海生珪藻 Chaetoceros didymus Ehrenberg 栄養細胞の走査型電子顕微鏡写真(奥 修博士提供の培 養サンプルによる.スケールは10μm.)
 珪藻はガラス質の殻を持つ単細胞の植物性原生生物である.多くの珪藻の殻は死後も一部は 分解されずに堆積物中に保存され,化石として産出するが,本属の栄養細胞の殻は非常に薄く, 化石としては保存されない.しかし,その生息する海洋の栄養塩が枯渇したときには休眠胞子 と呼ばれる殻の厚い耐性細胞を形成し,堆積物中に化石として保存される.写真に示した C. didymus の休眠胞子化石(化石形態種名 Gemellodiscus geminus)は,中期始新世から現在まで 報告があり,常磐地域及びその周辺の第三系中にも多産する.