5.6 1980年噴火





1980年(昭和55年)9月28日には,新岳山頂の東側を南北に走る既存の割れ目火口から噴火し,火口列近傍に火山礫が飛散したほか,南西方向に火山灰が飛散した.特に被害は発生しなかった.噴火の約半年前に当たる1980年2月に行われた地震活動の臨時観測では,火口周辺の浅い部分に発生する地震活動が従来に比較して高い状態にあることが指摘されていた(京都大学防災研究所附属桜島火山観測所,1980).噴火直前には有感地震等の異常現象は観察されていない.




1980年噴火直後の割れ目火口北部.野池山南斜面中腹から南を向いて撮影.割れ目火口から右側(西側)に厚く火山灰が堆積している.



ほぼ同じアングルから撮影した1980年割れ目火口の現状(2003年11月撮影).割れ目火口近傍に黄褐色の噴出物が残存している.



1980年噴火直後の割れ目火口南端部.南を向いて撮影.



雨による火山灰の侵食状況.割れ目火口南端部を西側から見る.



投出岩塊による衝突クレーター