2001年11月14日の三宅島

西上空から見た三宅島2000年カルデラ

東京ヘリポートより警視庁ヘリ(おおとり5号)にて.
久しぶりの三宅島観測.同乗者は東大大島さん,震研大久保さん,COSPEC気象庁班の中堀さんと菅野さん.他に三宅島警察署署長が三宅島まで同乗.

東ヘリ9:08発,三宅中ヘリポート発9:59,三宅島発11:14,新島着11:29,新島発13:01,COSPEC観測終了13:55,三宅中ヘリポート発14:10,東京ヘリポート着15:18.

三宅島上空は晴.
噴煙の量はやや多いか.白色の噴煙が平均して高度1300mくらい,ときどき1600mくらいまで上がる.白色噴煙,火山ガスとも息つぎがある.
風がやや強く,カルデラ内は噴煙が巻いてよく見えない.しばらく高度2500ftでカルデラ縁に沿って旋回.
西側からスオウ穴にかけてのカルデラ壁は非常によく観察できた.最近雨が降った
ためか,非常によく岩脈,シル,堆積物が見える.
その後1時間ほども上空で旋回.そのためややガスが晴れてきて,内部がそこそこ見えてくる状態に.粘ってくれたクルーの皆様に感謝.

主火口は噴気が多く,よく中は見えないが,大きな変化はない模様.
南西の黒池をおおう崖錐が発達.スオウ穴下の崖錐は,西カルデラ壁に沿って崩壊物による侵食溝ができており,崖錐そのものの成長は止まっているようだ.主火口東側カルデラ底には大きな変化はない
カルデラ底の南黒池,北池とも水位が上昇している.北池の水の色が黒くなっているようにみえた.そのほかにも茶灰色の水たまりが多数見える.
スオウ穴の水は緑青色.

その後新島で燃料補給.午後からCOSPEC観測.見た感じではガス量は今年前半とあまり変わっていない(2万トンを越えるくらい?)ように見える.
硫化水素臭を感じた後,二酸化硫黄の刺激臭を感じた.
#当日のCOSPEC観測によると15000トンほどだったらしい.

観測終了後,山頂上空を横切って三宅中へ.大久保さんを拾った後ももう一度上空を飛んでくれた.


午後の山頂の様子(動画(約5MB):要QuickTime4以上)


南上空から見たカルデラ

三池方向に流れる
噴煙
容量:53K
主火口東北東から
北側が浅く南に深いたて穴
容量:83K
西北西からの主火口
容量:74K
北西カルデラ壁
容量:132K
西-北西カルデラ壁
多数の溶岩流,岩脈が
見える
容量:87K
北カルデラ壁下部
貫入岩体や岩脈
容量:128K
北カルデラ壁
容量:102K
北東-東カルデラ壁
容量:105K
南東カルデラ壁
容量:52K
南カルデラ壁
容量:64K
南西カルデラ壁
薄い溶岩流の積み重なり
容量:78K
南上空から見た
カルデラ底
容量:96K
南西から見た
カルデラ底
容量:96K
スオウ穴
容量:116K
1983年溶岩上の泥流
都道に流れこまない
ように堤防が作られている
容量:154K
ヘリに搭載された
COSPEC
容量:89K
三宅島から7マイル
離れて観測する
容量:58K