐堆積物などがある。 これらのうち, 無加熔結凝灰岩, 勝山熔結凝灰岩は, 第四紀の火成活動によるものでありながら, その出所はまだ知られていない。 段丘堆積物には, 第1段丘堆積物と第2段丘堆積物の二つが区分される。 一般に, 図幅地域では段丘の発達が悪く, 河川にそって小規模な段丘が, てんてんとみられるにすぎない。
図幅の北西部に分布し, トコロ川層やニイトコロ川層などを不整合におおって広がっている。
この熔結凝灰岩は, 灰白色, ち密な岩質で, 石英, 斜長石, 黒雲母, 普通輝石を斑晶としてふくんでいる。 また, 一部には球か石が形成されている。
この熔結凝灰岩の上面は, 標高 1,000 m 前後の平坦面を形成している。 また, 熔結凝灰岩の底面も, 標高 600 m 前後の平坦な面である。 この底面となる標高 600 m の面は, 段丘面であろうと思われる。
図幅の東部, シイトコロ川にそって発達し, 谷を埋めて流れたような産状をしめしている。
この熔結凝灰岩は, 厚さ 140 m 前後であって, 上・下2層に分けられる。 下位部は, 節理が発達し, 暗褐色, ち密な岩質であって, 流理構造にそって, 黒曜石のパッチが並んでいる。 上位部は, 黄褐色で軽石を多量にふくみ, 熔結度の弱い凝灰岩である。
この熔結凝灰岩には, 斑晶として斜長石・しそ輝石・普通輝石をふくむが, 石英はほとんどみあたらない。
現在の河床から, ほぼ 100 m 高い位置に発達する段丘堆積物である。
上ホロカトコロ川流域では, 比較的よく発達しているが, その他の地域では, 段丘の痕跡が残されているていどである。
現河床より 15 m~20 m 高い位置に, 形成されている段丘堆積物である。
この段丘は, 大規模に発達しているところはないが, ほとんどすべての河川にそって形成されている。
図幅北東部にごくわずか分布している。 この地層は, ここから東隣りの 小利別 図幅の範囲にむかって広がっている。
この火山灰層は, 浮石を多量にふくんだ火山灰と火山灰質砂層とから構成されている。 また, この地層は第2段丘堆積物をおおっているが, 冲積世の段丘には切られている。
中山の南斜面や美里別川上流など各地にみられる。
崖錐堆積物の大部分は, 冲積世の堆積物であるが, 中山の南斜面やエオマビリベツ川の西方の稜線上に発達する堆積物は, 現在の地形に切られているので, 洪積世に形成されたものと思われる。
石英閃緑岩体の周辺には, 熱変成作用によって形成されたホルンフェルスが発達している。
シイトコロ川上流にみられるホルンフェルスは, 変成度の低いものであって, 粘板岩がやや褐色になり, 珪質になっているていどである。 顕徴鏡下で観察しても, 石英と黒雲母が少量形成されているだけである。
この地域の地質構造や地史について, 図幅範囲内だけの資料では, 正確にのべることは難かしい。 ここでは, この地域の地質構造と, 地質の主体をしめる新第三紀中新世と鮮新世の地史について, 図幅内の資料で解析できる範囲でのべる。
地質構造としては, 図幅の中央部で南北に走る断層と, 図幅の西部地域で東西方向(正確には N 70°E 方向)にのびる二つの断層が, もっとも大きく目につく。
南北方向の断層は, 図幅の北部から南部までつづく。 この断層の東側と西側では, 地質の状態が異なっている。 断層の西側には, おもに日高累層群とニイトコロ川層が, 東側にはトコロ川層が分布している。 この断層は, トコロ川層までは切っているが, その上位のホロカトコロ熔結凝灰岩にたいしては影響を与えていない。 また, 集塊岩脈も, この断層に平行して発達していることが注目される。
東西方向の断層は, 日高累層群とニイトコロ川層を境している断層である。 この方向の断層は, トコロ川層中にも小規模なものはみられるが, 大規模なものはみられない。 そのほか, 古期石英粗面岩の迸入する裂罅, 常上部落北方の鉱化剪断帯などの方向も東西方向である。
