表紙の写真 福島県奥会津地熱系の最上部では,50万年前形成の砂子原カルデラ 火山を埋積する湖成堆積物から西山温泉をはじめとする高温泉が湧出 する.温泉湧出個所の一部では,その近傍に数100ppbの金を含む ヒ素硫化物(オレンジ色)が沈殿する(左上).貯留槽深度の地熱は 炭酸ガスや硫化水素ガスに富む.地熱流体を貯蔵する裂罅の地表 延長部に沿って,ガス徴候が点在する.ガスが河床から放出される 場所では,細かな泡が間断なく吹き上がり,炭酸飲料のような見かけ を呈する(右上).地熱発電に用いられた後の気相中には低濃度ながら 硫化水素ガスが含まれる.柳津西山地熱発電所では環境負荷を軽減する ため,その硫化水素ガスを回収している.触媒酸化法により溶融イオウ (アメ色の液体)として回収することにより,硫化水素ガスの90% 以上が除去される(高橋・他,1998)(左下).地熱流体が貯留される 地下1000-2000mに分布する急傾斜開放裂罅群中には,しばしば硬石膏 (Anh),閃亜鉛鉱(Sp)などの硫酸塩・硫化鉱物が沈殿する.その一部では 沈殿時に沸騰が生じており,その中には数100ppbの金を含むものもある(右下). (写真と文:深部地質環境研究センター 関 陽児)
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