GSJニュースレター NO.17 2006/2

第2回自治体 ・産総研地質地盤情報連絡会
- 地震地下水,関東地下陥没構造,土壌汚染研究と自治体との関わり -
佐藤 努 (地質調査総合センター)


写真1.公開講演会で関東平野の地下陥没構造について講演する高橋氏.
写真2.連絡会における議論風景.
 2006年1月19日(木)に秋葉原コンベンションホールにて,第2回自治体・産総研地質地盤情報連絡会が開催されました.2005年10月21日(金)に開催された第1回の連絡会では,関係者のみによる講演および情報交換が行われましたが,今回は前半を公開講演会,後半を関係者のみの連絡会と2つに分けて開催されました.

 まず,13時から行われた公開講演会では,内外合わせて44名の方が参加し,「災害・地盤・汚染リスク対応と地質地盤情報 -地震地下水,関東地下陥没構造,土壌汚染研究と自治体との関わり-」と題して,この3つのテーマについて産総研から3名の研究員による講演が行われました(写真1).最初の地震地下水については,地質情報研究部門の小泉尚嗣氏より,東海・東南海・南海地震および十勝沖〜根室沖地震を対象とした,地下水・温泉水観測による巨大地震予測に関する講演がありました.次の関東地下陥没構造については,地質情報研究部門の高橋雅紀氏より,日本海拡大時に形成された関東平野の陥没ハーフグラーベン群が及ぼす長周期地震動の増幅について講演がありました.最後に土壌汚染研究については,地質情報研究部門の丸茂克美氏より,自治体と産総研の連携による自然由来の土壌・地質汚染評価法の開発について講演がありました.各発表の質疑応答および総合討論では,関連する自治体の方々から多くの質問が出されました.例えば,愛知県西部のスロースリップについてや,関東平野のハーフグラーベンの場所などについて質問があり,また土壌汚染に関しては,各自治体における汚染例が挙げられて活発な議論が行われました.

 公開講演会の引き続き,15時から同じ場所で自治体・産総研地質地盤情報連絡会が行われ,29名の方が参加されました(写真2).まず冒頭において,古宇田亮一産学官連携コーディネータより,産業技術連携推進会議(産技連)や科学技術振興調整費 、地質地盤情報協議会などの説明がありました.その後,連絡会のメンバーの自己紹介を兼ねた意見表明がありました.自治体側からは,公設試(公設試験研究機関)の再編や人材不足などの構造的な問題や,土壌や地下水汚染についての技術的な問題が出され,最後の討論では,具体的な分析法や行政職にも分かりやすい科学成果発表の方法などについて議論されました.


 連絡会の終了後には懇親会が開催され,15名の方が参加されて,さらに活発な議論で盛り上がりました.

 なお,来年度の自治体・産総研地質地盤情報連絡会は,埼玉県環境科学国際センターが幹事となり,2回程度の会合が行われる予定です.















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