図幅地域の地質構造は, この2方向の断層の組合せによって決定されている。 この2方向の断層の形成機構や, 相互の関係については, まだわかっていない。 少なくとも, 形成時期は異なっていると考えられる。 東西方向の断層は, 上支湧別構造線の形成に関係して, 新第三紀中新世に形成され, 南北方向の断層は, 鮮新世の初期または中期と思われる。
図幅地域の地質は, グリーン・タフを主とするニイトコロ川層以後, そのほとんどが, 熔結凝灰岩などの陸性の堆積物である。 このことから, 中新世中期のニイトコロ川層の堆積以後, 途中一度鮮新世初期に陸性の堆積盆地が形成されトコロ川層が堆積しているが, それ以外の時期は完全に陸地になっていたと考えられる。
次に火成活動についてのべる。
中新世グリーン・タフ時代の火成活動といえば, 石英閃緑岩などもあるが, 主体は安山岩質プロピライトの活動である。 この時期の末期には, 火成活動の様式が変り, 石英安山岩質の美里別熔結凝灰岩, 石英粗面岩の酸性岩類の活動になっている。 中新世末期から鮮新世中期頃までは, 石英安山岩質・石英粗面岩質の熔結凝灰岩や凝灰岩, また石英粗面岩などと, この時期は酸性岩の活動で特徴づけられている。 このすべての火成活動が, この図幅の範囲内で行なわれていたわけではないが, 石英粗面岩やホロカトコロ熔結凝灰岩などは, この地域内で噴出したものである。
鮮新世の後期になると火成活動がまったく変り, 安山岩や玄武岩の活動が旺盛になる。 この安山岩は, 分布状態, 岩質の均質性などからみると, 図幅全域をおおって広がり, 熔岩台地を形成していたと思われる。
第四紀では, 2種の熔結凝灰岩が分布するが, 両者とも図幅内で噴出したとはみられない。 結局, この地域は, 新第三紀で火成活動は終わり, 第四紀には, わずかに西部地域が上昇する傾動運動が, 行なわれていたにすぎないと思われる。
新第三紀中新世のニイトコロ川層には, 金・銀床をはじめ, 水銀鉱床, 銅・鉛・亜鉛鉱床などの鉱徴がみられる。 金・銀鉱床としては, 現在 春富鉱山が稼働中である。 水銀鉱床は, なお探鉱の余地があるが, 銅・鉛・亜鉛鉱床は, ほとんど見込みがない。
このほか, 図幅内には温泉や石材などの資源がみられる。
金・銀鉱床の鉱徴は, 次にのべる春富鉱山の周辺地域にだけみられる。
春富鉱山は, ニイトコロ川の上流に位置し, 国鉄池北線の置戸駅から勝山市街を経て, 西方 32 km の地点である。
この鉱山は, 昭和 14 年に転石が発見され, 鉱床の糸口がつかまれた。 昭和 16 年, 晶興鉱山が設立された。 その後, 昭和 26 年から本格的な探鉱および坑道掘進が行なわれた。 同年, 住友金属鉱山株式会社の前身である別子鉱業株式会社の所属となり, 鴻ノ舞鉱山の支山になった。 その後, 2号脈, 5号脈, 6号脈, 3号脈, 鹿見鉱脈群の順に開発された。 昭和 38 年, 鉱山は住友金属鉱山株式会社から二上覚明氏 [ 北見市 ] に移った。
この地域の地質は第 11 図のとおりであるが, プロピライトと呼ばれている安山岩, 石英閃緑岩などの火成岩が圧倒的に多いことが, この地域の特徴である。
鉱床は剪断帯にそって形成された浅熱水性鉱床であって, 鹿見鉱脈群と1~17 号脈 [ 以下の [注1] 参照 ] の数多くの含金・銀石英脈によって成り立っている。 これら鉱脈の配列は, 第 12 図のようである。 鹿見鉱脈群は, ほぼ平行な4本の東西脈であるが, ほかの鉱脈は, N 40°E~N 60°E の走向をしめしている。 この鉱脈 [ 以下の [注2] 参照 ] のうち, 現在稼行されているのは鹿見5号脈だけである。
金・銀は, 石英脈中のいわゆる「銀黒縞」のなかにふくまれている。 銀黒は微粒のエレクトラム, 銀鉱物, 黄銅鉱, 閃亜鉛鉱, 白鉄鉱などをふくんでいる。 なお, 銀鉱物としては, 大部分が輝銀鉱であるが, ごくまれに濃紅銀鉱がみられる。
