CD-ROM説明(CD-ROMに収納されているファイルの一部を省略)

数値地質図 P-4 韓国南部・日本西部及び周辺海域の地球科学図集 1:4,000,000 CD-ROM版

GEOSCIENTIFIC MAPS OF SOUTHERN PART OF KOREA, WESTERN PART OF JAPAN AND THEIR ADJOINING SEAS 1:4,000,000 (CD-ROM Version)

FOREWORD
The Geological Survey of Japan (GSJ), National Institute of Advanced Industrial Science and Technology (AIST) and the Korea Institute of Geoscience and Mineral Resources (KIGAM) published the atlas of "Geoscientific Maps of Southern Part of Korea, Western Part of Japan and Their Adjoining Seas" (GSJ and KIGAM, 2001) in 2001. This CD-ROM records the digital data sets of the maps.

COMPILERS OF MAPS
Geological Survey of Japan, AIST: Yasukuni OKUBO, Toshihiro UCHIDA, Teruki MIYAZAKI, Takemi ISHIHARA, Masao KOMAZAWA, Akiko TANAKA, Kiyoyuki KISIMOTO, Osamu MATSUBAYASHI, Koji WAKITA and Maria Joy N. DAIGO Korea Institute of Geoscience and Mineral Resources:
Yeong-Sue PARK, Mu-Taek LIM, Hee-Il LEE, Sung-Bon KOO, Jin-Dong CHO, Hyoung-Chan KIM and Seung-Hwan CHUNG

Design and Development of Database
Isao HASEGAWA and Yasukuni OKUBO, Geological Survey of Japan, AIST

はじめに
著者らは2001年に"GEOSCIENTIFIC MAPS OF SOUTHERN PART OF KOREA, WESTERN PART OF JAPAN AND THEIR ADJOINING SEAS"を出版した.この地球科学図集には「地形・海底地形図」,「地質・海底地形の陰影図」,「重力異常図(ブーゲー異常図)」,「磁気異常図」,「地殻熱流量図」,「地温勾配図」が掲載されている.これらの図の中で数値データとして公表していない「地質・海底地形の陰影図」,「重力異常図(ブーゲー異常図)」,「磁気異常図」,「地殻熱流量図」,「地温勾配図」の数値データを公表し,併せて全図のコンピュータ用のイメージファイルを公表するものである.また東・東南アジアの最新地殻熱流量と韓国の地殻熱流量と地温勾配の数値データの数値データも公表する.

編集者
大久保泰邦 1) ・石原丈実 1) ・田中明子 1) ・駒澤正夫 1) ・岸本清行 1) ・脇田浩二 1) ・Maria Joy N. DAIGO 2) ・内田利弘 1) ・松林修 1) ・宮崎光旗 1) ・Yeong-Sue PARK 3) ・Mu-Taek LIM 3) ・Hee-Il LEE 3) ・Sung-Bon KOO 3) ・Jin-Dong CHO 3) ・Hyoung-Chan KIM 3) ・Seung-Hwan CHUNG 3)

データベースの設計および開発
長谷川功 1) ・大久保泰邦 1)
1)産業技術総合研究所,2) 元旧地質調査所,3) 韓国地質資源研究所

CD-ROMの内容について
マップイメージ(Tiff)

メッシュデータ
投影法その他
地形・海底地形図
岸本清行
海域及び陸域のカラー陰影地形図は,主としてデジタル標高モデル(DEM)「Japan250m.grd」(Kisimoto, 2000)を用いて計算した.このDEMの空間メッシュサイズは,緯度,経度方向のサイズが,それぞれ7.5秒と11.25秒の等間隔グリッドである(1グリッドは約250m).このDEM作成に用いたソースデータ,及びDEMに含まれない範囲の地形データソースを,以下の(1)〜(4)の地域(Index Map参照)に分けて示す.
<データソース>
海域
(1)500mメッシュの海域デジタルデータファイル:浅田(2000)を使用.
(2)この海域で公開されたデジタルデータは,ETOPO5(空間グリッドサイズ約9km)のみであり,その周辺の高分解能地形データとの接続が困難である.従って,空白のままとした.
陸域
(3)日本の陸域標高は,国土地理院発行の250mメッシュ DEM を用いて計算した.
(4)韓国の陸域標高は,30秒メッシュのDEMである,GTOPO30を用いた.このデータは全世界の陸域標高DEMを含んでおり,以下のURLから得ることができる. http://edcdaac.usgs.gov/gtopo30/gtopo30.html <データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれたメッシュデータである.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには1点の緯度・経度(単位:度)と標高(単位:メートル)が記載されている.メッシュ間隔は経度方向に45秒,緯度方向に30秒である.この間隔は両者とも約1 kmである.データは西から東へ,北から南への並びになっている.従って,最初の点は図の北−西の隅(北緯38°,東経126°)である.メッシュの点数は西から東方向に801点,北から南方向に961点で,全データ数は769761 (=801 x 961)点である.

