|
要旨集 地質調査研究報告 Vol.56 No.1/2 2005
On the oxidized and reduced granites found in quarries from Okayama city, Southwest
Japan Shunso Ishihara, Shin-ichi Yoshikura, Shigeo Horikawa, Masatsugu Ogasawara, Itaru Nishio and Shigeru Terashima 岡山市内には多数の採石場があり,チタン鉄鉱系のピンク花崗岩を古くから採石している.この度,ボーリング岩 芯から磁鉄鉱系に属する花崗岩の共存例が発見されたので,それらの特徴を記載し成因を考察した.これは地下500 〜 700 m で見られ,粗粒チタン鉄鉱系花崗岩中に磁鉄鉱系アプライト質花崗岩が混在するものである.このアプラ イト質花崗岩は岩床状の産状を示し,ミアロリチック組織や小規模ペグマタイトを伴う.磁鉄鉱は粗粒であるが,他 形結晶でミアロル部分に産出する.アプライト質花崗岩の主成分・微量成分は固結末期濃集成分に著しく富んでお り,粗粒花崗岩マグマの分化相と考えられる.粗粒チタン鉄鉱系花崗岩マグマの固結最末期に水に富む少量の残マ グマが形成され,その水のO2,H2 への解離とH2 の上方への選択的な拡散によって,酸素フュガシティが上昇し,磁 鉄鉱系アプライト質花崗岩が晶出したものと解釈された.また近傍の採石場で粗粒花崗岩の割れ目から見いだされ た黄白色の柱状結晶は,化学分析によって砒鉄鉱と同定された.この発見は花崗岩マグマ最末期の熱水活動の硫黄
関東地域の土壌中微量セレンの地球化学的研究 寺島 滋・今井 登・太田充恒・岡井貴司・御子柴(氏家)真澄
土壌におけるSe の地球化学的挙動を解明するため,関東地域で採取した20 本の柱状試料から得られた247 試料を連続水素化物生成‐原子吸光法で分析した.Se濃度の平均値は,火山灰質土0.65 ppm (n=176),褐色 森林土0.47 ppm (n=31),沖積土0.54 ppm (n=40) であり, 全体の平均値0.62 ppmは火成岩平均値の約15倍 に相当する.土壌,岩石,植物中のSe 濃度,土壌柱状試料におけるSe と有機炭素等濃度の鉛直分布を研究し た結果,土壌中のSe は主として生物濃縮で濃集したと考えられた.Se に富む火山灰質土は,最終氷期極相期 以降に堆積したもので,気候の温暖化に伴う植生の活性化と堆積後の経過時間が短く腐植の分解やそれに伴 うSe の移動・流失が少ないためであろう.沖積土中のSe 濃度は細粒の粘土質土壌で高く,粗粒の砂質土壌で 低い.海水に由来する高濃度の硫黄が含有されてもSe濃度は特に高くないが,これはSe(VI) が硫化水素に よって沈殿しないためと考えられた.土壌中Seの地球化学的挙動を支配する要因としては,土壌の産状とそ の母材, 生物濃縮,土層の酸化‐還元状態,続成作用に伴う濃集と移動・流失・逸散等が重要と考えられた.
地熱ガス中のRガス採取時に使用する試料採取用チューブから発生する炭化水素 猪狩俊一郎・前川竜男
地熱ガス中のR ガス採取の際に用いられる種々のチューブから発生する軽質炭化水素濃度を明らかにす る目的で,Rガス採取の室内模擬実験を行った.使用したチューブはバイトンゴムチューブ,シリコンゴム チューブ,あめ色ゴムチューブの三種とした.その結果120 ℃で加熱処理したシリコンゴムチューブを用い ると軽質炭化水素発生量がもっとも少なかった.また,あめ色ゴムチューブは高濃度のエチレンを発生するた め試料採取チューブとしては適当でないことが推定された.
Additional notes on some species of Mantelliceras (Ammonoidea) from central Hokkaido, North Japan Tatsuro Matsumoto and Seiichi Toshimitsu
これまで北海道中央部三笠地域の幾春別川流域の白亜系セノマニアン階下部から産出したMantelliceras japonicum Matsumoto, Muramoto and Takahashi及びM. cantianum Spathを記載したが,その後これらに加えて,M. cf. mantelli や,それより上位の層準からM. cf. picteti Hyatt及びM. cf. dixoni Spathを得たのでここに記載する.あわせて,穂別地域 産のM. cf. couloni (Orbigny)についても修正を加えて再記載する.
|