この銀黒には, さきに形成されたもの(1次銀黒)と, あとに形成されたもの(2次銀黒)の2種がある。 第 13 図は, この両者の産状である。 鹿見5号脈を観察すると, 富鉱部には, 1次銀黒だけの富鉱部と, 1次銀黒もあるがこれに多量に2次銀黒の加った富鉱部の2種類がある。 後者は, 前者にくらべて圧砕のはげしい場所である。 今回 調査できなかったが, 鹿見鉱脈群以外の N 40°E 方向をしめす鉱脈は, ズリから判断すると, 1次銀黒に乏しく, 2次銀黒が多いのではなかろうかと思われる。 この点は, 今後検討する必要がある。
今回は, 充分な調査を行なう余裕はなかったが, 今後地質構造の解析を行なえば, まだ多くの新鉱脈が発見されると思われる。
無加川の支流 43 号沢の沢頭に, 2, 3ヵ所ピット掘りの跡があり, かつて探鉱された形跡がある。 掘跡には, 辰砂をふくんだ, 人頭大の石英脈の転石が多数掘り出されている。 石英脈の品位は, Hg = 0.1~0.3 % である。
現在, 鉱石は崖錐堆積物中の礫として産出しているが, その付近のニイトコロ川層は鉱化作用をうけているので, 鉱石の源はその付近と考えられる。
辰砂をふくむ石英脈は, 品位のうえで, 今後期待されると思われない。 しかし, 基盤は一帯に珪化作用をうけており, さらにその一部は, 圧砕され泥土化している。 今後, 剪断帯の本体が発見されれば, そこには石英脈とは別に, 粘土化部に鉱染する, 稼行可能な鉱床が胚胎する可能性があり, 今後の精しい調査が望まれる。
また, 常上部落北方のニイトコロ川層中に, N 70°E 方向剪断帯が発達し, 剪断帯にそって珪化作用と黄鉄鉱の鉱染がみられる。 また, なかに白鉄鉱の細脈がみられる。 この剪断帯に伴う鉱徴も, 水銀の鉱徴でなかろうかと思われる。
鉱床といえるほどのものではないが, 春富鉱山の北東方に, 銅・鉛・亜鉛の鉱徴がある。 また, かつて常盤鉱山として探鉱されたといわれている。
鉱徴がみられるのは, シイトコロ川と上ホロカトコロ川の分岐点より, ほぼ 3 km シイトコロ川ぞいに, さかのぼった地点から, 南に分岐する沢である。 この沢の沢口から, 200 m 上流地点と, 1 km 上流地点の2ヵ所に鉱徴がみられる。
この付近の地質は, ニイトコロ川層のグリーン・タフと, そのなかに挾まれる泥岩とによって構成されている。 鉱床は, この2ヵ所とも, 石英脈が数本発達し, その石英脈中に 黄銅鉱・よう銅鉱・方鉛鉱・閃亜鉛鉱・黄鉄鉱などをふくんでいたといわれている 2) 。
今回の調査では, 現地が完全に崩壊しており, 鉱床の状態はわからなかった。 しかし, 鉱床付近の母岩は, 変質作用のうけかたがひじょうに弱い。 この2ヵ所以外にも石英脈がみられるが, その産状はオープン・クラックを埋める脈である。 このような点からみると, この地区の銅・鉛・亜鉛鉱床は, 大きな鉱床に発展するとは考えられない。
この地域内には, 上ホロカトコロ川の中流の「鹿ノ湯」と呼ばれている温泉と, 常元部落の冷泉(地元では常元温泉と呼んでいる)とがある。
上ホロカトコロ川の, 分岐点より 3 km 上流に温泉が湧出している。 この温泉は「鹿ノ湯」と呼ばれており, ここには現在 置戸営林署の保養所が建てられている。
温泉は, 第四紀冲積世の氾濫原堆積物のなかから湧出しており, その温度はほぼ 25 ℃ である。 この温泉は, 塩類泉である。 分析値は [ 以下に示す ] 別表のとおりであり, 湧出量はかなり多量である。
| HCO3- | Cl- | Fe3+ | SO32- | Ig. loss | P.H |
| 141.5 mg / l | 418.9 mg / l | Tr | - | 852.0 mg / l | 8 |
この地域の地質は, 氾濫原推積物の下にトコロ川層があるが, トコロ川層はごく薄く, ほとんどすぐ下に, ニイトコロ川層があると考えられる。 また, この地点は, ホロカトコロ川の中流・常上部落北方と東西方向でのびてくる断層の真上である。 このようなことから考えると, 温泉は, 現在 氾濫原堆積物の中から湧出しているが, その根元は, ニイトコロ川層中に発達する断層にあり, 湯は, 断層を通って上がり, トコロ川層, 氾濫原堆積物をとおして地表にしみ出したと推論される。 また, 氾濫原堆積物中では浸透水が加わり, 温度が低下していると考えられる。
