肘折火山噴出物2.8-4.0mm粒子の写真

by: 宮城磯治 (産業技術総合研究所・深部地質環境研究センター)

地質調査総合センター研究資料集 no.437

今から約1万2千年前に噴火した 肘折火山(山形県大蔵村)の未固結火砕流堆積物および降下火砕物を篩分けし、 2.8mmから4.0mmまでの区間の本質岩片・異質岩片粒子を台紙に糊付けし、 フラットベッドスキャナーで撮影された71枚の画像を、 肘折火山の噴火層序毎にハイパーテキスト形式でとりまとめた。 肘折火砕物に含まれる本質軽石はいずれも紫蘇輝石角閃石石英安山岩である。

以下、写真をクリックすると解像度の高い画像が表示されます。

スケール

ステージ1-1

肘折火山が噴火活動を開始した。 本質物はやや発泡の良い軽石。 変質の進んだ異質角礫を比較的多量に含む。

左試料=b-C ・ 右試料=c-A

左試料=c-Fa ・ 右試料=c-Fb

試料=t-D

ステージ2-1

休止後、活動を再開。変質した異質岩片を主とする火砕物。

試料=b-D

ステージ2-2

水蒸気噴火に引き続いて、肘折火山は発泡の悪い軽石を放出した。

左試料=b-F ・ 右試料=b-W

試料=t-C

ステージ3-1

休止後、活動を再開。異質岩片と、再移動した(やや変質した)軽石からなる。

試料=b-T

ステージ3-2

マグマ水蒸気噴火を繰り返し、異質岩片を主体とする火砕物を堆積させた。

左試料=b-F ・ 右試料=b-W

左試料=b-H ・ 右試料=b-R

試料=p-R

ステージ3-3a

軽石を遠方まで飛ばしたマグマ噴火。 非常に発泡度の高い軽石(尾花沢軽石)を主体とし、 ステージ3-3bに比較して異質岩片の含有量が少ない。

左試料=b-I ・ 右試料=b-P

左試料=d-A ・ 右試料=e-B

左試料=e-L ・ 右試料=e-K

試料=w-D

ステージ3-3b

ステージ3-3aのマグマ噴火はステージ3-3bのマグマ水蒸気噴火に漸移する。 ステージ3-3bは異質岩片が多いことが特徴。 本質物として、ステージ3-3a同様、非常に発泡度の高い軽石を含む。

左試料=b-J ・ 右試料=b-Q

左試料=b-V ・ 右試料=c-P

左試料=d-B ・ 右試料=d-C

左試料=d-F ・ 右試料=f-C

試料=t-B

ステージ4-1

ステージ4の水蒸気噴火。ほとんど異質岩片から成る。軽石はリワークと思われる。

左試料=d-G ・ 右試料=p-A

左試料=p-B ・ 右試料=p-C

左試料=p-D ・ 右試料=p-E

左試料=q-B ・ 右試料=q-C

ステージ4-2

遠方まで火砕流を堆積させた噴火。 本質物質として非常に発泡度の高い軽石を含む。 火砕物中の軽石は遠方ほど破砕され細粒になるため、 本報告で示した2.8-4.0mmサイズ区間の粒子では、 軽石含有量は遠方ほど低下する。 以下、近傍(試料b-L)から遠方(試料x-A)の順にならべる。 b-Lの採取位置は北緯38度37分14.46秒 東経140度13分49.59秒。 x-Aの採取位置は北緯38度37分22.18秒 東経140度47分31.29秒。

左試料=b-L ・ 右試料=d-H

左試料=e-J ・ 右試料=q-A

左試料=r-D ・ 右試料=r-I

左試料=r-J ・ 右試料=t-A

左試料=w-A ・ 右試料=w-B

左試料=w-C ・ 右試料=x-D

試料=x-A

湖成層

カルデラ内の湖成層 位置=北緯38度36分37.62秒、東経140度09分47.17秒

左試料=c-L ・ 右試料=c-N

塩台の火砕流台地の断面

位置= 北緯38度39分24.00秒 東経140度12分19.52秒 〜 北緯38度39分26.07秒 東経140度12分14.28秒。

下位(ステージ1-1)から上位(ステージ3-3b)まで順に。

左試料=j-A ・ 右試料=j-B

左試料=j-C ・ 右試料=j-D

左試料=j-E ・ 右試料=j-F

左試料=j-G ・ 右試料=j-H

左試料=j-I ・ 右試料=j-J

左試料=j-K ・ 右試料=j-L

左試料=j-S ・ 右試料=j-T

左試料=j-M ・ 右試料=j-N

試料=j-O