地質・海底地形の陰影図
脇田浩二・Maria Joy N. DAIGO
この地質図は,東・東南アジアの数値地質図(CCOP・GSJ, 1997)に基づいて編集したもので,Kishimoto (2001)の地形陰影図の上に重ねて表示してある.本地質図の元になった地質図は,東・東南アジア地球科学図デジタル編纂第I期作業部会によって編纂されたものである.日本と韓国の地質は,大変異なっている.韓国では,先カンブリア紀の花崗岩や片麻岩が古生代や中生代の深成岩類に貫入されており,古生代から新生代の堆積岩類や火山岩類によって覆われている.一方,日本列島では,非変成もしくは変成している後期古生代から中生代の付加複合体に中生代から新生代の火成岩類や堆積岩類が伴っている.ただし,飛騨帯や南部北上帯,黒瀬川帯などでは,韓国と類似した古期岩類が分布している.

重力異常図(ブーゲー異常図)
駒澤正夫・Mu-Taek LIM・石原丈実・Jin-Dong CHO・Yeong-Sue PARK
<編集資料及びデータ処理>
日本の陸域重力データは,駒澤ほか(1999)による編集資料を用いた.韓国の陸域重力データは,韓国資源研究所(CHO et al.,1996),韓国石油公社,釜山大学及び延世大学の測定資料を用いた.海域の重力データは,地質調査所(現産業技術総合研究所),海上保安庁水路部,韓国資源研究所及び韓国海洋調査院により測定されたものを使用した.重力異常値(ブーゲー異常値)は,国際重力基準網1971(IGSN71)に基づく重力値から測地基準系1980(GRS80)による正規重力値を広域異常として差し引き算出した.地形補正は,各測定点について地球の曲率に伴う沈み込みを考慮し60kmまで実施した.ブーゲー補正は,60kmまでの球殻地殻の重力効果を算出する球面ブーゲー補正によった.地殻の密度は2.67g/cm3を仮定した.等重力線間隔は,5ミリガルとして表示した.
<謝辞>
韓国海洋研究所のChan Hong Park氏には,編集の便宜を図っていただき,ここに謝意を表します.
<データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれたメッシュデータである.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには1点の緯度・経度(単位:度)と重力値(単位:mGal)が記載されている.メッシュ間隔は経度方向に45秒,緯度方向に30秒である.この間隔は両者とも約1 kmである.データは西から東へ,北から南への並びになっている.従って,最初の点は図の北−西の隅(北緯38°,東経126°)である.メッシュの点数は西から東方向に801点,北から南方向に961点で,全データ数は769761 (=801 x 961)点である.未定義データの領域があり(これは主にデータの空白域である),未定義データは9999.99の重力値が記入されている.

磁気異常図
石原丈実・Yeong-Sue PARK・大久保泰邦・Sung-Bon KOO・Hee-Il LEE
この編集には,新エネルギー・産業技術総合開発機構と地質調査所による日本及びその周辺域の空中磁気データ (Makino et al., 1992), 韓国地質資源研究所による韓国陸域の空中磁気データ (Park and Lee, 1997), そして地質調査所,海上保安庁水路部,韓国石油公社等による海域の海上磁気データ (GSJ and CCOP, 1994)を使用した.韓国国立海洋調査院の磁気図 (NORI, 1998)をディジタイズして得られたデータ,米国海軍海洋調査局によるProject MAGNETのデータも使用した.空中磁気及び海上磁気のデータは,各々地上1500m及び海面上1500mの高度まで上方(一部下方)接続した.
<データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれたメッシュデータである.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには1点の緯度・経度(単位:度)と磁気異常値(単位:nT)が記載されている.メッシュ間隔は経度方向に45秒,緯度方向に30秒である.この間隔は両者とも約1 kmである.データは西から東へ,北から南への並びになっている.従って,最初の点は図の北−西の隅(北緯38°,東経126°)である.メッシュの点数は西から東方向に801点,北から南方向に961点で,全データ数は769761 (=801 x 961)点である.未定義データの領域があり(これは主にデータの空白域である),未定義データは9999.99の磁気値が記入されている.

