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第4回地質写真コンテスト入選作品

題名: 西アフリカ、マリ共和国の砂金採掘
カテゴリー: 組写真(調査風景)
撮影者: 伊藤順一
場所:西アフリカ、マリ共和国
撮影日:1992/01

 西アフリカ、マリ共和国は9〜15世紀アフリカ大陸における一大産金国であった。産金鉱床の大部分は、ラテライト下に伏在する河川堆積物からなる砂金鉱床である。地表から数m間隔で縦穴を掘り(A)、砂金鉱床に到達したところで、横方向に採掘層を広げていく。含金土壌は近傍の河川水を用いてパンニングされる。この採掘方法は、現在も基本的には変わらない。一般に男性が採掘を行い、女性がパンニングを行う(B・C)。採掘規模は集落単位から2-3名のものまで様々である。水確保のため、採掘は雨期に行うことが多い。採掘された砂金は、地方をまわるブローカーによって個人レベルで売買される。買い取り価格は実勢レートに近いものであった。このように採掘された金がどの程度、市場に流れるかどうかは不明である。写真は、マリ南東部の砂金採掘を生業としている集落で撮影したものである。乾季であったため採掘は休止しており、パンニングをお願いした含金土壌も昨年堀り上げた残土を用いた。洗い出された砂金の水分を集落に戻ってから蒸発させているものである(D)。