産総研つくばから見える百名山など 雑学


見える?見えない?

1 写真:南東方上空から見た北岳(中央)と間ノ岳(左下)

Q:日本で2番目に高いといわれている南アルプスの北岳は見えますか.

      

A:見えません.約70km手前にある七ッ石山が邪魔になって見えません.
  日本で4番目に高いといわれている間ノ岳も見えません.

      

写真:南東方上空から見た北岳(中央)と間ノ岳(左下).

2 写真:南東方上空から見た奥穂高岳(中央左)と槍ヶ岳(中央右)

Q:日本で3番目に高いといわれている北アルプスの奥穂高岳は見えますか.

      

A:見えません.約90km手前にある荒船山が邪魔になって見えません.       
  日本で5番目に高いといわれている槍ヶ岳も見えません.

      

写真:南東方上空から見た奥穂高岳(中央左)と槍ヶ岳(中央右).

3 写真:西方上空から見た那須,茶臼岳

Q:栃木県の那須,茶臼岳は見えますか.

      

A:一番多く受ける質問です.北関東の平野部からはよく見える山だからでしょう.       
  残念ながら見えません.手前にある筑波山が邪魔になって見えません.

写真:西方上空から見た那須,茶臼岳.

   


百名山,二百名山,三百名山?

4 写真:北方上空から見た日本百名山のひとつ富士山

Q:百名山はいくつ見えますか.

      

A:念のためご自分で数えてください.       
  深田久弥の日本百名山のうち18%が見えていることになります.結構な割合です.       
  日本の首都圏にある平野部の筑波の地からこんなにもたくさんの名山が見えることは驚きです.

      

写真:北方上空から見た日本百名山のひとつ富士山

5 北方上空から見た日本二百名山のひとつ女峰山

Q:二百名山はいくつ見えますか.

      

A:念のためご自分で数えてください.       
  深田クラブが深田久弥の日本百名山に加えた百名山のうち9%が見えていることになります.       
  深田久弥の日本百名山の見えている割合と比べると,ぐっと少なくなります.

      

写真:北方上空から見た日本二百名山のひとつ女峰山(中央左).

6 北西方上空から見た日本三百名山のひとつ釈迦ヶ岳

Q:三百名山はいくつ見えますか.

      

A:念のためご自分で数えてください.       
  上記二百名山に日本山岳会が加えた百名山のうち9%が見えていることになります.       
  このほか,岳人編集部が選んだ日本百霊峰候補のうち14%が見えます.

      

写真:北西方上空から見た日本三百名山のひとつ釈迦ヶ岳(左端).

   


遠い?近い?

7 写真:南方上空から見た万三郎岳

Q:一番遠くに見える山はどれですか.

      

A:理論上は,伊豆半島にある天城山,万三郎岳のようです.産総研つくばから約168kmです.       
  しかしながらまだ見えたという証拠写真がありません.       
  確実に見えた山で一番遠いのは蓼科山で,産総研つくばから166kmです.

      

写真:南方上空から見た万三郎岳(写真中央).

8 写真:西方上空から見た筑波山

Q:一番近くに見える山はどれですか.

      

A:それは,まあ筑波山でしょう.産総研つくばから約18kmです.筑波山より近くにも山は見えていますが,地形図に名前が載っていません.

      

写真:西方上空から見た筑波山.

   


新しい?古い?

9 写真:南東方上空から見た富士山宝永火口

Q:一番新しい山はどれですか.

      

A:難しい質問です.地質図に地質の単元として記載されているものでは,浅間山の前掛山・釜山噴出物と富士山の宝永火山噴出物があります.       
  前者の一部は,1783年よりも新しく,後者は1707年にできたものです.

      

写真:南東方上空から見た富士山宝永火口.火口の縁の右下に見えている部分が宝永山です.ただし,宝永山全体が宝永噴火でできたものというわけではありません.宝永噴火の噴出物は,宝永山を薄く覆っています.

10 写真:高鈴山から見た神峯山

Q:一番古い山はどれですか.

      

A:はて・・・.       
  地質図では,日立付近の高鈴山神峯山風神山などは古生代石炭紀ー二畳紀とされており,この辺が一番古そうです.

      

写真:高鈴山から見た神峯山.両者の間に日立鉱山がありました.

   


火山?活火山?

11 写真:南方上空から見た横岳

Q:活火山はいくつ見えますか.

      

A:気象庁の定義によれば,最近の1万年間に噴火した火山もしくは噴気活動が認められる火山が活火山です.火山の数え方は,一連の活動でできた山々をひとまとめにしますので,ピークの一つ一つを○○火山とは呼びません.産総研つくばからは,箱根山(7つのピークが見えます.以下同じ),富士山(3),横岳(1),浅間山(3),榛名山(8),草津白根山(3),赤城山(6),日光白根山(1),高原山(6)の9つの活火山が見えます.       
  気象庁によれば,日本の活火山の数は110ですが,海底火山と北方領土をのぞくと,約1割の活火山が産総研つくばから見えていることになります.

      

写真:南方上空から見た横岳(中央).最近になって,1万年前よりも新しい活動が確認されたために活火山の仲間入りしました.左上は蓼科山

12 写真:南東方上空から見た男体山

Q:火山はいくつ見えますか.

      

A:今から約260万年前より新しい時代を第四紀とよんでいます.この時代に活動した火山の地形は一般に良く残っているので,活火山も含めて第四紀に活動した火山を火山と呼ぶことが多いです.日本の第四紀火山の1割弱が産総研つくばから見えていることになります.ピークの数で言うと,産総研つくばから見える山の半分近くが火山です.

      

写真:南東方上空から見た男体山.一番新しい噴火活動が1万年前よりも少し古いとされていましたので,活火山の仲間には入っていませんでしたが,最近,より新しい活動が報告されましたので,活火山に入ることになるかもしれません.小松左京の小説「日本沈没」では,噴火することになっています.

13 写真:南東方上空から見た浅間山の噴煙

Q:煙を吹いている火山は見えますか.

      

A:浅間山の噴煙はよく見えることがあります.では,次に噴火する山はどれでしょうか.富士山でしょうか.よく見張っていてください.

      

写真:南東方上空から見た浅間山の噴煙.

(写真・文: 須藤 茂)


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