地殻熱流量図
田中明子・Hyoung-Chan KIM・松林修・Yeong-Sue PARK・Seung-Hwan CHUNG
西南日本および韓国の周辺の地殻熱流量を,既存のデータをもとにコンパイルした.用いたデータは,1) 山野・他(1977),2) Lim・他(1997),3) Furukawa・他 (1998),4) 韓国の未公表データ,である.図には 30°N 〜 38°N,126°E 〜 136°E の範囲に 487 個のデータが示されている.ヒストグラムに示されるように,大部分のデータは, 0 〜 125 mW/m2 の範囲の値である.日本周辺の地殻熱流量の分布の大まかな特徴は 1970 年代の初めには明らかにされた(例えば,Uyeda (1980)).
ここに示す西南日本では,フィリッピン海プレートが南海トラフにおいて沈み込んで いる.これらの島弧の背後には,日本海や四国海盆などの背弧海盆がある.このテクトニク スが,基本的には熱構造と地殻熱流量の分布を支配している.韓国では 1960 年代以降約 40 ヶ所において陸上の地殻熱流量観測が行われてきた(Lim (1995)).韓国では南東部が地殻熱流量が高くなっているが,データが十分にはないので詳細な研究はなされていない.
<データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれている.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには測定点の緯度・経度(単位:度),および地殻熱流量値(単位:mW/m2)が記載されている.データ点数は487である.従って全データの行数は487である. 熱伝導率などの詳細なデータを含んだ韓国の地殻熱流量と地温勾配のデータと東・東南アジアの地殻熱流量図(GSJ and CCOP, 1997)のデータも本CD-ROMに記録してある.

地温勾配図
田中明子・Hyoung-Chan KIM・松林修・Yeong-Sue PARK・Seung-Hwan CHUNG
西南日本および韓国の周辺の地温勾配を,既存のデータをもとにコンパイルした.用いたデータは,1) 矢野・他(1999)および田中・他(1999),2) Kim・Song(1999), 3) 山野・他(1977),4) Furukawa・他(1998),5) 韓国の未公表データ,である.図には 30°N 〜 38°N,126°E 〜 136°E の範囲に 1018 個のデータが示されている.ヒストグラムに示されるように,大部分のデータは, 10 〜 80 K/km の範囲の値である.その平均値は 50 K/km であり,これは関東平野のような非火山地域の平均値,20 K/km に比べて極めて高い.これは火山や地熱地帯などの高い地温勾配を持つ領域においてデータが多く得られているということを反映していると考えられる.
地温勾配の詳細な構造を決めるためにはデータのない部分もあるが,地温勾配の分布はテクトニクスを良く反映している.また地温勾配の値の分布は,地殻熱流量の値の分布とよく一致する.このことから,地温勾配データは地殻内の浅い部分の熱的構造の良い指標であることを示唆される.
<データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれています.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには1測定点の緯度・経度(単位:度),および地温勾配(単位:K/km)が記載されています.データ点数は1018です.従って全データの行数は1018です.

韓国の地殻熱流量と地温勾配
Hyoung-Chan KIM
<データフォーマット>
地殻熱流量
このデータはASCIIで書かれている.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには測定点の緯度・経度(単位:度),温度勾配(単位:K/km),熱伝導率(単位:W/m K),地殻熱流量値(単位:mW/m2),および参考文献あるいは備考が記載されている.参考文献あるいは備考の1は「Lim, J.U., and Kim, H.C., Heat flow in south Korea, CCOP Technical Bulletin, 26, 85-91, 1997.」,2は熱伝導率は坑井近くの露頭から採取した岩石の測定値である.データ点数は219である.従って全データの行数は219である.
地温勾配
このデータはASCIIで書かれている.リターンキーで分けられたそれぞれの1行のデータには1測定点の緯度・経度(単位:度),深度(単位:m),温度勾配(単位:K/km),坑底温度(単位:℃),および20 m深地温(単位:℃)が記載されている.データ点数は370である.従って全データの行数は370である.

東・東南アジアの地殻熱流量データ
松林修・長尾年恭
CCOP-GSJ 共同による広域地球科学図作成の一環として東アジア・東南アジア地域の地殻熱流量データのコンパイルが行われ(GSJ and CCOP, 1997),それには西南日本と韓国の熱流量データも含まれていた.この熱流量マップ作成のために使われた元データは多岐にわたっており,第一にNagao, Uyeda and Matsubayashi (1995) により既存の全世界熱流量ファイル(IHFC作成)から抽出された東アジア地域のデータ;第二にはCCOP加盟国の専門家から提出された東アジア・東南アジアにおける国毎の未公開熱流量測定データ(松林1997を参照)が含まれている.今回まとめたデータ・セットではGSJ-CCOPの熱流量図に掲載されたデータをディジタル・ファイルとして整理したものに,日本周辺の1997年以降のデータを追加した.日本を除く国々のデータについては1997年以降のものは追加されていない.
本データ・セットを用いることにより,東アジア地域全体での広域的な熱流量値分布との対比において西南日本と韓国の熱流量を考えることができるという意味で,これは重要な情報源である.ただし,ここで中国大陸や東南アジアでの個々の地域での地下熱構造について議論することは割愛する.
<データフォーマット>
このデータはASCIIで書かれている.リターンキーで分けられた1行のデータには各測定点の緯度・経度(単位:度),および地殻熱流量(単位:mW/m2)が記載されている.データ点数は南部エリア(95°E−135°E;  12°S−22°N)で2896,北部エリア(120°E −150°E;  0°−50°N)で2717である.従って全データの行数は5613である.