II. 1 CD-ROMの構成 | II. 2 編集範囲 | II. 3 GISデータの概要 | II. 4 温泉,自然噴気,地熱井データ | II. 5 GISデータ閲覧ソフトウェア
以下の記述では「{CD-ROM}:\」は本CD-ROMのルート・ディレクトリを示す.
第1図に本CD-ROMのディレクトリ構成を示す.主要なディレクトリとその格納データは以下のとおりである.
(1) {CD-ROM}:\ : テキスト形式の概説ファイル(readmeファイル),HTML形式の説明ファイルのトップ・ページを格納.
(2) {CD-ROM}:\arc\ : ArcView3用のプロジェクト・ファイル(aprファイル),ArcExplorer3.1用のプロジェクト・ファイル(axlファイル)を格納.
(3) {CD-ROM}:\arc\arcdata\ : 「東北・九州地熱資源図」のGISデータを地域ごとのディレクトリ分けて格納.
(4) {CD-ROM}:\table\ : 「東北・九州地熱資源図」の温泉,自然噴気,坑井データ・ファイルを格納.
(5) {CD-ROM}:\doc\ : HTML形式の説明ファイルのトップ・ページ以外のページを格納.
(6) {CD-ROM}:\ae\ : シェープ・ファイル形式GISデータの閲覧ソフトウェアArcExplorer3.1国際版Windows版のインストーラ,Java2実行環境インストーラを格納.
第2図に編集範囲を示す.「札幌」,「青森」,「秋田」,「新潟」,「九州」の範囲は,それぞれ同名の既存出版地熱資源図の編集範囲と同じである.「東北」は「札幌」,「青森」,「秋田」,「新潟」の4図幅を合わせたものである.
「青森」と「秋田」,「秋田」と「新潟」にはそれぞれ重複部分があるが,「東北」地域の編集においては以下のように扱った.地質図,断層,活断層,カルデラ,活火山,地熱変質帯,地熱資源賦存地域,地熱調査地域,地熱発電所の各データは,もとの4図幅の重複部分を整理して,「東北」地域のGISデータ・セットを新たに作成した.温泉,自然噴気,地熱井のデータは,データ量が多く,また地域ごとに編集経緯などが微妙に違っていることから,重複部分の整理をせず,「東北」地域の新たなGISデータ・セットは作成していない.後述するArcViewとArcExplorerのプロジェクト・ファイルでは,「東北」地域を表示する場合には,もとの4地域の温泉,自然噴気,地熱井データ・ファイルを読み込んで表示するように設定している.従って,隣接地域で重複する温泉,自然噴気,地熱井のポイント・データは重ねて表示される.
本CD-ROMに収録したGISデータは以下の13種類である.
(1)地熱発電所(ポイント・データ)
(2)国による地熱調査地域(ライン・データ)
(3)地熱資源賦存地域(ライン・データ)
(4)地熱資源賦存地域(ポリゴン・データ)
(5)地熱井(ポイント・データ)
(6)温泉(ポイント・データ)
(7)自然噴気,及び蒸気井(九州地域のみ)(ポイント・データ)
(8)酸性地熱変質帯(ポリゴン・データ)
(9)活火山(ポイント・データ)
(10)カルデラ(ライン・データ)
(11)活断層(ライン・データ)
(12)断層(ライン・データ)
(13)簡略化した地質図(ポリゴン・データ)
GISデータはシェープ・ファイル(shape file)形式で,本CD-ROMの {CD-ROM}:\arc\arcdata 以下のディレクトリに格納されている.GISデータの詳細はIII章に記載している.また,それぞれのデータの編集方法についてはIV章に記載している.
