国際惑星地球年(IYPE)終了記念イベント
「惑星地球2010 in アキバ」
富士ソフトアキバプラザ,2010-03-27(土)〜03-28(日)

国際惑星地球年(IYPE)2007-2009の終了を記念したイベントが, この3月27日(土)と28日(日)の2日間をかけてJR秋葉原駅近くの富士ソフトアキバプラザ6階で開催されました。 イベントは,シンポジウムや講演会,コンテスト表彰式,式典などのプログラムと,「環境」「防災」「資源」のテーマ展示, そのほか科学グッズや図書などの出店,さらにはブースやポスター展示など,多彩な催しにより構成されました。

第1日の27日(土)は,工学院大学提供「みんなの力で大震災からまちを救おう! 工学院大学・学習支援GP『いのち・つなぐ・ちから』」,東京地学協会提供「先史文化と新資源の国トルコを歩く」,そして日本地質学会提供「早大高等学院の高校生,四川大地震の記録映画製作者と一緒に語る『大地の変動』」の3プログラムが行われました。 「みんなの力で大震災からまちを救おう!」では,都心でのキャンパス生活を活かして,大学・学生と地域の連携による大震災に備える取り組みが紹介されました。 そして,実際に防災ポケットマニュアルにもとづいて,会場で学生達による傷口を保護する救急看護の実演などが行われました。 「トルコを歩く」では,講演会の前座として会場ロビーでトルコのお菓子が配られ,民族舞踏が実演され,雰囲気を盛り上げました。 講演の後半でも,トルコ式琵琶による民族音楽や舞踏の実演があり,またトルコ大使館参事官より,今年2010年が日本とトルコの友好親善関係120周年であり,「トルコにおける日本年」が開催される重要な年であることが紹介されました。 「早大高等学院の高校生」では高校の地学クラブによるハワイ巡検の成果が報告されたあと, 四川大地震の記録映画「風を感じて」のダイジェスト版が上映され,そのあと,映画の作製者黄淑柔さんと高校生達によるトークとなりました。


テーマ展示「環境」で


テーマ展示「防災」で

第1日目午後からは,プログラムのほかにテーマ展示や出店,ブース,ポスター展示なども並行して催されました。 「環境」「防災」「資源」のテーマ展示では,それぞれの展示コンセプトをもとにポスターや説明員による解説, あるいはスライドやビデオの上映,サンプルなどの展示による理解が行われました。 とくに資源のテーマは,食糧から工業原料,エネルギーまで幅広くあつかわれ,サンプルの展示にも特徴がありました。 クロマグロ・鮭などの剥製,生きているウナギの幼魚,もっとも軽い木バルサからもっとも重たい木リグナムバイタまでのブロック,土壌の断面, 原油や様々な鉱石(とそれから作られる製品),あるいは向日葵の種とマンガン団塊の展示と配布など,普段はなかなか見られないものが一堂に会していました。 これら出店・展示は2日目も終日まで行われました。

第2日の28日(日)は,「国際惑星地球年映像コンテスト表彰式」「惑星地球フォトコンテスト表彰式」「終了記念式典」「記念講演 『社会的共通資本としての地球をまもる』」「パネル討論『<地球>知識 その共有と双方向ネットワーク』」などのプログラムが順次催されました。

映画甲子園の協力により行われた映像コンテストでは,ノミネートされた18作品から,富山県立志貴野高等学校演劇同好会による「緊急時の制作における人間の行動」, 秋田県立秋田高等学校秋田県立中央高等学校秋田県立秋田南高等学校の3校生徒がグループを作るシマウマフィルムの「いつかあなたにふりかかる」, そして愛知県立瑞陵高等学校映画研究部による「誰ノ地球ダ」の3作品がIYPE賞に輝きました。 表彰式には,富山県立志貴野高等学校演劇同好会から米田祐介さんが参加し,賞状とトロフィーが小玉IYPE日本会長から手渡されました。 入賞作品は会場ロビーに設置された65インチ大型モニターでも繰り返し紹介されていました。


入賞写真を見る子ども達。

惑星地球フォトコンテストは,IYPE日本と日本地質学会が協同して立ち上げた写真コンテストです。 昨年11月30日締切までに400作品を越える応募があり,白尾元理審査委員長の下,厳正な審査の結果, IYPE日本名誉会長賞・日本地質学会会長賞・審査委員長特別賞・A部門優秀賞・B部門優秀賞の各1点と9点の入選作品が決まりました。 表彰式では,式に参加した受賞者に小玉IYPE日本会長から表彰状と副賞が手渡されました。 そのあと,入賞作品がスクリーンで紹介され,白尾審査委員長による講評がありました。 入賞作品は会場ロビーにも展示され,多くの人が見入っていました。 惑星地球フォトコンテストは今回が第1回で,今後IYPEのレガシーとして受け継がれていく予定です。

