三宅島ヘリ観測 2002年4月30日

4月30日三宅島ヘリ観測報告


担当:下司信夫
東大地震研:吉本氏,古屋氏(重力),気象庁:中堀氏,瀧沢氏

海上保安庁羽田基地0949離陸,三宅中ヘリポート1046着,古屋氏降機後1053離陸, 火口観測の後三中ヘリポート1156着,古屋氏搭乗ののち1058発,1240羽田着.

COSPECバッテリー不調のため途中で観測断念し,上空滞在のほぼすべての時間を 火口観測に充当した.

三宅島噴煙は最大海抜1000mまで上昇し,強い南西風によって北東方向にたなび く.白煙は鉢巻林道付近まで到達した後消滅する.ミストは美茂井方向に山腹を 伝って下降し,海上に到達するが,昨年に比べるとかなり薄い.COSPECコース上 でやや強いガス臭を感じた.



陥没火口内の状況に大きな変化はない.池の水位はやや高い. 強風のため,カルデラ全体にミストが充満して視界が悪い.また,主火口全体の白色噴煙量が多く,主火口 北側の火口底や南側火口のリムが時々見える程度で,主火口内部構造の細かい観察は難し かった.主火口底北側は相変わらず全面噴気地帯になっている.火口 最高温度は250度とのこと.

       

西側噴気列の噴気がやや弱いようにも見えるが,これを含めて噴気の位置などに変化なし.

主火口直上のカルデラリムをよく観察できた.リムに平行にはっきりとしたクラッ クが数m間隔で入っており,小規模な崩壊が続いていることをうかがわせる. すおう穴西側のカルデラ壁の崩壊も,特に壁の最上部で続いているが,地形に大 きな変化はない.

 双眼鏡で仔細に観察していた中堀氏によれば,ガス観測用ホースはカルデラリム より手前で切断してしまっているとのこと.現像した写真をみてみると,カル デラリムから垂れ下がっているはずのホースがリムの上でとぐろを巻いている.