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7.地質構造発達史

本海域の西部は海洋性地殻からなると推定されている日本海盆が広がる.海盆を覆う地層には一部の領域を除いて,断層や褶曲がほとんど形成されておらず,構造運動もなかったと考えられる.日本海盆を覆う新第三系の堆積物は,奥尻海嶺までほぼ連続することから,鮮新世まで奥尻海嶺も日本海盆の一部であったと推定される.後志(しりべし)舟状海盆は厚い第四系に覆われるため,日本海盆から連続する新第三系の存在を確認できないが,海盆の水深と第四系の厚さを考慮すると,日本海盆の一部であった可能性が高い.一方,奥尻島と渡島(おしま)半島には花崗岩や中生代の付加体などが分布し,大陸性地殻からなることを示している.奥尻島西側の急斜面と茂津多(もった)(みさき)沖の急斜面はほぼ北北東方向の線上に並び,その南西延長上には松前海台の北西側に発達する直線的な北西落ちの崖に連続する.この崖が海洋性地殻と大陸性地殻の境界で,日本海形成時の大陸地殻を分断した正断層性の崖であった可能性が高い.

一方,第四紀に逆断層の活動によって形成された奥尻海嶺は南北方向に伸び,上記の地殻構造の境界とは斜交する.しかし茂津多(もつた)岬沖断層のように,北東―南西方向の断層も形成されていることから,南―北と北東―南西方向の2方向の構造が伏在して,第四紀になってそれらの古い構造が選択的に再活動していると考えられる.本地質図北側の積丹(しゃこたん)半島付近海底地質図では,後期鮮新世に一部の逆断層が活動を開始したと判断したが,本海域では明瞭な後期鮮新世の逆断層運動は確認できなかった.渡島半島の瀬棚付近には新第三系がある程度分布し,鮮新世の中に傾斜の違いがあるように見えることから,陸域では鮮新世から圧縮変動が始まっていた可能性があるが,海域の主要な逆断層は第四紀に生じたと推定される.この変動は現在まで継続し,多くの逆断層は活動的で,今後も地震を発生させる可能性がある.


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