終了記念式典は,日本学術会議IYPE小委員会委員長の佃栄吉氏による挨拶のあと, 国際惑星地球年本部事務局長,Eduardo de Mulder(エデュァルド・デ=マルダー)氏および在日ポルトガル大使,Jaao Pedro Zanatti(ジョアォン・ペドロ・ザナッティ)氏のメッセージが紹介されました。 ポルトガルは,昨年11月にリスボンイベントとして国際的なIYPE終了式典を開催した国です。 また,トルコ同様,奇しくも今年2010年は日本ポルトガル修好通商条約150周年です。 これらメッセージに引き続き,有馬朗人IYPE日本名誉会長による国際惑星地球年終了宣言が読み上げられました。 有馬名誉会長による終了宣言では,IYPE日本に参画あるいは支援・協賛した団体等への感謝とともに,活動の一定の成果が報告されました。 と同時に,地球の歴史からすると一瞬でしかない3ヶ年の活動がめざした目標に向け, 今後ともIYPEの活動を引き継ぐ様々なイニシアティブへの期待が述べられました。 その後,IYPE日本による感謝状および特別賞(大矢 暁記念特別賞)の授与に移りました。 感謝状は,IYPE日本とその活動に惜しみない支援・協力をなし, あるいは積極的なIYPEロゴ使用等により自らの活動をIYPE協賛事業・行事と位置付けるなど, IYPE活動に多大の貢献をなした機関・団体など22団体にに贈られました。 式典では,これら団体を代表して,全国地質調査業協会連合会会長,瀬古一郎氏が小玉IYPE日本会長から感謝状を受け取りました。

大矢 暁記念特別賞は,前IYPE小委員会委員長の故大矢曉氏の広範な国際的貢献を記念して, 国際惑星地球年の活動に貢献,さらにそのレガシーを受け継ぐ個人・団体へ授与されました。 顕彰された個人・団体は,人形劇「稲むらの火」をはじめとする諸活動を実践する児島正氏, 国際的にIYPEを推進したEduardo de Mulder(エデュァルド・デ=マルダー)氏, 日本のIYPEおよびジオパークに惜しみない助言を行ったFranz Wolfgang Eder(フランツ・ウォルフガング・エダー)氏の3名と,日本ジオパークネットワーク「地質の日」事業推進委員会の2団体です。

式典終了後のお昼をはさんで開催された記念講演は, 2009年のブループラネット賞を受賞された宇沢弘文氏による「社会的共通資本としての地球をまもる」です。 貧困からの解放と人々の豊かさを基底とした経済学,その道標となる社会的共通資本という概念を易しいお話と逸話で紹介しつつ, 今日の行き過ぎた経済活動への警告,さらには地球環境問題へ対する経済制度的仕組みの提案など,興味の尽きないものでした。


パネル討論


アキバ宣言を読み上げる

記念講演のあとは,佃IYPE小委員会委員長をモデレーターとしたパネル討論「<地球>知識 その共有と双方向ネットワーク」が持たれました。 パネリストは,荻田麻子氏(日本科学未来館 キュレーター),財城真寿美氏(成蹊大学専任講師),佐々木詔雄氏(元三井石油開発(株)専務取締役), 中川和之氏(時事通信社 防災リスクマネジメントWeb編集長),米田 徹氏(日本ジオパークネットワーク会長,糸魚川市長)の5名です。 佃モデレーターによる趣旨説明のあと,各パネリストによる,それぞれの活動現場でいかに科学的知識や情報などを伝達しているか, あるいは受け手の感覚をどのように把握するかなど,実際の活動に例を取った話題が紹介されました。 また,今後の展開や問題点などが提示され,最後に佃モデレーターにより「知識を教えるのではなく,イマジネーションを与える」大切さが確認されました。

様々なプログラムや出店・展示など,多彩な催しによる終了記念イベントも,パネル討論終了後, 会場の65インチ大型モニターに映し出され,学生2名によって一文ずつ読み上げられた「アキバ宣言」の発表で,その全てが締めくくられました。

国際惑星地球年日本および終了記念イベントは本サイト<www.gsj.jp/iype/>に記録として残されます。


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