三宅島ヘリ観測

8月20日

1)ヘリ 
警視庁 おおぞら2号
搭乗者:津久井(千葉大),松島,その他災対関係者(往6名,復11名)

2)スケジュール
東京ヘリポート 09:34
三宅観測 10:2010:40
神津島 11:00
新島 11:10
東京ヘリポート 12:30
その後、気象庁で説明

3)天気

曇り


4)観測内容

 三宅島には高度約1000mに雲底が広がっていたため,ヘリは風上側の比較的低い高度を選び、カルデラの北~東~南西を
2往復した(写真1,2,3)。白色噴煙は,風に流され西方向に流れつつ,高度1000mの雲底まで上昇していた。青色のガスは相変わらず,その下部の山腹を漂うように流下していた。往復とも,カルデラ側のドアをオープンし,赤外画像,ビデオ画像の撮影を行った。火口内は,ガス,水蒸気が漂い視界が悪かったが(写真4,5),赤外画像を撮影することはできた(写真6左)。火口から上昇する噴気の下部が最高温度を示し120℃であった。ただし,撮影高度が低いため,より高温な噴気の出口あたりは火口の縁に隠れ測定されていない。参考のために2001年1月24日にほぼ同じアングルから撮影した赤外画像も示す(写真6右,気温の違いを考慮して表示温度は15℃低くしてある)。噴煙量の低下に伴い,出口火口内での高温度域が観測されるようになった。火口周辺の地温高温部には大きな変化はないようである。カルデラ外の状況について,同行の津久井さんによると今まで気づかなかった割れ目が,カルデラ南縁部に認められた。

  
写真1 南側から       写真2 南東側から      写真3 南側斜面

 
写真4 北側縁から火口内部  写真5 北東側縁から火口内部

 
写真6 火口域の赤外熱画像(太線は火口縁)左:2001年8月20日 右:2001年1月24日