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要旨集 地質調査研究報告 Vol.53 No.5/6 2002
硫黄同位対比の対配列:西南日本内帯の白亜紀後期−古第三期鉱床 石原瞬三 ・ 佐々木 昭
西南日本内帯の白亜紀後期−古第三紀の鉱床と岩石産の硫化物を 領家帯5個,山陽−苗木帯18個,羽越−関東帯15個,山陰−白川帯47個について δ34S値を測定した. 既発表資料と合わせて鉱床別平均値を, チタン鉄鉱系花崗岩地帯で 109個, 磁鉄鉱系花崗岩地帯で56個求めた. δ34S値は鉱床のタイプや鉱種よりも先ず 花崗岩系列により変化し, チタン鉄鉱系地帯では0パ−ミルよりも軽く, 磁鉄鉱系地帯で は0パ−ミルよりも重い. この対配列は日本列島において特徴的なもので,“日本型”と 呼ばれたが, その成因は前弧の圧縮場において形成された付加体と背弧の張力的な 構造場においてマグマ活動が生じた結果として説明される. 各系列では地域別に δ34S値と鉱種に変化が見られることがあり, これはその地域の成因的背景を暗示する ものとして, ドメインと呼ばれた. チタン鉄鉱系地帯では著しくδ34S値が低い目玉が 現れ, いずれも美濃−丹波帯で代表される付加体で認められる. 付加体は深所まで達する ために花崗岩マグマの発生に関与し, 泥質岩からの還元性硫黄がマグマを経由して 鉱床に反映したものと考えられる. 京都の大谷−鐘打と山口県東部の目玉では鉱種が タングステンである共通性があり, Sと共にWも堆積岩に由来する可能性がある. 生野−明延多金属型鉱床は+1パ−ミル前後の値を持つ珪長質マグマから形成されたが, 明延では母岩からの硫黄の供給の可能性も考えられる.
中部地方,武節両雲母花崗岩中の輝水鉛鉱のRe-Os年代 石原瞬三 ・ ホリ-J.シュタイン ・ 田中亮吏 岡崎市滝町の中根石材ピットの両雲母花崗岩(岡崎岩体)に貫入するペグマタイト脈中の 輝水鉛鉱の Re-Os年代測定をコロラド州立大で行った. 結果は76.4±0.3Maであり, その北東方7km, 松平のモナズ石 CHIME年代である77.6±3.7Maと良い一致を示した . 南東1.5km,米河内からは黒雲母 K-Ar年代の74.6Ma, 岡崎岩体の全岩 Re-Os年代と して82.5±3.9Maがあるが,Re-Os法と U-Pb法の一致性, 分析精度を考慮して, 岡崎岩体の固結年代は76Ma頃と考えたい.
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