この推論が正しいとすれば, 地下の断層にそう位置では, 温度が上昇することは間違いない。 今後, 地温測定なども加えて, 温泉を対象にした精しい地質調査が必要である。
常元部落の南方, シイトコロ川の川原で, 温度 2O ℃ ていどの冷泉が湧出している。 かつては, 付近の人達が湧かして利用したといわれているが, 現在はまったく利用されていない。
この地点も, 鹿ノ湯と同じようなことが考えられる。 すなわち, この付近に, 川に平行した断層が走り, 断層を通って上ってきた湯が, トコロ川層や表土のなかをとおって, 地表に湧出しているのではないかと思われる。
図幅地域内には, 石材として利用することのできる岩石はひじょうに多い。
図幅の東半分地域に広く分布するクマネシリ溶岩は, ひじょうに硬く, 砕石用に適している。 また, 林道に面して露出し, 採掘条件のよい場所も多いので, 今後需用さえあれば利用可能である。
また, クマネシリ熔岩は, 一般に板状節理が発達し, 石は平板状に割れる。 節理がひじょうによく発達している部分は「鉄平石」として装飾用の石材になる。 ただし, 岩体内どこでも均質に節理が発達しているわけではないので, 利用する場合は, あらたに石材を対象とした地質調査が必要である。
このほか, 図幅内に広く分布しているトコロ川層は, 浮石を主とする凝灰岩から構成されている。 この凝灰岩は, 固結度もひじょうに弱いので採掘しやすく, 軽量ブロックなどに利用することも考えられる。 ただし, 多量にうるためには, トコロ川層の下部が適しているが, 露出地が上ホロカトコロ川流域となるので, やや立地条件が悪くなるおそれがある。
なお, ホロカトコロ熔結凝灰岩中に黒曜石の厚さ 1 m ていどの層がはさまれている。 そのほか, 図幅北東隅に発達する崖錐堆積物中には, 黒曜石の岩塊が多量にふくまれている。 黒曜石が多いのは, 北の北見富士図幅, 東の小利別図幅の範囲である。
EXPLANATORY TEXT OF THE GEOLOGICAL MAP OF JAPAN (Scale, 1 : 50,000)
(Abashiri - 56)
By Kiyoshi Hasegawa and Jun Watanabe (Geological Survey of Hokkaidō)
The map area is located in the mountainous province of central Hokkaidō in a quadrangular area between longitude 43°30' to 43°40' N., and latitude 143°15' to 143°30' E.,
In this area, various formations are found developed, but those of Miocene and Pliocene, both of Neogene period, are the chief constituents. The geologic succession is summerized in the next table.
The pre-Cretaceous formation is composed mainly of clay slate, and makes the basement complex of this area. From the lithological characteristics, this formation is regarded as belonging to the Nakanogawa group the lowermost of the Hidaka super-group.