シェープ・ファイルはGISソフトウェアArcViewのデータ・ファイル形式である.ただし,他のGISソフトウェアでもシェープ・ファイルを読み込んで(または変換して)利用できるものがある.本CD-ROMにはArcView3用のプロジェクト・ファイルを収録してあるので,ArcView3を所有している利用者は,それを利用すると,各図幅地域の印刷図に近いイメージでデータを閲覧することができる.本CD-ROMにはシェープ・ファイル形式のGISデータの無料閲覧ソフトウェアであるArcExplorer3.1国際版(Windows版)のインストーラを収録しているので,ArcViewを持たない利用者はArcExplorerを用いて地熱資源図GISデータを閲覧できる.本CD-ROMにはArcExplorer3.1用のプロジェクト・ファイルも収録している.
それぞれのデータの編集・数値化は縮尺50万分の1またはそれより大きい縮尺の基図上で行った.本CD-ROM作成に際しても,それらの数値化データを用いている.GISソフトウェアでは縮尺50万分の1を越える拡大表示も可能であるが,データの位置精度を保証できるのは縮尺50万分の1以下においてだけである.なお,本CD-ROMに収録したデータの緯経度値は従来の日本測地系に従った値である.
既出版の各地熱資源図では,説明書に温泉,自然噴気(「九州」地域のみ蒸気井も併せて収録),地熱井のデータ一覧表を掲載した.これらのデータを,タブ区切りのテキスト・ファイルとして {CD-ROM}:\table\ ディレクトリに収録した.これらのファイルは,表計算ソフトウェア,データベース・ソフトウェア,テキスト・エディタ,ワード・プロセッサなどで読み込んで利用できる.ファイル名とその内容は以下のとおりである.
(1)hsd***.txt:温泉データ表(温泉名,所在地,緯経度,産出形態,温度,pH,化学分析値)
(2)fmd1***.txt:自然噴気データ表1(噴気名,所在地,緯経度)
(3)fmd2***.txt:自然噴気データ表2(温度,ガス化学分析値など)
(4)wld1***.txt:地熱井データ表1(地熱井名,所在地,緯経度,掘削深度,最高温度)
(5)wld2***.txt:地熱井データ表2(熱水化学分析値など)
*** は地域名を示す以下のアルファベットである.
sap:札幌,aom:青森,aki:秋田,nii:新潟,kyu:九州
各データ・ファイルは既出版の各説明書のデータ表から作成しており,出版時期以後のデータ更新・補充は行っていない.地域ごとにデータ・ソースや編集方針(経緯)に差があるので,全地域のファイルですべての項目が入力されているわけではない.また,データ表の項目構成においても,一部地域で標準の構成とは違うものになっている.各データ・ファイルの1行目は項目名であり,2行目以降がデータとなっている.第1表に各データ・ファイルの項目の一覧を示す.
以下には,各地域の特記事項を挙げる.
札幌地域:地熱井データ表2(wld2sap.txt)としてまとめるデータが非常に少なかったので,地熱井データ表2(wld2sap.txt)は作成せず,地熱井データ表1(wld1sap.txt)に「蒸気流量」と「熱水流量」の項目を追加した.また,温泉と地熱井は,それらを一連のデータ番号で整理している同一の参考文献から抽出しているので,参考文献のデータ番号にも対応する「温泉番号」の項目を地熱井データ表1(wld1sap.txt)に加えている.
九州地域:既出版の説明書に地熱発電所データ表の一部として掲載されていた各地熱発電所の代表的な地熱井のデータを,地熱井データ表1(wld1kyu.txt)及び地熱井データ表2(wld2kyu.txt)に含めた.
前述のとおり,本CD−ROMに収録したGISデータはシェープ・ファイル形式であり,これはArcViewというGISソフトウェアのデータファイル形式である.ArcViewの開発元のESRI社はシェープ・ファイルを閲覧できるソフトウェアArcViewを無償で提供しており,本CD-ROMにはArcExplorer3.1国際版Windows版のインストーラを {CD-ROM}:\ae\ae31iw\ ディレクトリに 収録している.
ArcExplorer3.1を使用するためにはJava2実行環境(JRE 1.3.0_02以上)が必要である.Java2実行環境をインストーラを {CD-ROM}:\ae\jre\ ディレクトリに 収録している.
ArcExplorer3.1とJava2実行環境のインストール方法及び関連情報はIX章を参照されたい.