7.2 観測体制



新岳南西山麓の観測点.地震計およびGPSが設置されている.

火山活動観測

口永良部島火山における火山活動の観測は,京都大学防災研究所火山活動研究センター,気象庁,産業技術総合研究所地質調査総合センターなどによって行われている.主な観測項目は,地震活動,地殻変動,熱・噴気活動である.2008年11月現在の火山観測体制の概要は以下のとおりである.


地震観測

口永良部島火山における地震観測は,噴火活動に応じて臨時に観測を行う方式で1966年から度々行われた.静穏期を含めた連続的な時系列で活動推移を見ることができるようになったのは離島の通信インフラの整備が進んだ1990年代からである.オンラインの観測システムは1991年に京都大学によって最初に設置され,1999年には気象庁がそれに続いた.2008年9月現在,気象庁は新岳とその周辺に地震計4点,GPS3点,空震計1点,監視カメラ1点を設置して活動の監視・観測を行っている.また,京都大学防災研究所では,定常観測点のほか火山活動の推移に応じて観測点を展開し活動の監視・観測を行っている.


地殻変動観測

 火山性地盤変動を測地学的観測によって捉える試みは1994年に京都大学が設置した山麓の1箇所GPS連続観測点と,翌年の繰り返しGPS観測点の設置・観測から始まる.国土地理院の電子基準点は,同島では1997年の春から運用が開始された.2004年4月から産総研と京都大学が共同で設置したGPS網が連続観測中であり,そのうちの山頂部の2点は準リアルタイムで火口近傍の変動監視に用いられている.また,気象庁もGPS網を展開しており,産総研・京都大学のGPSとあわせて変動監視に用いられている.京都大学による水準測量も繰返されている.


噴気温度観測

噴気活動・熱活動の観測は,航空機及び地上調査によって噴気温度・熱異常領域・噴気ガス組成などが観測されている.また,東京工業大学・京都大学により新岳山頂噴気温度の連続観測が実施されている.また,新岳火口から北西約3.5kmには気象庁による監視カメラが設置され,噴気活動の連続観測が行われている.





口永良部島における火山活動監視・観測設備の配置.2008年9月現在.