Miocene : The Miocene formations are divided, in ascending order, into Kamishiyūbetsu formation, the Niitokorogawa formation, the Biribetsu welded tuff and Nukanan welded tuff. The Kamishiyūbetsu formation is composed of thick conglomerates, and is the lowermost bed among various Miocene formations developing in the central part of Hokkaido. The Niitokorogawa formation rests unconformably on the Kamishiyūbetsu formation, and consists of green tuff intercalating a small amount of mudstone. The Biribetsu welded tuff is liparitic in lithology, and lies conformably on the Niitokorogawa formation. Obsidian is intercalated in this tuff bed. The Nukanan welded tuff is composed mainly of welded tuff, but it contains also a small amount of conglomerates. This formation, in the southern adjacent area, is considered to change itself from the welded tuf into tuff and silt alternation, in which Upper Miocene fossils are discovered.
Pliocene : The Pliocene formations are divided, in ascending order, into the Tokorogawa formation, the Onneanzuzawa formation and the Horokatokoro welded tuff. The Tokorogawa formation covers nearly whole extent of the map area. However, it is rather thin when compared with its vast extension, being about 200 meters thick. The lower part of the formation is composed of tuff, and the middle part of alternation of tuff and tuff breccia, while the upper part is represented by alternation of tuff and mudstone. The Onneanzuzawa formation consists of thick tuff. The Horokatokoro welded tuff is composed of glass containing spherulite. Strictly speaking, it is not welded tuff, but is glass flow. Obsidian is also contained in this formation.
Igneous rocks : All of the igneous rocks in this area are the products of the Tertiary activity, and no igneous rocks of Quaternary period are found developed. The Miocene igneous rocks comprise quartz diorite, andesite (so-called propylite) and the older liparite. The masses of quartz diorite are surrounded by hornfels. The Pliocene igneous rocks comprise the younger liparite, olivine basalt, hypersthene bearing olivine basalt and andesite. Among them the younger liparite is represented by plagioclase liparite. The andesite occurs in form of lavas spreading over the Pliocene sediments, and is divided into the Ukobi, the Kumaneshiri and the Nakayama lavas. The rock type of these lavas is augite-hypersthene andesite. Platy joint is characteristically well developed in these lavas. They are considered to be poured out in late Pliocene time spreading over the whole part of the map area in form of a vast lava plateau
To the Quaternary formations belong the terrace deposits on two levels as well as the Muka and the Katsuyama welded tuffs. Source of these welded tuffs, though they are very young, is not clarified yet.
In the Miocene Niitokorogawa formation, mineral indication of such ore deposits as gold-silver deposits, copper-lead-zinc deposits and quicksilver deposits are observed. A hot spring is found also in this formation.
Gold-silver ore is being exploited in Harutomi Mine. Mineral indications of copper-lead-zinc deposits are observed at certain localities in this area. They are, however, represented merely by pyrite-chalcopyrite-galena-zincblende quartz veins of a few centimeters' width filling up cracks in the Niitokorogawa formation, and are of no economlc value. As to quicksilver ore, cinnabar quartz veins are found in the northern part of this map area, and contain 0.1 - 0.3 % Hg.
Harutomi Mine : The ore deposits of this mine are composed of two lodes. The one is an epithermal gold-silver bearing quartz vein embraced in the first sheared zone with the strike of N 70°W, and the other is a lode stretching along the second sheared zone with the strike of N 40°- 60°E. The ore is contained in the so-called "silver black band" in the quartz vein. The "silver black band" was formed in two different stages. In the quartz vein of the first sheared zone are included both the early and late silver black bands, while the early silver black band is poorly developed in the second sheared zone. The lode in the first sheared zone is now being exploited.
There is hot spring called "Shikanoyu" in the northwestern corner of the map area. It is a brine spring, and shows 25 ℃ temperature. The hot water is being poured out from the Tokorogawa formation, but the source may exist in the fault running in N 70°E direction in the Niitokorogawa formation below.
昭和 39 年 3 月 1 日 印刷 昭和 39 年 3 月 5 日 発行 著作権所有 北海道開発庁